Antaa DI

drug

セフゾン細粒小児用10%

特徴

  • CFDN。第3世代セフェム。経口

専門医コメント

特徴文に記載の通り、bioavailab

用法・用量

通常、小児に対してセフジニルとして1日量9〜18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する。

なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者〔9.1.1参照〕。

腎機能用量

透析:1日1回100mg、15≦CCr<60:1日200〜300mg 2〜3回分服、CCr<15・透析:1日100〜200mg 1〜2回分服

適応

【適応症】表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎【適応菌種】本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌

効果・効能

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱。

効果・効能に関連する注意

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

適応菌種

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス(ブランハメラ・カタラーリス)、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック(0.1%未満):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。

11.1.2. アナフィラキシー(0.1%未満):アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。

11.1.3. 皮膚障害(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.4. 血液障害(頻度不明):汎血球減少、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、血小板減少(初期症状:点状出血、紫斑等)、溶血性貧血(初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)(各0.1%未満)があらわれることがある〔8.3参照〕。

11.1.5. 大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある(腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)。

11.1.6. 間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

11.1.7. 腎障害(0.1%未満):急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.4参照〕。

11.1.8. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(各0.1%未満):劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいAl−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.5参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、(0.1%未満)蕁麻疹、紅斑、浮腫、(頻度不明)そう痒、発熱。

2). 血液:(0.1〜5%未満)好酸球増多、(0.1%未満)顆粒球減少。3). 腎臓:(0.1%未満)BUN上昇。

4). 消化器:(0.1〜5%未満)下痢、(0.1%未満)腹痛、嘔吐、悪心、食欲不振、(頻度不明)胃部不快感、胸やけ、便秘。

5). 菌交代症:(0.1%未満)口内炎、カンジダ症、(頻度不明)黒毛舌。6). ビタミン欠乏症:(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。7). その他:(0.1%未満)めまい、(頻度不明)頭痛、胸部圧迫感、しびれ。発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。

重要な基本的な注意

8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。8.2. ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと〔11.1.1参照〕。

8.3. 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。8.4. 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。

8.5. 劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいAl−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.8参照〕。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔2.禁忌の項参照〕。

9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。

9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)。(腎機能障害患者)

9.2.1. 高度腎障害のある患者:腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること(血中濃度が持続する)〔16.6.1参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 鉄剤<経口>[本剤の吸収を約10分の1まで阻害するので、併用は避けることが望ましいが、やむを得ず併用する場合には、本剤の投与後3時間以上間隔をあけて投与する(腸管内において鉄イオンとほとんど吸収されない錯体を形成する)]。2). ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがあるが、ただし、本剤に関する症例報告はない(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。

3). 制酸剤(アルミニウム含有制酸剤又はマグネシウム含有制酸剤)[本剤の吸収が低下し効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与後2時間以上間隔をあけて投与する(機序不明)]。

小児等

低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

臨床検査結果に及ぼす影響

12.1. テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。

12.2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

適用上の注意

取扱い上の注意

20.1. バラ包装は開栓後、光、湿気を避けて保存すること(光による退色及び湿気による固化のおそれがある)。

20.2. 分包品はアルミピロー包装開封後、光、湿気を避けて保存すること。光による退色及び湿気による固化のおそれがある。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用により、便が赤色調を呈することがある。

15.1.2. 尿が赤色調を呈することがある。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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有効成分 添加剤

日局 セフジニル 100mg(力価)(1g中) 白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、トラガント末、香料、バニリン、プロピレングリコール、アラビアゴム、デキストリン、含水二酸化ケイ素、赤色102号

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3.2 製剤の性状

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剤形 色調 におい 味

細粒 淡赤白色 芳香がある 甘い

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薬効薬理

18.1 作用機序

作用機序は細菌細胞壁の合成阻害であり、その作用点は菌種により異なるが、ペニシリン結合蛋白(PBP)の1(1a、1bs)、2及び3に親和性が高い。

18.2 抗菌作用

18.2.1 グラム陽性菌及び陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを有し、特にグラム陽性菌のブドウ球菌属、レンサ球菌属等に対して強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である(in vitro)。

18.2.2 各種細菌の産生するβ‐lactamaseに安定で、β‐lactamase産生菌にも優れた抗菌力を示す(in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

小児に3及び6mg(力価)/kgを空腹時に単回経口投与すると約2.5時間後にそれぞれ0.92、1.31μg/mLの最高血漿中濃度が得られ、その消失半減期は1.8〜1.9時間であった。

<<図省略>>

16.2 吸収

小児28例に3mg(力価)/kgを食後に単回経口投与すると、3.6時間後に0.63μg/mLの最高血漿中濃度が得られ、食後投与では吸収がやや低下した。

16.3 分布

16.3.1 組織内移行

患者喀痰中、扁桃組織、上顎洞粘膜組織、中耳分泌物、皮膚組織等への移行が認められた。(セフゾンカプセル成人の場合)

16.4 代謝

ヒトの血漿、尿及び糞便中には抗菌活性代謝物質は認められていない。(セフゾンカプセル成人の場合)

16.5 排泄

16.5.1 主として腎より排泄される。

16.5.2 小児(空腹時)における3及び6mg(力価)/kg経口投与時の尿中排泄率(0〜8時間)は約17〜21%で、最高尿中濃度は2〜4時間でそれぞれ102、189μg/mLであった。

16.6 特定の背景を有する患者

16.6.1 腎機能障害患者

(1)成人腎機能障害患者に100mg(力価)を単回経口投与したとき、血漿中濃度の消失半減期は腎機能の低下に伴い延長した。(セフゾンカプセル成人の場合)[9.2.1参照]

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Ccr(mL/min) 例数 t1/2(h) AUC(μg・h/mL)

≧100        3  1.66    2.76

51〜70       1  2.41    10.74

31〜50       3  2.92    7.48

≦30         2  4.06    16.94

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(2)成人腎機能障害患者に100mg(力価)を単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い排泄の遅延が認められた。(セフゾンカプセル成人の場合)[9.2.1参照]

16.6.2 血液透析患者

成人血液透析患者6例に100mg(力価)を食後に単回経口投与したとき、血漿中濃度の消失半減期は健康成人の約11倍に増加した。同じ患者に100mg(力価)を食後に単回経口投与し、ほぼ最高血漿中濃度に達した時間より4時間透析を施行したとき、透析中の半減期は非透析日の約1/6に短縮し、透析による除去率は61%であった。(セフゾンカプセル成人の場合)

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     Cmax(μg/mL) Tmax(h) t1/2(h) AUC0−∞(μg・h/mL) 除去率(%)

非透析日 2.36        9.00    16.95   69.05           −

透析日  2.03        −       2.76注1) 30.18           61

注1)透析中の半減期

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