特徴
ATPを含み、血管拡張作用により各種臓器
専門医コメント
めまい症状の緩和を目的として使われること
用法・用量
〈頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善、心不全、調節性眼精疲労における調節機能の安定化、消化管機能低下のみられる慢性胃炎〉
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物として、1回40〜60mgを1日3回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
〈メニエール病及び内耳障害に基づくめまい〉
メニエール病及び内耳障害に基づくめまいに用いる場合には、アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物として、1回100mgを1日3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
【内服】頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善、心不全、調節性眼精疲労における調節機能の安定化、消化管機能低下のみられる慢性胃炎【顆粒のみ】メニエール病及び内耳障害に基づくめまい【注射】頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善、心不全、筋ジストロフィー症、急性灰白髄炎、脳性小児麻痺(弛緩型)、進行性脊髄性筋萎縮症、調節性眼精疲労における調節機能の安定化、耳鳴・難聴、消化管機能低下のみられる慢性胃炎、慢性肝疾患の肝機能改善
効果・効能
1). 次記疾患に伴う諸症状の改善:頭部外傷後遺症。
2). 心不全。
3). 調節性眼精疲労における眼調節機能の安定化。
4). 消化管機能低下のみられる慢性胃炎。
5). メニエール病及び内耳障害に基づくめまい。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(1.0%未満)悪心、食欲不振、胃腸障害、便秘傾向、口内炎。2). 循環器:(1.0%未満)全身拍動感。
3). 過敏症:(1.0%未満)そう痒感、(頻度不明)発疹。4). 精神神経系:(1.0%未満)頭痛、眠気、気分が落ち着かない。5). 感覚器:(1.0%未満)耳鳴。
6). その他:(1.0%未満)脱力感。
発現頻度は再評価及び顆粒剤の効能追加時における集計に基づく。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
相互作用
10.2. 併用注意:
ジピリダモール[ジピリダモールはアデノシン三リン酸<ATP>分解物であるアデノシンの血中濃度を上昇させ、心臓血管に対する作用を増強するとの報告があるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること(ジピリダモールのアデノシン取り込み抑制作用により、ATP分解物であるアデノシンの血中濃度が上昇する)]。
高齢者
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意
本剤は腸溶性製剤のため、乳鉢等ですりつぶさないこと。
取扱い上の注意
開封後は湿気を避けて保存すること。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 アデホスコーワ顆粒10%
有効成分 1g中 アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物 100mg
添加剤 結晶セルロース、トウモロコシデンプン、硬化油、精製白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クエン酸トリエチル、タルク、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、酸化チタン、ゼラチン
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3.2 製剤の性状
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販売名 アデホスコーワ顆粒10%
性状 白色の顆粒剤(腸溶性顆粒)である。
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薬効薬理
18.1 作用機序
ATPはその血行力学的並びに生化学的作用により各組織の代謝を賦活する。
18.2 血管拡張・血流増加作用
脳(イヌ、ネコ、健康成人男性)、心臓(イヌ)、胃(イヌ)、内耳(モルモット)の血流量を増加する。
18.3 代謝賦活作用
脳(モルモットin vitro)、心臓(イヌ、ウサギ)、内耳(モルモットin vitro)等の代謝活性を増加する。
18.4 筋収縮力増強作用
心筋(カエルin vitro)、胃腸管平滑筋(ラットin vitro、健康人)の収縮力を増強する。
18.5 神経伝達効率化作用
神経伝達の効率化をはかる(ウシガエルin vitro)。
18.6 内耳機能障害改善作用
ストレプトマイシンによる前庭機能障害を抑制する(モルモット)。