Antaa DI

drug

ボンゾール錠200mg

ダナゾール錠

子宮内膜症治療薬 >>

特徴

  • アンドロゲン作用による直接効果が高く、子

専門医コメント

1983年に内膜症に対する治療薬として登

用法・用量

通常、成人にはダナゾールとして1日200〜400mgを2回に分け、月経周期第2〜5日より、約4カ月間連続経口投与する。症状により増量する。

禁忌

2.1. 血栓症の既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある]〔11.1.1参照〕。

2.2. アンチトロンビン3、プロテインC、プロテインSなどの凝固制御因子の欠損又は凝固制御因子の減少のある患者[血栓症を起こすおそれがある]〔11.1.1参照〕。

2.3. 重篤な肝障害、重篤な肝疾患のある患者〔8.5、8.6、9.3.1参照〕。

2.4. 重篤な心疾患のある患者[浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある]〔9.1.1参照〕。

2.5. 重篤な腎疾患のある患者〔9.2.1参照〕。

2.6. ポルフィリン症の患者[症状を悪化させるおそれがある]。2.7. アンドロゲン依存性腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある]。2.8. 診断のつかない異常性器出血のある患者[このような患者では悪性腫瘍の疑いがある]〔8.4参照〕。

2.9. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔7.用法及び用量に関連する注意、9.5妊婦の項参照〕。

2.10. 授乳婦〔9.6授乳婦の項参照〕。

用法・用量に関連する注意

女性胎児の男性化を起こすことがあるので、次の点に留意すること〔2.9、9.5妊婦の項参照〕。

・ 本剤の投与開始は妊娠していないことを確認し、必ず月経周期第2〜5日より行うこと。

・ 治療期間中はホルモン剤以外の方法で避妊させること。

腎機能用量

CCr<30:禁忌(浮腫などの症状が強く現れる恐れがある)

適応

子宮内膜症【100mg】乳腺症

効果・効能

子宮内膜症。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 血栓症(頻度不明):脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症、網膜血栓症等があらわれることがある〔1.警告の項、2.1、2.2、8.1−8.3参照〕。11.1.2. 心筋梗塞(頻度不明)。

11.1.3. 劇症肝炎(頻度不明)〔8.5、9.3.1、9.3.2参照〕。11.1.4. 肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)(いずれも頻度不明)〔8.5、8.6、9.3.1、9.3.2参照〕。

11.1.5. 間質性肺炎(頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 肝臓:(10%以上)ALT上昇(13.53%)、(0.5〜10%未満)LDH上昇、AST上昇、(0.5%未満)黄疸、ALP上昇、(頻度不明)γ−GTP上昇。

2). 皮膚:(10%以上)ざ瘡(16.25%)、(0.5〜10%未満)発疹、皮膚色素沈着、皮脂分泌増加、(0.5%未満)脱毛、紅斑(多形滲出性紅斑等)、はだあれ、蕁麻疹、点状出血、(頻度不明)光線過敏症。

3). 男性化現象:(0.5〜10%未満)嗄声、多毛、(0.5%未満)陰核肥大。4). 電解質代謝:(10%以上)浮腫(10.31%)、(0.5〜10%未満)体重増加。

5). 子宮:(0.5〜10%未満)性器出血、(0.5%未満)帯下増加、無月経。6). 乳房:(0.5〜10%未満)乳房変化(乳房縮小、乳頭痛等)。7). 血液:(0.5%未満)白血球減少、(頻度不明)白血球増多、赤血球増多、血小板増多、血小板減少。

8). 消化器:(0.5〜10%未満)悪心・嘔吐、胃不快感、胃痛、便秘、食欲亢進、(0.5%未満)下痢、食欲不振、口内炎、口渇。

9). 筋肉:(0.5〜10%未満)筋肉痛、関節痛、しびれ、肩こり、(0.5%未満)筋拘縮、痙攣、四肢感覚異常、(頻度不明)手根管症候群、CK上昇。10). 精神神経系:(0.5〜10%未満)神経過敏、頭痛、めまい、倦怠感、(0.5%未満)眠気、耳鳴、不眠、精神不安、(頻度不明)*良性頭蓋内圧亢進[*:頭痛、悪心・嘔吐、一過性視力障害や複視があらわれることがある]、抑うつ。11). 低エストロゲン症状:(0.5〜10%未満)熱感、(0.5%未満)そう痒、発汗、顔面潮紅、腟炎、乾燥感。

12). その他:(0.5%未満)心悸亢進、眼精疲労、味覚異常、性欲減退、性欲亢進、コレステロール上昇、(頻度不明)耐糖能異常、立ちくらみ、血圧上昇。発現頻度は、製造販売後調査の結果を含み、子宮内膜症及び乳腺症に対する試験の結果に基づき算出した。

警告

血栓症を引き起こすおそれがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1−8.3、11.1.1参照〕。

重要な基本的な注意

8.1. 投与にあたり、既往歴・家族歴を十分に聴取し、血栓症の発生に十分配慮すること(血栓症を起こしやすい因子・合併症を有する患者に投与する場合は、末梢血液一般検査(血小板数、ヘマトクリット値等)を行うことが望ましい)〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

8.2. 血栓症の危険性は高齢者、特に40歳以上で高くなる。また外国では、喫煙が類薬<経口避妊薬>による重篤な副作用<血栓症等>の危険性を増大させ、また、この危険性は年齢及び喫煙量により増大すると報告されている〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

8.3. 投与により、血栓症を引き起こすおそれがあるので、下肢疼痛・下肢浮腫、激しい頭痛、嘔吐、吐き気、めまい等の症状があらわれた場合には、投与を中止すること。また、患者に対しては、異常が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。

8.4. 投与に際して、類似疾患(悪性腫瘍、子宮筋腫等)との鑑別に留意し、投与中腫瘤が増大したり、臨床症状の改善がみられない場合は投与を中止すること〔2.8参照〕。

8.5. 定期的に肝機能検査を実施することが望ましい〔2.3、9.3.1、9.3.2、11.1.3、11.1.4参照〕。

8.6. 長期投与により肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)が発生したとの報告があるので定期的に肝超音波検査等の画像診断を実施することが望ましい〔2.3、9.3.1、9.3.2、11.1.4参照〕。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 心疾患<重篤な心疾患を除く>のある患者又はその既往歴のある患者:浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある〔2.4参照〕。9.1.2. てんかん患者、片頭痛のある患者:浮腫等により症状が強くあらわれるおそれがある。

9.1.3. 糖尿病患者:十分コントロールを行いながら投与すること(耐糖能の異常がみられるおそれがある)。

腎機能障害患者

9.2.1. 重篤な腎疾患のある患者:投与しないこと(浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある)〔2.5参照〕。

9.2.2. 腎疾患<重篤な腎疾患を除く>のある患者又はその既往歴のある患者:浮腫等の症状が強くあらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

9.3.1. 重篤な肝機能障害、重篤な肝疾患のある患者:投与しないこと(原疾患が悪化するおそれがある)〔2.3、8.5、8.6、11.1.3、11.1.4参照〕。

9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>、肝疾患<重篤な肝疾患を除く>のある患者:原疾患が悪化するおそれがある〔8.5、8.6、11.1.3、11.1.4参照〕。

相互作用

本剤は、CYP3A4に対する阻害作用を有する。

10.2. 併用注意:

1). ワルファリンカリウム[出血傾向<血尿・吐血等>を増強することが考えられる(肝細胞でクマリンのレセプター部位への親和性増加と、ビタミンK依存性因子の産生阻害・異化促進によりワルファリンカリウムの作用が増強するためと考えられ、また、ダナゾールが抗凝血性を高めるとの報告もある)]。

2). カルバマゼピン[カルバマゼピンの作用を増強することが考えられる(カルバマゼピンの代謝を抑制するためと考えられる)]。

3). シクロスポリン[シクロスポリンの作用を増強することが考えられる(機序は明らかにされていないがシクロスポリンの血中濃度が上昇すると報告されている)]。4). タクロリムス水和物[タクロリムスの作用を増強することが考えられる(タクロリムスの脱メチル及び水酸化による代謝を抑制するためと考えられる)]。5). インスリン製剤(ヒトインスリン等)[高血糖症状があらわれることがある(インスリン抵抗性を増強するおそれがある)]。

6). アルファカルシドール[血中カルシウム値が上昇したとの報告がある(機序は不明である)]。

7). シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物[ミオパシー、横紋筋融解症が発現したとの報告がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害され、これらの血中濃度が上昇する可能性がある)]。

高齢者

減量(例えば1日100mg)するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(女性胎児の男性化を起こすことが報告されている)〔2.9、7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。(授乳婦)

投与しないこと(動物実験(ラット)で、母乳中へ移行することが報告されている)〔2.10参照〕。

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤は、テストステロン又は血漿蛋白の臨床検査結果に影響を及ぼすおそれがある。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

本剤の使用によって子宮内膜症治療患者における卵巣癌発現のリスクが増大するとの報告がある。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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有効成分(1錠中) 日局 ダナゾール 200mg

添加剤 トウモロコシデンプン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000

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3.2 製剤の性状

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性状・剤形 白色・においはない・フィルムコーティング錠

外形 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> 直径(mm):8.6

厚さ(mm):約5.0

重量(mg):250

識別コード ◇246

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薬効薬理

18.1 作用機序

子宮内膜症に対し、下垂体に作用してゴナドトロピン分泌を抑制するとともに、卵巣、子宮内膜症組織に直接作用して、異所性子宮内膜組織を萎縮・壊死させる。

18.2 抗ゴナドトロピン作用

18.2.1 健康成人女性にダナゾールを200mg/日投与すると、血中FSH、LHのmid‐cycle surgeを抑制した。

18.2.2 一側性卵巣摘除ラットを用いた実験で、ダナゾールは代償性の卵巣肥大を抑制し、腟発情日数を減少させた。

18.2.3 幼若去勢ラットを用いたin vivo実験で、ダナゾールは去勢による血中FSH、LHの上昇を有意に(p<0.01)抑制した。

18.3 卵巣におけるステロイドホルモン産生酵素活性抑制作用

ヒト黄体及びハムスター卵巣のミクロソーム分画を用いたin vitro実験で、ダナゾールは17α‐hydroxylase、17,20‐lyase、3β‐hydroxysteroid dehydrogenaseを抑制した。また、aromataseは阻害しなかった。

18.4 ステロイドレセプターとの相互作用

ヒト子宮内膜を用いたin vitro実験で、ダナゾールはアンドロゲンレセプター及びプロゲステロンレセプターに結合することが認められた。

18.5 子宮内膜への直接作用

ヒト子宮内膜細胞培養系を用いたin vitro実験で、ダナゾールは3H‐thymidine取込みでみたDNA合成を抑制した。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

健康成人女性6例にダナゾールを1回100mgあるいは200mg経口投与したところ、血漿中濃度は、それぞれ投与後2.5±0.5及び2.7±0.8時間で最高に達し、その後緩やかに減少した。(カプセル剤の成績)

16.1.2 反復投与

健康成人女性9例にダナゾールを1回100mgあるいは200mgを1日2回、14日間経口投与したところ、投与量と血漿中濃度には相関がみられ、7〜14日でほぼ定常状態に達した(外国人でのデータ)。(カプセル剤の成績)

16.2 吸収

本剤の吸収部位は消化管である。

16.3 分布

雌性ラットに14C‐ダナゾール10mg/kgを単回経口投与したとき、大脳、下垂体、肝臓、腎臓、副腎及び子宮等ほとんどの組織で1.5時間後に最高濃度を示し、肝臓及び副腎で高濃度であった。以後、血中濃度に対応して減少した。

16.4 代謝

本剤の主な代謝は肝臓で行われている。

16.5 排泄

雌性ラットに14C‐ダナゾール10mg/kgを単回経口投与したとき、投与後48時間の尿、糞及び呼気中の排泄率はそれぞれ投与量の17.8%、81.3%及び0.6%であった。