Antaa DI

drug

ボアラ軟膏0.12%

デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏

III群(ストロング) >>

特徴

  • 安全性の目安は成人は20g/日以下、小児

専門医コメント

Ⅲ群の中では最も強い効果を持つ。

用法・用量

通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。

なお、症状により適宜増減する。

禁忌

2.1. 細菌皮膚感染症、真菌皮膚感染症、ウイルス皮膚感染症[感染症を悪化させるおそれがある]。

2.2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。2.3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある]。

2.4. 皮膚潰瘍、第2度深在性以上の熱傷・第2度深在性以上の凍傷[皮膚の再生を抑制し、治癒を遅延させるおそれがある]。

適応

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、乾癬、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)、掌蹠膿疱症、虫刺症、慢性円板状エリテマトーデス、扁平苔癬

効果・効能

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、乾癬、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)、掌蹠膿疱症、虫刺症、慢性円板状エリテマトーデス、扁平苔癬。

効果・効能に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明):眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障を起こすおそれがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、後嚢白内障、緑内障等があらわれることがある〔8.1参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1%未満)皮膚刺激感、皮膚そう痒感、発赤。2). 皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚細菌性感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎等)[密封法(ODT)の場合、起こりやすいので、このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること]、*ステロイドざ瘡[*:長期連用により、あらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること]、(0.1%未満)※皮膚真菌性感染症(※皮膚カンジダ症、※皮膚白癬等)[※:密封法(ODT)の場合、起こりやすいので、このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること]、*酒さ様皮膚炎・*口囲皮膚炎(*ほほに潮紅、*口囲潮紅等、*丘疹、*膿疱、*毛細血管拡張を生じる)、*ステロイド皮膚(*皮膚萎縮、*毛細血管拡張、*紫斑)、*魚鱗癬様皮膚変化[*:長期連用により、あらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること]、(頻度不明)多毛、*皮膚色素脱失[*:長期連用により、あらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること]。3). 内分泌系:(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制[大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、来すことがある]。発現頻度は使用成績調査の結果を含む。

重要な基本的な注意

8.1. 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある〔9.5妊婦、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。

特定の背景を有する患者に関する注意

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)の使用に際しては特に注意すること(一般に副作用があらわれやすい)〔8.1参照〕。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること〔8.1参照〕。

小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること〔8.1参照〕。

適用上の注意

14.1. 薬剤使用時の注意

眼には使用しないこと。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 ボアラ軟膏0.12%

有効成分 1g中 デキサメタゾン吉草酸エステル 1.2mg

添加剤 流動パラフィン、白色ワセリン

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

3.2 製剤の性状

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 ボアラ軟膏0.12%

性状 白色〜微黄色半透明の軟膏剤で、においはない

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

薬効薬理

18.1 作用機序

デキサメタゾン吉草酸エステルは、標的細胞のグルココルチコイド受容体と結合し、炎症・免疫反応に関わる標的遺伝子の転写の活性化やNF‐κB等の転写調節因子の活性化を直接阻害することで、炎症性サイトカインの産生抑制やT細胞等の増殖抑制などの作用が総合的に作用して抗炎症効果を発揮するものと考えられている。また、合成副腎皮質ステロイドの血管収縮作用は抗炎症作用と相関することから、その作用機序も同じと考えられている。

18.2 抗炎症作用

本剤の血管透過性亢進抑制作用及び浮腫抑制作用は0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル製剤と同等あるいはそれ以上であり、肉芽増殖抑制作用、アジュバント関節炎抑制作用及び遅延型アレルギー性皮膚炎症抑制作用は0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル製剤よりも強い(ラット、マウス)。

18.3 血管収縮作用

健康成人男子を対象とした皮膚血管収縮試験において、本剤の血管収縮作用は、0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル製剤よりも強かった。

薬物動態

16.2 吸収

ラットの正常皮膚に3H‐デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏を塗布した結果、皮膚中へ速やかに移行し、比較的長く皮膚中に存在した。

16.3 分布

ラットの正常皮膚に3H‐デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏を塗布した結果、主に小腸内容物、肝臓等に分布した。

16.4 代謝

ラットに3H‐デキサメタゾン吉草酸エステルを皮下投与した結果、尿糞中の主代謝物として、6β‐ヒドロキシデキサメタゾン21‐グルタレート、20‐ジヒドロデキサメタゾン等が確認された。

16.5 排泄

ラットの正常皮膚に3H‐デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏を塗布した結果、主として糞中に排泄された。