Antaa DI

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メジコン錠15mg

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物錠

鎮咳薬(非麻薬性) >>

特徴

  • 鎮咳作用:コデインリン酸≧メジコン、レス

専門医コメント

呼吸器外来でも頻用される薬剤のうちの一つ

用法・用量

通常、成人にはデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物として1回15〜30mgを1日1〜4回経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

腎機能用量

15≦CCr<60:75%に減量

CCr<15:50%に減量

透析:50%に減量するが、短期ではこの限りではない

適応

【散・細粒(後発品)・錠】感冒、急性・慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、肺結核、上気道炎 (咽喉頭炎鼻力タル)に伴う咳嗽.気管支造影術、気管支鏡検查時の咳嗽【シロップ】急性・慢性気管支炎、感冒・上気道炎、肺結核、百日咳に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難

効果・効能

1). 次記疾患に伴う咳嗽:感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)。

2). 気管支造影術および気管支鏡検査時の咳嗽。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 呼吸抑制(0.1%未満)。

11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)発疹。

2). 精神神経系:(0.1〜5%未満)眠気、頭痛、眩暈、(0.1%未満)不眠、(頻度不明)不快。

3). 消化器:(0.1〜5%未満)悪心・嘔吐、便秘、(0.1%未満)食欲不振、口渇、おくび、(頻度不明)腹痛。

重要な基本的な注意

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

相互作用

本剤は、主に肝代謝酵素CYP2D6で代謝される〔16.4参照〕。10.2. 併用注意:

1). 選択的MAO−B阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)[セロトニン症候群があらわれることがある(本剤及びこれらの薬剤は脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりセロトニンの濃度が更に高くなるおそれがある)]。

2). 薬物代謝酵素<CYP2D6>を阻害する薬剤(キニジン、アミオダロン、テルビナフィン等)[本剤の血中濃度が上昇することがある(これらの薬剤の薬物代謝酵素(CYP2D6)阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため)]。3). セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>等)[セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある(セロトニン作用が増強するおそれがある)]。

高齢者

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過剰投与

13.1. 症状

過量投与時、嘔気、嘔吐、尿閉、運動失調、錯乱、興奮、神経過敏、幻覚、呼吸抑制、嗜眠等を起こすことがある。

13.2. 処置

過量投与時、ナロキソンの投与により改善したとの報告がある。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 メジコン錠15mg

有効成分 1錠中

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 15mg

添加剤 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、白色セラック、ヒマシ油

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3.2 製剤の性状

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販売名 メジコン錠15mg

性状・剤形 セラックコーティングを施した白色円形の錠剤である。

外形 表面 <<図省略>>

裏面 <<図省略>>

側面 <<図省略>>

大きさ 直径 約5.0mm

厚さ 約2.3mm

質量 約0.05g

識別コード ◇150:15

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薬効薬理

18.1 作用機序

デキストロメトルファンは、延髄にある咳中枢に直接作用し、咳反射を抑制することにより鎮咳作用を示す。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人10例にデキストロメトルファン臭化水素酸塩60mg注を単回経口投与したときのデキストロメトルファン及びその主代謝物であるデキストルファンの薬物動態パラメータを表16‐1に示す(外国人データ)。

表16‐1 薬物動態パラメータ

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            Cmax(ng/mL)           Tmax(hr)        AUC0−∞(ng・hr/mL)          T1/2(hr)        CL(mL/hr/kg)

デキストロメトルファン 5.2±1.8〜5.8±1.7       2.1±0.3〜2.6±0.4 35.1±13.9〜42.0±13.2       3.2±0.3〜3.6±0.3 52004±16300〜94492±39500

デキストルファン    774.2±54.3〜879.1±59.7 1.6±0.1〜1.7±0.1 3590.2±209.9〜3984.8±200.8 2.7±0.4〜4.0±0.6 226.8±18.2〜238.6±14.7

(HPLC)(平均値±標準誤差)

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注)本剤の承認された1回用量はデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物として15〜30mgである。

16.4 代謝

デキストロメトルファンは肝臓で大部分が代謝され、O‐脱メチル体(デキストルファン)、N‐脱メチル体及びN,O‐脱メチル体となる。これらの代謝物はデキストロメトルファンと同等の鎮咳作用を示した(外国人データ)。

デキストロメトルファンの肝代謝に関するCYP分子種は、O‐脱メチル化ではCYP2D6、N‐脱メチル化ではCYP3A4である。[10.参照]

16.5 排泄

ヒトに14C‐標識デキストロメトルファンを経口投与したとき、投与後24時間以内の尿中及び糞中回収率は、総投与放射活性に対してそれぞれ42.71%、0.12%であった(外国人データ)。