特徴
P2Y2受容体に作用し、結膜から水分とム
専門医コメント
コンタクトレンズをどうしても装用したい患
用法・用量
通常、1回1滴、1日6回点眼する。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
適応
ドライアイ
効果・効能
ドライアイ。
効果・効能に関連する注意
涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 眼:(5%以上)眼刺激、(1〜5%未満)眼脂、結膜充血、眼痛、眼そう痒感、眼異物感、眼部不快感、眼瞼炎、(1%未満)結膜下出血、眼異常感(眼乾燥感、眼違和感、眼のねばつき感)、霧視、羞明、流涙、結膜炎、(頻度不明)糸状角膜炎・表層角膜炎・角膜びらん等の角膜上皮障害。
2). その他:(1%未満)頭痛、好酸球増加、ALT上昇。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分間以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるのでソフトコンタクトレンズを装用している場合は点眼前にレンズを外し点眼後少なくとも5〜10分間の間隔をあけて再装用すること。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ジクアホソルNa点眼液3%「ニットー」
有効成分 1mL中 ジクアホソルナトリウム 30mg
添加剤 リン酸水素ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ベンザルコニウム塩化物、pH調節剤
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3.2 製剤の性状
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販売名 ジクアホソルNa点眼液3%「ニットー」
pH 7.2〜7.8
浸透圧比 1.0〜1.1
性状 無色澄明、無菌水性点眼剤
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薬効薬理
18.1 作用機序
ジクアホソルナトリウムは、結膜上皮及び杯細胞膜上のP2Y2受容体に作用し、細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させることにより、水分及びムチンの分泌促進作用を示す。また、角膜上皮の膜結合型ムチンの発現・産生促進作用も有する。
18.2 ムチンを含む涙液分泌促進作用
・正常動物(ウサギ及びラット)において、ジクアホソルナトリウムの単回点眼により、涙液の分泌及び結膜細胞からのムチン分泌を促進した。
・ラットドライアイモデルにおいて、ジクアホソルナトリウムの単回点眼により、涙液の分泌を促進した。また、反復点眼により結膜組織内のムチン量は増加した。
18.3 角膜上皮細胞のムチン産生促進作用
ジクアホソルナトリウムは、角膜上皮細胞のムチンの遺伝子発現及びタンパク質産生を促進した(in vitro)。
18.4 角膜上皮障害改善作用
ラットドライアイモデルにおける角膜上皮障害は、ジクアホソルナトリウム溶液を1日6回、4週間反復点眼した結果、濃度依存的に改善され、1%以上で最大効果を示した。また、1%ジクアホソルナトリウム溶液を2週間反復点眼した結果、1日6回以上の点眼回数で最大改善効果を示した。
18.5 病態モデル動物を用いた涙液分泌促進作用の評価
涙腺を摘出したモルモット(Hartley系、雄性、n=40/群)にジクアホソルNa点眼液3%「ニットー」又はジクアス点眼液3%を点眼投与して涙液増加量を比較した。その結果、涙液増加量の平均値の差の割合は90%信頼区間で許容域の範囲内にあり、両剤の涙液分泌促進作用は同等であった。
涙腺摘出モルモットにおける涙液分泌促進作用の比較
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
涙液増加量(mm/30 sec.)*1 平均値の差の割合の90%信頼区間*2(%)
ジクアホソルNa点眼液3%「ニットー」 ジクアス点眼液3%
6.69±2.30 6.71±2.17 −12.70〜12.12
*1:平均値±標準偏差
*2:90%信頼区間が許容域(±20%)の範囲内にある場合に同等と判定
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
18.6 病態モデル動物を用いた涙液ムチン分泌促進作用の評価
涙腺を摘出したモルモット(Hartley系、雄性、n=34/群)にジクアホソルNa点眼液3%「ニットー」又はジクアス点眼液3%を点眼投与して涙液ムチンの増加量を比較した。その結果、涙液ムチン増加量の平均値の差の割合は許容域の範囲内にあり、両剤の涙液ムチン分泌促進作用に類似性が認められた。
涙腺摘出モルモットにおける涙液ムチン分泌促進作用の比較
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
涙液ムチン増加量(μg)*1 平均値の差の割合*2(%)
ジクアホソルNa点眼液3%「ニットー」 ジクアス点眼液3%
0.21±0.10 0.18±0.07 14.72
*1:平均値±標準偏差
*2:許容域(±20%)の範囲内にある場合に類似と判定
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男性の両眼に0.3%、1%、3%、5%ジクアホソルナトリウム点眼液注)を1回1滴、1日1回1日間、1日6回1日間もしくは1日6回7日間点眼したときの血漿中未変化体及び代謝物濃度を測定した結果、血漿中未変化体濃度は、すべての被験者における全測定時点で定量下限値(2ng/mL)未満であった。代謝物(UTP、UDP、UMP、ウリジン)についても、内因性成分に由来する生理的濃度に影響を与えなかった。
注)本剤が承認されている濃度は3%である。
16.3 分布
白色ウサギの両眼に3%14C‐ジクアホソルナトリウム点眼液を単回点眼したとき、結膜、角膜などの外眼部組織に高い濃度で検出され、結膜及び角膜では点眼後5分に最高濃度を示し、点眼後24時間には最高濃度の4〜30%となった。
16.4 代謝
ヒト血漿及びヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝反応において、ジクアホソルナトリウムは速やかに代謝を受け、UMP、ウリジン及びウラシルの生成が認められた(in vitro)。
ジクアホソルナトリウムはecto alkaline phosphodiesterase Iにより、UTP及びUMPに加水分解されると考えられた。