Antaa DI

drug

フランドル錠20mg

硝酸イソソルビド徐放錠

硝酸薬(貼付剤) >>

特徴

  • 錠剤・テープ剤ともに、主に、狭心症発作予

専門医コメント

ニトロダームTTSと比較してフランドルテ

用法・用量

通常、成人に対し、1回1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

本剤はかまずに服用すること。

禁忌

2.1. 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。2.2. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある]。2.3. 頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある]。2.4. 高度貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある]。

2.5. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。2.6. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤投与中(リオシグアト)の患者〔10.1参照〕。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

狭心症、心筋梗塞(急性期除く)、その他の虚血性心疾患

効果・効能

狭心症、心筋梗塞<急性期を除く>、その他の虚血性心疾患。

効果・効能に関連する注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 循環器:(0.1〜5%未満*)めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸、(0.1%未満*)血圧低下、浮腫。

2). 精神神経系:(0.1〜5%未満*)頭痛、頭重、(0.1%未満*)耳鳴、全身倦怠感、(頻度不明)脱力感、不快感。

3). 過敏症:(0.1%未満*)発疹。

4). 消化器:(0.1〜5%未満*)悪心・嘔吐、胃部不快感、上腹部痛、(0.1%未満*)食欲不振。

5). 肝臓:(0.1%未満*)AST上昇、ALT上昇等。*)発現頻度は使用成績調査を含む。

慎重投与

1.低血圧の患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させる恐れがある]。2.原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下しショックを起こす恐れがある]。3.肥大型閉塞性心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させる恐れがある]。

4.肝障害のある患者[高い血中濃度が持続する恐れがあるので、減量するなどして使用する]。

5.高齢者。

重要な基本的な注意

8.1. 本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。8.2. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。

また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。8.3. 過度の血圧低下が起こった場合には、本剤の投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

8.4. 起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。8.5. 本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがあるので、このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。

また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 低血圧<重篤な低血圧を除く>の患者:血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある〔2.1参照〕。

9.1.2. 原発性肺高血圧症の患者:心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。

9.1.3. 肥大型閉塞性心筋症の患者:心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。

肝機能障害患者

肝機能障害患者:減量するなどして使用すること(高い血中濃度が持続するおそれがある)。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

1). ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩<バイアグラ、レバチオ>、バルデナフィル塩酸塩水和物<レビトラ>、タダラフィル<シアリス、アドシルカ、ザルティア>)〔2.6参照〕[併用により、降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認し、また、本剤投与中及び投与後においてホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意すること(本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。2). グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト<アデムパス>)〔2.6参照〕[併用により、降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認し、また、本剤投与中及び投与後においてグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意すること(本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。

10.2. 併用注意:

次記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。1). アルコール摂取[血圧低下等が増強されるおそれがあるので、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと(血管拡張作用が増強される)]。

2). 利尿剤[血圧低下等が増強されるおそれがあるので、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと(血圧低下作用を増強させる)]。

3). 血管拡張剤、硝酸・亜硝酸エステル系薬剤[頭痛・血圧低下等の副作用が増強されるおそれがあるので、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと(血管拡張作用が増強される)]。

高齢者

高い血中濃度が持続するおそれがある(本剤は、主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多い)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.2. 薬剤服用時の注意

本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って頭痛が発生しやすくなるので、本剤はかまずに服用すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある(なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある)。15.1.2. 硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 有効成分(1錠中) 添加剤

フランドル錠20mg 硝酸イソソルビド 20mg 乳糖水和物、バレイショデンプン、結晶セルロース、タルク、カルナウバロウ、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロース、硬化油、エチルセルロース

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3.2 製剤の性状

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販売名 色・剤形 外形 識別コード

フランドル錠20mg 白色にうすい灰色ないし淡黄色の不定形のはん点がある徐放錠である(はん点は効果を持続性にするための特殊加工によるものである)。 表面 裏面 側面 ◇ 611

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直径 厚さ 質量

8.0mm 3.5mm 190mg

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薬効薬理

18.1 作用機序

硝酸イソソルビドは主に末梢の容量血管を拡張して前負荷を減少させるとともに、冠動脈に対しては拡張作用と攣縮解除作用を有し、心筋酸素需給のアンバランスを改善することにより心機能の改善をもたらす。

18.2 運動耐容能の増加作用

本剤は労作狭心症患者の運動負荷試験において、投与7時間後にも投与前に比較して有意な運動耐容能の増加を示した。また、これは血漿中硝酸イソソルビド濃度の推移とよく対応した。

18.3 血行動態に及ぼす作用

広範心筋梗塞あるいは重症狭心症患者の左室拡張終期圧は、本剤の投与6時間後においても非投与群に比較して有意に低下した。

18.4 脈圧に及ぼす作用

本剤の脈圧減少作用は、日本薬局方・硝酸イソソルビド錠に比較して持続性であり、投与10時間後においても有意な作用を示した(無麻酔イヌ)。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

健康成人男子(6例)に本剤1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を経口投与したとき、血漿中硝酸イソソルビド濃度は投与後3時間でピーク(3.2±1.5ng/mL)に達し、以後漸次減少するが、投与12時間後においても日本薬局方・硝酸イソソルビド錠(5mg)経口投与2時間後の血漿中濃度に相当する値(0.9±0.1ng/mL)を示した。

健康成人男子に本剤(20mg)又は日本薬局方・硝酸イソソルビド錠(5mg)を経口投与したときの血漿中硝酸イソソルビド濃度推移(平均値±標準誤差、n=6)

<<図省略>>

16.5 排泄

健康成人男子(4例)に本剤20mgを経口投与したとき、未変化体の硝酸イソソルビドは尿中にわずかに認められたにすぎず、代謝物であるisosorbide‐5‐mononitrate及びisosorbide‐2‐mononitrateが投与後72時間までの尿に投与量の約10%排泄され、その大部分はグルクロン酸抱合体であった。