Antaa DI

drug

フスコデ配合錠

鎮咳配合剤(1)錠

鎮咳薬(麻薬性) >>

特徴

  • ジヒドロコデイン(鎮咳)、メチルエフェド

専門医コメント

フスコデは鎮咳効果が主体であり、塩酸アン

用法・用量

通常成人1日9錠を3回に分割経口投与する。

なお、症状により適宜増減する。

小児には次のように投与する。

12歳以上15歳未満;成人量の2/3。

禁忌

2.1. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある]。2.2. 12歳未満の小児〔9.7.1参照〕。

2.3. アヘンアルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者。2.4. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。

2.5. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[症状を悪化させるおそれがある]。

2.6. カテコールアミン製剤投与中(アドレナリン、イソプロテレノール等)の患者〔10.1参照〕。

適応

急性・慢性気管支炎、 感冒・上気道炎、 肺炎、 肺結核に伴う咳嗽

効果・効能

次記疾患に伴う咳嗽:急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒・上気道炎、肺炎、肺結核。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 無顆粒球症、再生不良性貧血(いずれも頻度不明)。11.1.2. 呼吸抑制(頻度不明):息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)顔面紅潮、発疹、そう痒感。2). 血液:(頻度不明)血小板減少症。

3). 依存性:(頻度不明)薬物依存[反復使用により生じることがある]。4). 呼吸循環器系:(頻度不明)心悸亢進、血圧変動。5). 精神神経系:(頻度不明)眠気、疲労、めまい、発汗、頭痛、神経過敏、熱感。6). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、便秘、食欲不振、口渇。7). 泌尿器:(頻度不明)多尿、排尿困難。

慎重投与

1.気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる恐れがある]。2.心機能障害・呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強する恐れがある]。3.肝機能障害・腎機能障害のある患者[副作用が発現する恐れがある]。4.脳器質的障害のある患者[脳血管を拡張し脳脊髄液圧を上昇させる恐れがある]。5.ショック状態にある患者[症状を悪化させる恐れがある]。6.代謝性アシドーシスのある患者[症状を悪化させる恐れがある]。7.甲状腺機能異常のある患者[症状を悪化させる恐れがある]。8.副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[症状を悪化させる恐れがある]。9.薬物依存の既往歴のある患者[薬物依存を生じる恐れがある]。10.高齢者、衰弱者[高齢者、衰弱者は代謝・排泄機能が低下しているため、副作用が発現する恐れがある]。

11.高血圧症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。

12.糖尿病の患者[血糖のコントロールに悪影響を及ぼす恐れがある]。13.開放隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。

14.妊婦。

重要な基本的な注意

8.1. 用法・用量通り正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。また、経過の観察を十分に行うこと。8.2. 過度の使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。

8.3. 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 18歳未満の肥満、18歳未満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は18歳未満の重篤な肺疾患を有する患者:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。

9.1.2. 気管支喘息発作中の患者:気道分泌を妨げるおそれがある。9.1.3. 心機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある。9.1.4. 呼吸機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある。9.1.5. 脳器質的障害のある患者:脳血管を拡張し脳脊髄液圧を上昇させるおそれがある。

9.1.6. ショック状態にある患者:症状を悪化させるおそれがある。9.1.7. 代謝性アシドーシスのある患者:症状を悪化させるおそれがある。9.1.8. 甲状腺機能異常のある患者:症状を悪化させるおそれがある。9.1.9. 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者:症状を悪化させるおそれがある。

9.1.10. 薬物依存の既往歴のある患者:薬物依存を生じるおそれがある。9.1.11. 衰弱者:代謝・排泄機能が低下しているため、副作用が発現するおそれがある。

9.1.12. 高血圧症の患者:症状を悪化させるおそれがある。9.1.13. 糖尿病の患者:血糖のコントロールに悪影響を及ぼすおそれがある。9.1.14. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

腎機能障害患者

腎機能障害患者:副作用が発現するおそれがある。

肝機能障害患者

肝機能障害患者:副作用が発現するおそれがある。

相互作用

本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。10.1. 併用禁忌:

カテコールアミン製剤(アドレナリン<ボスミン>、イソプロテレノール<プロタノール等>等)〔2.6参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある(メチルエフェドリン塩酸塩及びカテコールアミン製剤はともに交感神経刺激作用を持つ)]。10.2. 併用注意:

1). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)、モノアミン酸化酵素阻害剤、三環系抗うつ剤、アルコール[中枢抑制作用が増強されることがある(ジヒドロコデインリン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩はともに中枢神経抑制作用を持つ)]。

2). 抗コリン剤(アトロピン硫酸塩等)[便秘又は尿貯留が起こるおそれがある(ジヒドロコデインリン酸塩は抗コリン作用を増強する)]。

3). モノアミン酸化酵素阻害剤、甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)[メチルエフェドリン塩酸塩の作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること(メチルエフェドリン塩酸塩は交感神経刺激作用を持つ)]。4). ナルメフェン塩酸塩水和物[本剤の効果が減弱するおそれがある(μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される)]。

高齢者

用量に注意すること(一般に生理機能が低下しているため、副作用が発現するおそれがある)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(モルヒネ)の動物実験で催奇形性が報告されている)。分娩時の投与により新生児に呼吸抑制があらわれることがある。

授乳婦

本剤投与中は授乳を避けさせること(ジヒドロコデインリン酸塩の類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお、授乳中でCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある)〔15.1参照〕。

小児等

9.7.1. 12歳未満の小児:投与しないこと(呼吸抑制の感受性が高い、海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある)〔2.2参照〕。

9.7.2. 肥満を有する小児、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を有する小児又は重篤な肺疾患を有する小児:投与しないこと(重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある)。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra−rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある〔9.6授乳婦の項参照〕。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 フスコデ配合錠

有効成分 1錠中

日局 ジヒドロコデインリン酸塩 3mg

日局 dl‐メチルエフェドリン塩酸塩 7mg

日局 クロルフェニラミンマレイン酸塩 1.5mg

添加剤 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、精製白糖、アラビアゴム末

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3.2 製剤の性状

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販売名 外形 識別コード 剤形・色調等

上面 下面 側面

フスコデ配合錠 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> HC741 白色

直径 厚さ 重量 割線入り

9.0mm 4.3mm 300mg 素錠

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薬効薬理

18.1 作用機序

18.1.1 ジヒドロコデインリン酸塩

コデインと同じくモルヒネ系鎮痛薬に属するので、薬理作用は質的にはモルヒネに準ずる。

18.1.2 dl‐メチルエフェドリン塩酸塩

交感神経興奮様薬物。α及びβ受容体を刺激するが、作用の一部は交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を介する間接的なものである。臨床的にはβ2受容体刺激による気管支拡張作用が利用される。

18.1.3 クロルフェニラミンマレイン酸塩

ヒスタミンH1受容体遮断薬。dl体である。

18.2 鎮咳作用

ジヒドロコデインリン酸塩、dl‐メチルエフェドリン塩酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を経口投与したところ、ジヒドロコデインリン酸塩単独に比べ作用発現時間が短縮され、咳抑制程度も強く持続的となった(イヌ)。

18.3 腸管輸送能に対する作用

ジヒドロコデインリン酸塩、dl‐メチルエフェドリン塩酸塩及びクロルフェニラミンマレイン酸塩を経口投与したところ、ジヒドロコデインリン酸塩による腸管輸送能の抑制(便秘作用)は軽減された(マウス)。