Antaa DI

drug

パントシン錠200

特徴

  • CoA(コエンザイムA)の前駆物質で、血

専門医コメント

パントシンのみ低下することは稀である。使

用法・用量

通常、成人にはパンテチンとして1日30〜180mg、血液疾患、弛緩性便秘には1日300〜600mgを1〜3回に分けて経口投与する。高脂血症には1日600mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

【共通】①パントテン酸欠乏症の予防及び治療パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給パントテン酸欠乏又は代謝障害による②高脂血症、③ストレプトマイシン及びカナマイシンによる副作用予防及び治療、④急・慢性湿疹、⑤血液疾患のPlt・出血改善など⑥【内服のみ】弛緩性便秘⑦【注射のみ】術後腸管麻痺

効果・効能

(1). パントテン酸欠乏症の予防及び治療。

(2). パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)。

(3). 次記疾患のうち、パントテン酸欠乏又はパントテン酸代謝障害が関与すると推定される場合:高脂血症、弛緩性便秘、パントテン酸欠乏又はパントテン酸代謝障害が関与すると推定されるストレプトマイシンによる副作用及びカナマイシンによる副作用の予防及び治療、パントテン酸欠乏又はパントテン酸代謝障害が関与すると推定される急性湿疹・慢性湿疹、パントテン酸欠乏又はパントテン酸代謝障害が関与すると推定される血液疾患の血小板数の改善ならびに出血傾向の改善。

なお、3.の適応に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

消化器:(0.1〜5%未満)下痢・軟便、(0.1%未満)腹部膨満、嘔吐、(頻度不明)食欲不振。

発現頻度は文献集計に基づく。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

取扱い上の注意

PTP包装はアルミ袋開封後、バラ包装は開栓後、湿気を避けて保存すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 有効成分 添加剤

パントシン錠200 1錠中パンテチン(日局)注)250mg(パンテチンとして200mg) 軽質無水ケイ酸、トウモロコシデンプン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウ

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注)日本薬局方パンテチン:パンテチン80%を含む水溶液

3.2 製剤の性状

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販売名 色・剤形 外形 識別コード

直径(mm) 厚さ(mm) 質量(mg)

パントシン錠200 白色〜微黄白色・フィルムコーティング錠 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> NF505

10.1 5.6 420.1

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薬効薬理

18.1 作用機序

パンテチンは、パンテテインのdisulfide型で、CoAの前駆物質である。

18.2 実験的粥状硬化の進展抑制作用

高脂肪食と動脈壁の傷害によって作成した実験的粥状硬化症ウサギへの経口投与で、内膜への脂質沈着の軽減、平滑筋細胞の増殖を主体とした細胞・線維性組織の形成及びアテロームの縮小が認められている。

18.3 血清総コレステロール低下作用

高コレステロール食飼育ウサギへの経口投与で、血清コレステロールの有意な低下が認められている。この作用は主としてコレステロール(LDL+VLDL画分)の異化排泄の促進によるものである。高コレステロール食飼育ウサギにおける糞中の総コレステロール及び総胆汁酸の排泄は、パンテチン投与群で著明に増大する。これはコレステロール負荷によるβ‐VLDLの低親和性受容体活性及びコレステロール7α‐ヒドロキシラーゼ活性の低下を改善することによって、コレステロールの肝への取り込み能及び胆汁酸への代謝を正常化したためと考えられている。

18.4 血清中性脂肪低下作用

ビタミンD2と高脂肪食を負荷した動脈硬化症ラットへの経口投与で血清中性脂肪の有意な低下が認められている。この作用はパンテチン投与によりリポ蛋白リパーゼ活性が上昇したためと考えられている。

18.5 血清HDL‐コレステロールの増加作用

高コレステロール食飼育ウサギにおいて減少したHDL2及びHDL3を増加させる。この作用は、アポ蛋白A‐Iの合成促進、組織リポ蛋白リパーゼ活性の増加及び血中LCAT活性の増加により、VLDL→HDL経路の促進に基づくことが認められている。

18.6 脂肪酸酸化促進作用

糖尿病ラットの肝臓及び筋肉組織や自然発症高血圧ラット脳微小血管において脂肪酸β‐酸化能を促進し、エネルギー産生能を高めることが認められている。この作用は遊離脂肪酸からミトコンドリアのエネルギー産生に至る経路に関与する酵素の活性亢進にあることが確認されている。

18.7 血管壁コレステロール代謝促進作用

高コレステロール食飼育ラットにおける血管壁ライソゾームのコレステロールエステラーゼ活性を有意に高め、血管壁へのコレステロールエステルの沈着を抑制することが認められている。

18.8 血小板数の改善作用

抗ラット血小板ウサギ血清及び乏血小板血輸血による実験的血小板減少症に対して、パンテチンは血小板減少の抑制あるいは回復促進作用を示す。この作用は血小板産生系に直接作用するものと考えられている。

18.9 腸管運動促進作用

無麻酔マウスにパンテチンを経口投与すると胃腸管輸送能の亢進がみられ、さらに麻酔下ウサギ及びイヌに静脈内投与すると腸管運動の亢進がみられる。

薬物動態

16.1 血中濃度

ラットに〔β‐Ala‐14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時の最高血中濃度到達時間(Tmax)は次のとおりである。

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     正常ラット 病態ラット

           動脈硬化症 糖尿病 アルコール性脂肪肝

Tmax 16時間  16時間  8時間 24時間

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16.3 分布

ラットに〔β‐Ala‐14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時の組織内放射能濃度は肝で著しく高く、ほとんどの組織において血液より高い濃度を示し、組織親和性が高いことを示唆している。

16.4 代謝

ラットに〔β‐Ala‐14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時、細胞内でパンテチンは、パントテン酸とシステアミンに分解されたが、一部はCoAに合成された。

16.5 排泄

正常ラットに〔β‐Ala‐14C〕パンテチン200mg/kgを単回経口投与した時、〔β‐Ala‐14C〕パンテチンは主として糞中に排泄され、投与後48時間までに投与放射能の約85%が尿中、糞中及び呼気中へ排泄され、胆汁中にはほとんど排泄されなかった。