Antaa DI

drug

グーフィス錠5mg

エロビキシバット水和物錠

胆汁酸トランスポーター阻害薬 >>

特徴

  • 回腸末端での胆汁酸再吸収阻害剤で、大腸に

専門医コメント

本剤の効率の良い効果発現のためには食事な

用法・用量

通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 腫瘍による腸閉塞、ヘルニアによる腸閉塞等腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある]。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

効果・効能

慢性便秘症<器質的疾患による便秘を除く>。

効果・効能に関連する注意

薬剤性慢性便秘症及び症候性慢性便秘症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 肝臓:(1〜5%未満)肝機能異常(ALT増加、AST増加、γ−GTP増加、Al−P増加、LAP増加)、(頻度不明)LDH増加。2). 精神神経系:(1〜5%未満)浮動性めまい、(頻度不明)頭痛。3). 循環器:(頻度不明)ほてり。

4). 消化器:(5%以上)腹痛(23.2%)、下痢(14.4%)、(1〜5%未満)下腹部痛、腹部膨満、悪心、上腹部痛、腹部不快感、軟便、(1%未満)口内炎、口渇、(頻度不明)鼓腸、便意切迫、嘔吐、胃腸音異常、便秘、虚血性大腸炎、下血、排便回数増加、変色便、肛門失禁、食欲減退。

5). 過敏症:(1%未満)じん麻疹、(頻度不明)発疹。6). 血液:(1〜5%未満)貧血、(1%未満)ビタミンE増加、(頻度不明)好酸球数増加。

7). その他:(1〜5%未満)CK増加、(頻度不明)月経困難症。

重要な基本的な注意

本剤投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

肝機能障害患者

9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:胆道閉塞や胆汁酸分泌低下している患者等では本剤の効果が期待できない場合がある。

相互作用

本剤は、P−糖蛋白質の阻害作用を有する〔16.7参照〕。10.2. 併用注意:

1). 胆汁酸製剤<経口>(ウルソデオキシコール酸<経口>、ケノデオキシコール酸<経口>)[これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害作用により、胆汁酸製剤の再吸収が阻害されるおそれがある)]。2). アルミニウム含有制酸剤<経口>(スクラルファート水和物<経口>、アルジオキサ<経口>等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(これらの薬剤は、消化管内で胆汁酸を吸着するため、本剤の作用が減弱するおそれがある)]。3). コレスチラミン<経口>、コレスチミド<経口>[本剤の作用が減弱するおそれがある(これらの薬剤は、胆汁酸を吸着するため、本剤の作用が減弱するおそれがある)]。

4). ジゴキシン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩〔16.7参照〕[これらの薬剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(本剤のP−糖蛋白質に対する阻害作用による)]。

5). ミダゾラム〔16.7参照〕[ミダゾラムの血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある(機序は不明である)]。

高齢者

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で大量経口投与により、母体毒性(1000mg/kg/日)並びに出生仔生存性に影響、出生仔成長に影響及び出生仔発達に影響(350mg/kg/日以上)がみられた)。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(14C−エロビキシバットを用いた動物実験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

取扱い上の注意

アルミ袋開封後は高温、湿気を避けて気密容器に保存すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 グーフィス錠5mg

有効成分 1錠中エロビキシバット5mg(エロビキシバット水和物として5.13mg)

添加剤 結晶セルロース、D‐マンニトール、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール6000、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

3.2 製剤の性状

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 剤形 色 外形 サイズ 重量

表面 裏面 側面

グーフィス錠5mg フィルムコーティング錠 淡黄色 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> 直径 約6.1mm

厚み 約3.9mm

重量 約110.3mg

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

薬効薬理

18.1 作用機序

エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。胆汁酸は、大腸管腔内に水分および電解質を分泌させ、さらに消化管運動を亢進させる為、本剤の便秘治療効果が発現する。

18.2 ロペラミド誘発ラット便秘モデルにおけるエロビキシバットの作用

ロペラミドにより誘発したラット便秘モデルにおいてエロビキシバットは単回経口投与により便秘改善作用を示した。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

日本人慢性便秘患者を対象に、本剤5mg、10mg、15mgを朝食前に単回経口投与した時の薬物動態パラメータは次のとおりであった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

用量              5mg         10mg         15mg

例数              10          10           10

Cmax(pg/mL)     186.8±87.1  386.4±215.4  389.7±103.6

AUC0−∞(pg・h/mL) 837.8±572.9 1272.5±656.2 1632.2±475.8

Tmax(h)         1.8±1.6     1.9±1.6      1.8±0.6

t1/2(h)         3.3±3.1     2.5±1.5      3.2±1.5

平均値±標準偏差

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

外国人健康成人男性6名に、14C‐エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を朝食前に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

パラメータ            5mg14C‐エロビキシバット

Cmax(nmol/L)     0.5±0.3

AUC0−∞(nmol・h/L) 1.2±0.4(n=3)

Tmax(h)※         0.8(0.5−2.0)

t1/2(h)          0.8±0.2(n=3)

平均値±標準偏差

※中央値(範囲)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

16.2 吸収

16.2.1 食事の影響

日本人慢性便秘患者60名を対象に、クロスオーバー法で、本剤単回経口投与後の食事摂取の有無による薬物動態への影響を評価した。食前投与時のCmax及びAUC0−∞は、食事非摂取時の約20〜30%であった。

16.3 分布

エロビキシバットのin vitroにおけるヒト血漿蛋白質との結合率は99%以上であり、ヒト血球移行率は5%未満であった。

16.4 代謝

外国人健康成人男性6名に14C‐エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したときの血漿中には代謝物は認められなかった。投与24〜48時間後までのプールした糞便中には未変化体及びモノヒドロキシエロビキシバットが認められたが、放射能の割合はそれぞれ96.06%及び3.16%であり、ほとんどが未変化体であった。

16.5 排泄

日本人慢性便秘患者に本剤を絶食下で単回経口投与した時、投与144時間後までの累積尿中薬物排泄率は投与量の0.01%程度であり、尿中への薬物の排泄はほとんど認められなかった。

外国人健康成人男性6名に14C‐エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したとき、投与144時間後の糞便中には投与量の103.1%の放射能が排泄され、尿中には投与量の0.00〜0.02%の放射能が排泄された。

16.7 薬物相互作用

Caco‐2細胞においてP‐糖蛋白質の基質であるジゴキシンの輸送に対するエロビキシバットのIC50値は2.65μmol/Lであり、P‐糖蛋白質阻害作用を示した。

外国人健康成人男女25名を対象に本剤10mgを1日1回5日間経口投与し、ダビガトランエテキシラート150mg/回/日を1日目に、ミダゾラム2mg/回/日を1日目及び5日目に併用して、それぞれの単独投与時と比較した。その結果、P‐糖蛋白質の基質であるダビガトランのAUC0−t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ1.17倍(90%信頼区間:1.00−1.36)、1.13倍(90%信頼区間:0.96−1.33)であり、90%信頼区間の上限値がいずれも基準値の1.25を超えた。ミダゾラム5日目のAUC0−t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ0.78倍(90%信頼区間:0.73−0.83)、0.94倍(90%信頼区間:0.87−1.01)であり、AUC0−tの90%信頼区間の下限値が基準値0.80を下回った。[10.、10.2参照]