特徴
鎮咳作用:コデインリン酸≧メジコン、レス
専門医コメント
中枢性非麻薬性鎮咳薬。延髄の咳中枢を抑え
用法・用量
チペピジンクエン酸塩として、通常成人1日60mg〜120mg(チペピジンヒベンズ酸塩として、66.5〜132.9mg)を3回に分割経口投与する。小児はチペピジンクエン酸塩として、1日1歳未満5〜20mg、1歳以上3歳未満10〜25mg、3歳以上6歳未満15〜40mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
7.1. 1日量剤形換算
1). 1歳未満:0.05〜0.2g。
2). 1歳以上3歳未満:0.1〜0.25g。
3). 3歳以上6歳未満:0.15〜0.4g。
4). 成人:0.6〜1.2g。
腎機能用量
薬物動態データがほとんどなく不明
適応
感冒、 上気道炎、 急性・慢性気管支炎、 肺炎、 肺結核、 気管支拡張症による咳嗽・喀痰排出困難
効果・効能
次記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難:感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)、気管支拡張症。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):咳嗽、腹痛、嘔吐、発疹、呼吸困難等を伴うアナフィラキシーがあらわれることがある。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1〜5%未満)眠気、不眠、眩暈、(頻度不明)興奮。2). 消化器:(0.1〜5%未満)食欲不振、便秘、口渇、胃部不快感・胃部膨満感、軟便・下痢、悪心、(頻度不明)腹痛。
3). 過敏症:(0.1〜5%未満)そう痒感、(頻度不明)発疹。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
高齢者
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
過剰投与
13.1. 症状
過量投与により、眠気、眩暈、興奮、せん妄、見当識障害、意識障害、精神錯乱等があらわれることがある。
13.2. 処置
過量投与時、興奮が激しい場合は、必要に応じてアモバルビタールナトリウムかペントバルビタールナトリウムを静注する。過量投与時、眠気、眩暈、興奮、せん妄、見当識障害、意識障害、精神錯乱等があらわれた場合は、必要に応じて前記の内服薬(アモバルビタール、ペントバルビタールカルシウム)を投与するか、10%フェノバルビタールの筋注ないし皮下注又はジアゼパムを筋注する。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報
本剤の代謝物により、赤味がかった着色尿がみられることがある。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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散10%
成分・含量 日局 チペピジンヒベンズ酸塩(チペピジンクエン酸塩相当量)
1g中
110.7mg(100mg)
添加剤 黄色5号、デキストリン、二酸化ケイ素、乳糖水和物
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3.2 製剤の性状
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散10%
剤形 微粒状の散剤
色調 橙色
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薬効薬理
18.1 作用機序
延髄の咳中枢を抑制し咳の感受性を低下させることにより鎮咳作用を示すとともに、気管支腺分泌を亢進し気道粘膜線毛上皮運動を亢進することにより去痰作用を示す。
18.2 鎮咳作用
イヌ16mg/kg(チペピジンとして)経口投与により、コデインリン酸塩とほぼ同程度の鎮咳作用(咳嗽犬法)を示す。
作用は30分〜1時間後に発現し、約5〜6時間持続する。
18.3 気管支腺分泌亢進作用
ウサギ100mg/kg経口投与により、ブロムヘキシン塩酸塩50mg/kg経口投与時とほぼ同程度の気管支腺分泌亢進作用(作野氏法)を示す。
18.4 気道粘膜線毛上皮運動亢進作用
ハト0.6mg/kg(チペピジンとして)筋肉内投与により、気管線毛運動は30分後に1.5倍亢進する。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男子にチペピジンヒベンズ酸塩を44.28mg(アスベリン錠20 2錠)経口投与したとき、血漿中濃度は約1.3時間後に最高(約37ng/mL)に達する。血漿中濃度の半減期は約1.8時間である。