Antaa DI

drug

グランダキシン細粒10%

トフィソパム細粒

自律神経調整薬 >>

特徴

  • 短時間型抗不安薬の効果の強さ:デパス>リ

専門医コメント

ベンゾジアゼピン系ではあるが抗不安作用は

用法・用量

トフィソパムとして1回50mg、1日3回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

禁忌

ロミタピドメシル酸塩投与中の患者。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

自律神経失調症・更年期障害・卵巣欠落症状・頭部及び頸部損傷における自律神経症状

効果・効能

次記疾患における頭痛・頭重、倦怠感、心悸亢進、発汗等の自律神経症状:自律神経失調症、頭部損傷・頚部損傷、更年期障害・卵巣欠落症状。

副作用

総症例8,803例中、232例(2.6%)に副作用が認められている。その主なものは眠気、ふらつき等の精神神経系症状(1.1%)、口渇、悪心・嘔吐、食欲不振、便秘、腹痛等の消化器症状(1.1%)、倦怠感・脱力感(0.3%)等であった(再審査終了時)。

その他の副作用

その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。1.依存性:(頻度不明)薬物依存[他のベンゾジアゼピン系薬剤で連用により薬物依存を生ずることが報告されているので、本剤の投与にあたっては観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与する]。

2.精神神経系:(0.1〜5%未満)眠気、眩暈・ふらつき、(0.1%未満)頭痛、不眠、不安、焦燥、抑うつ症状、手足の震え、しびれ等。

3.消化器:(0.1〜5%未満)悪心・嘔吐、口渇、食欲不振、便秘、腹痛、(0.1%未満)下痢等。

4.過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒感、(0.1%未満)発熱、顔面浮腫等[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

5.肝臓:(0.1%未満)AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)等。6.その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、脱力感、(0.1%未満)動悸、血圧上昇、ほてり、乳房痛、乳汁分泌、(頻度不明)月経異常。

慎重投与

1.急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。

2.重症筋無力症の患者[筋弛緩作用を若干有する]。

3.脳器質的障害のある患者[作用が強く現れることがある]。4.中等度呼吸不全又は重篤な呼吸不全のある患者[呼吸機能が低下することがある]。

重要な基本的な注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意する。

相互作用

1.併用禁忌:ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>[ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇する恐れがある(本剤がCYP3Aを阻害することにより、ロミタピドメシル酸塩の代謝が阻害される)]。

2.併用注意:

1).中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)[中枢神経抑制作用が増強することがある(両薬剤の中枢神経抑制作用が相加的に増強する可能性がある)]。

2).アルコール[中枢神経抑制作用が増強することがある(両者の中枢神経抑制作用が相加的に増強する可能性がある)]。

3).タクロリムス水和物[タクロリムスの血中濃度が上昇することがあるので、本剤を減量又は休薬する等適切な処置を行う(本剤がCYP3A4によるタクロリムスの代謝を抑制することによると考えられる)]。

高齢者

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

妊婦・授妊婦

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

1.妊婦<3カ月以内>又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)の投与を受けた患者の中に奇形児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある)]。

2.妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)]。

3.分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状が現れることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

4.授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせる[動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが認められている]。

小児等

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過剰投与

本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読む。

適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、鎮静・抗痙攣作用が遅延する恐れがある。

組成・性状

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販売名 グランダキシン細粒10%

成分・含量 1g中 日局 トフィソパム 100mg

添加物 結晶セルロース、乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース

色調・剤形 微黄白色・細粒剤

識別コード MO112

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薬効薬理

1.自律神経系の緊張不均衡改善作用

(1)視床下部の電気刺激によって生ずる血管収縮、耳朶温の低下、瞳孔径の増大など、交感神経中枢の興奮による異常反応の改善が認められた(ウサギ)。

(2)ストレス負荷時にみられる交感及び副交感神経間の緊張不均衡の改善が認められた(ラット)。

(3)アドレナリン又はノルアドレナリンによる平滑筋収縮を軽度抑制し(in vitro)、交感神経の節前・節後刺激及び副交感神経刺激による興奮を軽度抑制する(イヌ)。

(4)ヒトの自律神経機能検査において、メコリール試験では交感神経過反応型及び低反応型のいずれをも正常化し、寒冷昇圧試験では血管運動神経緊張亢進状態の改善が認められた。また、polyplethysmographを用いた試験においても、局所血流量増加作用を有すると共に全身末梢の血流配分バランスの改善が認められた。

2.その他の薬理作用

末梢血流量の増加作用(イヌ、ウサギ)、馴化作用・抗コンフリクト作用(マウス、ラット)が認められた。また、筋弛緩作用及び睡眠増強作用はほとんど有さないか、もしくは極めて弱い(マウス)。

薬物動態

1.血中濃度

健常成人男子に本剤を経口投与したところ、投与1時間後には最高血中濃度に達し、以後漸減して12時間後には血中からほぼ消失した。

2.排泄

経口投与後、尿中には主に代謝産物が検出され、投与24時間後までに投与量の約14%が尿中に排泄された。

3.代謝

ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験において、本剤は主としてCYP3A4で代謝されること、また、CYP3A4での代謝を阻害することが示唆された。従って、CYP3A4で代謝される薬物の血中濃度を上昇させる可能性がある。