特徴
解熱鎮痛剤の調剤に用いる。
専門医コメント
繰り返す痛みにエテンザミドが用いられるケ
用法・用量
解熱鎮痛剤の調剤に用いる。
禁忌
2.1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 重篤な血液異常のある患者〔9.1.2参照〕。2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。2.4. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。2.5. 重篤な心機能不全のある患者〔9.1.4参照〕。2.6. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.7. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発するおそれがある]〔9.1.5参照〕。
用法・用量に関連する注意
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
適応
解熱鎮痛剤の調剤
効果・効能
解熱鎮痛剤の調剤に用いる。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 長期・大量投与:(頻度不明)過呼吸、貧血、腎障害、肝障害[観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること]。2). 過敏症:(頻度不明)発疹、浮腫、喘息発作等[減薬又は投与を中止すること]。
3). 精神神経系:(頻度不明)耳鳴、難聴、めまい等[減薬又は投与を中止すること]。
4). 血液:(頻度不明)血小板機能低下(出血時間延長)。5). 消化器:(頻度不明)食欲不振、胸やけ、胃痛、悪心・嘔吐、消化管潰瘍悪化等。
慎重投与
1.消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させる恐れがある]。2.血液異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある]。
3.出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある]。4.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させる恐れがある]。5.腎障害又はその既往歴のある患者[腎障害を悪化又は再発させる恐れがある]。6.心機能異常のある患者[心機能を悪化させる恐れがある]。7.過敏症の既往歴のある患者。
8.気管支喘息のある患者[アスピリン喘息を誘発する恐れがある]。9.高齢者。
重要な基本的な注意
8.1. 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う小児及び高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
8.3. 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、疼痛、発熱の程度を考慮し投与すること。・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
・ 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行うこと。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させるおそれがある〔2.1参照〕。
9.1.2. 血液異常<重篤な血液異常を除く>又はその既往歴のある患者:血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある〔2.2参照〕。
9.1.3. 出血傾向のある患者:血小板機能異常が起こることがある。9.1.4. 心機能異常<重篤な心機能不全を除く>のある患者:心機能を悪化させるおそれがある〔2.5参照〕。
9.1.5. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息を誘発するおそれがある〔2.7参照〕。
9.1.6. 感染症を合併している患者:必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること(感染症を不顕性化するおそれがある)。(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(腎機能障害をさらに悪化させるおそれがある)〔2.4参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。
肝機能障害患者
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(肝機能障害をさらに悪化させるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>又はその既往歴のある患者:肝機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。
相互作用
10.2. 併用注意:
1). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること(本剤は血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝血剤と置換し、遊離させる)]。
2). リチウム製剤[血中リチウム濃度を上昇させリチウム中毒を起こすおそれがあるので血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること(本剤は腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、腎血流量を減少させることにより、リチウムの腎排泄を低下させる)]。
3). チアジド系利尿剤[チアジド系利尿剤の作用を減弱するおそれがある(本剤は腎のプロスタグランジン生合成を抑制し、チアジド系利尿剤の作用を減弱させることがある)]。
高齢者
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(副作用があらわれやすい)〔8.2参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊娠中期以降の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告があり、また妊娠後期はその発現リスクがより高くなることが知られている。サリチル酸系製剤(アスピリン等)には動物実験で催奇形作用が報告されているものがある。(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
9.7.1. 15歳未満の水痘、15歳未満のインフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること(サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告がある)。[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖症等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。9.7.2. 副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること〔8.2参照〕。
9.7.3. 低出生体重児、新生児、乳児又は小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において一時的不妊が認められたとの報告がある。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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有効成分 1g中 日局エテンザミド1g
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3.2 製剤の性状
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性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
約105℃で僅かに昇華し始める。
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薬効薬理
18.1 作用機序
アスピリンと同じく、作用本体はサリチル酸であり、酸性非ステロイド性抗炎症薬としての作用を現す。即ち、プロスタグランジン生合成の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制することにより、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用を現す。