特徴
国内初のメラトニン受容体作動薬。ピーク時
専門医コメント
BZD系睡眠薬と異なり、依存や退薬症候群
用法・用量
通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。2.2. 高度肝機能障害患者〔9.3.1、16.6.2参照〕。2.3. フルボキサミンマレイン酸塩投与中の患者〔10.1、16.7.1参照〕。
用法・用量に関連する注意
7.1. 本剤は、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときには服用させないこと。7.2. 食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度低下することがあるため、本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること〔16.2.1参照〕。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
不眠症における入眠困難の改善
効果・効能
不眠症における入眠困難の改善。
効果・効能に関連する注意
ベンゾジアゼピン系薬剤等他の不眠症治療薬による前治療歴がある患者における本剤の有効性は確立していないので、これらの患者に本剤を投与する際には治療上の有益性と危険性を考慮し、必要性を十分に勘案した上で慎重に行うこと、並びに精神疾患(統合失調症、うつ病等)の既往又は合併のある患者における本剤の有効性及び安全性は確立していないので、これらの患者に本剤を投与する際には治療上の有益性と危険性を考慮し、必要性を十分に勘案した上で慎重に行うこと〔17.1.1−17.1.4参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫等)(頻度不明)。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1〜5%未満)めまい、頭痛、眠気、(頻度不明)悪夢。2). 皮膚:(0.1〜5%未満)発疹。
3). 消化器:(0.1〜5%未満)便秘、悪心。
4). 内分泌:(頻度不明)プロラクチン上昇[一部の外国臨床試験(慢性不眠症患者、プラセボ対照6ヵ月長期投与試験)では、本剤群でプラセボ群と比べて有意なプロラクチン値上昇が認められ、副作用としての血中プロラクチン上昇も本剤群で多かった。一方、国内臨床試験では、内分泌機能検査を実施した一部の症例(慢性不眠症患者、6ヵ月間長期投与試験)でプロラクチン値の上昇が認められたものの、副作用としての血中プロラクチン上昇は認められず、国内での発現頻度は不明である]。5). その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、(頻度不明)自殺企図。
慎重投与
1.軽度から中等度肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する恐れがある]。
2.高齢者。
3.高度の睡眠時無呼吸症候群患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない]。
4.脳器質的障害のある患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない]。
重要な基本的な注意
8.1. 本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.2. 本剤の投与にあたっては、患者に対して生活習慣の改善を指導するとともに、投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。またその後も定期的に本剤の有効性及び安全性を評価した上で投与継続の要否を検討すること〔17.1.1−17.1.4参照〕。
8.3. 本剤の投与により、プロラクチン上昇があらわれることがあるので、月経異常、乳汁漏出又は性欲減退等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
特定の背景を有する患者に関する注意
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 高度の睡眠時無呼吸症候群患者:これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない〔17.3.1参照〕。
9.1.2. 脳器質的障害のある患者:これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。
肝機能障害患者
9.3.1. 高度肝機能障害患者:投与しないこと(本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。9.3.2. 軽度から中等度肝機能障害患者:本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.2参照〕。
相互作用
CYP1A2が本剤の代謝に関与する主な代謝酵素であり、CYP2Cサブファミリー及びCYP3A4もわずかに関与している。
10.1. 併用禁忌:
フルボキサミンマレイン酸塩<ルボックス、デプロメール>〔2.3、16.7.1参照〕[本剤の最高血中濃度・AUCが顕著に上昇するとの報告があり、併用により本剤の作用が強くあらわれるおそれがある(本剤の主な肝薬物代謝酵素であるCYP1A2を強く阻害し、また、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4に対する阻害作用の影響も考えられる)]。
10.2. 併用注意:
1). CYP1A2阻害剤(キノロン系抗菌薬等)[本剤の作用が強くあらわれる可能性がある(フルボキサミンマレイン酸塩との併用で顕著な本剤の血中濃度上昇が報告されており、その他のCYP1A2阻害剤との併用においても、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). CYP2C9阻害剤(フルコナゾール(アゾール系抗真菌薬)等)〔16.7.2参照〕[本剤の作用が強くあらわれる可能性があり、フルコナゾールとの併用により本剤の最高血中濃度・AUCが上昇したとの報告がある(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある)]。3). CYP3A4阻害剤(マクロライド系抗菌薬等、ケトコナゾール(アゾール系抗真菌薬)等)〔16.7.3参照〕[本剤の作用が強くあらわれる可能性があり、ケトコナゾール(経口:国内未発売)との併用により本剤の最高血中濃度・AUCが上昇したとの報告がある(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある)]。
4). CYP誘導剤(リファンピシン(結核治療薬)等)〔16.7.4参照〕[本剤の作用が減弱する可能性があり、リファンピシンとの併用により本剤の最高血中濃度・AUCが低下したとの報告がある(CYP3A4等の肝薬物代謝酵素を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を減少させる可能性がある)]。5). アルコール(飲酒)[注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある(アルコールが中枢神経抑制作用を示すため、本剤との相加作用が考えられる)]。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者においては血中濃度が上昇するおそれがある)〔16.6.1参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットによる生殖試験(150mg/kg/日以上)において、胎仔横隔膜ヘルニア、胎仔骨格変異等の催奇形性がみられている)。(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットでは乳汁中への移行が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
過剰投与
13.1. 処置
過量投与時、血液透析は本剤の除去に有用ではないと考えられる〔16.6.3参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報
マウスに2年間強制経口投与した試験で、雄マウスの100mg/kg/日以上及び雌マウスの300mg/kg/日以上の群において肝腫瘍の発現増加がみられた。また、ラットに2年間強制経口投与した試験では、雄ラットにおいて250mg/kg/日以上の群で肝腫瘍及び良性精巣間細胞腫の発現増加がみられ、雌ラットでは60mg/kg/日以上の群において肝腫瘍の発現増加がみられた。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ラメルテオン錠8mg「武田テバ」
有効成分 1錠中:ラメルテオン 8mg
添加剤 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、コポビドン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、マクロゴール6000
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3.2 製剤の性状
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販売名 ラメルテオン錠8mg「武田テバ」
色・剤形 うすいだいだいみの黄色のフィルムコーティング錠
形状 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> 直径 7.1mm
厚さ 3.6mm
重量 135mg
識別コード TTラメ
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薬効薬理
18.1 作用機序
ラメルテオンは、メラトニンMT1及びMT2受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストであり、ヒトメラトニンMT1及びMT2受容体に対する親和性(Ki値)はそれぞれ14.0pmol/L及び112pmol/L、フォルスコリン誘発cAMP生成反応を指標にしたアゴニスト活性のIC50値はそれぞれ21.2pmol/L及び53.4pmol/Lである。ラメルテオンはGABAA受容体をはじめとするGABA、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン及びアセチルコリンなどの神経伝達物質受容体に対して、10μmol/Lの濃度で検出可能な親和性を示さない。
18.2 睡眠に対する作用
カニクイザルの夜間睡眠に対する作用ではラメルテオン0.03mg/kg経口投与で浅いNREM睡眠及び徐波睡眠の潜時を有意に短縮し、総睡眠量を有意に増加させる。
ネコの睡眠覚醒に対する作用ではラメルテオン0.001mg/kg経口投与で覚醒時間を短縮し、徐波睡眠時間を有意に増加させる。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(18例)にラメルテオン8mgを空腹時又は食後に単回経口投与したときの未変化体及び主代謝物M‐IIの血中濃度の推移は添付文書の図のとおりであった。
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AUC0−48(ng・h/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(h) T1/2(h)
未変化体 空腹時 2.04±1.80 1.41±1.21 0.75 0.94±0.18
食後 2.16±1.65 1.19±1.11 0.88 1.14±0.39
M‐II 空腹時 184.97±69.01 63.04±14.63 0.75 1.94±0.53
食後 179.18±56.38 46.96±13.05 1.75 2.02±0.45
平均値±標準偏差、ただし、Tmaxは中央値
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未変化体
<<図省略>>
M‐II
<<図省略>>
16.1.2 反復投与
健康成人(8例)にラメルテオン8mgを夕食3時間後に1日1回7日間経口投与したとき、投与7日目の未変化体のCmax及びAUC0−24は、投与1日目と比較してそれぞれ31%及び16%増加し、投与7日目のM‐IIのCmax及びAUC0−24は、投与1日目と比較してそれぞれ9%増加及び3%減少したが、未変化体及びM‐IIともに血中濃度トラフ値は定量下限未満であった。
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AUC0−24(ng・h/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(h) T1/2(h)
未変化体 1日目 2.34±1.01 1.39±1.05 1.31±0.84 1.08±0.23
7日目 2.64±1.40 1.47±1.03 1.09±0.38 0.92±0.31
M‐II 1日目 234.79±62.20 54.18±21.20 1.53±0.80 2.26±0.42
7日目 229.07±66.03 54.15±10.53 1.53±0.54 2.05±0.54
平均値±標準偏差
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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(18例)にラメルテオン8mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、食後投与では空腹時投与に比べ未変化体のCmaxは16%低下した。また、M‐IIのCmaxは26%低下、Tmaxは1時間の延長がみられた。[7.2参照]
16.4 代謝
ラメルテオンは体内で酸化によりM‐I、M‐II、M‐III、M‐IV、M‐VIII及びM‐IXに代謝され、M‐VIII及びM‐IXはさらにグルクロン酸抱合を受ける。未変化体からM‐IIへの代謝には主にCYP1A2が寄与し、M‐IIの消失にはCYP3A4が寄与していると考えられる。
M‐IIのヒトMT1及びMT2受容体に対する親和性は未変化体の約1/10及び約1/5であり、アゴニスト活性は約1/17及び約1/28である。
16.5 排泄
健康成人にラメルテオン8mgを朝絶食下に単回経口投与したとき、尿中には未変化体及びM‐IIはほとんど検出されなかった。なお、外国健康成人男子に1回16mg注)(標識体)を単回経口投与したとき、グルクロン酸抱合体として84%が尿中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者における薬物動態
高齢者にラメルテオン16mg注)を単回経口投与したとき、未変化体のCmax、AUC0−inf及びT1/2は、非高齢者と比べそれぞれ1.3倍、1.9倍及び1.7倍であった。M‐IIのAUC0−inf及びT1/2は、非高齢者と比べそれぞれ1.3倍、1.4倍、Cmaxはほぼ同様であった。[9.8参照]
16.6.2 肝機能障害患者における薬物動態
軽度、中等度の肝障害患者にラメルテオン16mg注)を反復経口投与したとき、未変化体のCmax、AUC0−τ及びT1/2は、健康成人と比べそれぞれ2.5倍、3.6倍及び1.4倍並びに8.4倍、10.7倍及び2.5倍であった。M‐IIのCmax、AUC0−τ及びT1/2は、健康成人と比べそれぞれ0.9倍、1.3倍及び1.2倍並びに0.8倍、1.0倍及び1.7倍であった。なお、高度の肝障害患者における薬物動態は検討されていない(外国人データ)。[2.2、9.3.1、9.3.2参照]
16.6.3 腎機能障害患者における薬物動態
軽度、中等度及び高度の腎障害患者、慢性的な血液透析患者にラメルテオン16mg注)を反復経口投与したとき、未変化体及びM‐IIのCmax、AUC0−τは、健康成人と比べ差はみられなかった。T1/2は、高度の腎障害患者において未変化体、M‐IIいずれも健康成人と比べ1.5倍、慢性的な血液透析患者においてM‐IIで1.4倍であった(外国人データ)。[13.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フルボキサミン
健康成人(23例)を対象に、ラメルテオン8mgをフルボキサミン(CYP1A2阻害剤)1日1回200mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約2,700%及び8,200%増加し、M‐IIでそれぞれ約66%減少、31%増加した。一方、フルボキサミンの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。[2.3、10.1参照]
16.7.2 フルコナゾール
健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をフルコナゾール(CYP2C9阻害剤)4日間反復経口投与(1日目は400mg、その後1日1回200mg)の4日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約144%及び152%、M‐IIでそれぞれ約55%及び199%増加した。T1/2は未変化体及びM‐IIでそれぞれ33%及び94%延長した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 ケトコナゾール
健康成人(26例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をケトコナゾール(CYP3A4阻害剤)1日2回200mgの4日間反復経口投与の4日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約36%及び84%、M‐IIでそれぞれ約23%及び93%増加した。T1/2は未変化体及びM‐IIでそれぞれ31%及び52%延長した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 リファンピシン
健康成人(27例)を対象に、ラメルテオン32mg注)をリファンピシン(CYP誘導剤)1日1回600mgの11日間反復経口投与の11日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約82%及び81%、M‐IIでそれぞれ約81%及び89%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 エタノール
健康成人(21例)を対象に、ラメルテオン32mg注)と同時にエタノール(ADH基質)0.6g/kgを経口投与し、その後10分毎にエタノール0.6g/kgを2回経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約43%及び47%増加したが、M‐IIの薬物動態には併用による影響は認められなかった。一方、エタノールの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.6 ドネペジル
健康成人(22例)を対象に、ラメルテオン8mgをドネペジル(CYP2D6基質、CYP3A4基質)1日1回5mgの7日間反復経口投与後、1日1回10mgの16日間反復経口投与の計23日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約87%及び100%増加したが、M‐IIの薬物動態には併用による影響は認められなかった。一方、ドネペジルの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.7 フルオキセチン
健康成人(27例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をフルオキセチン(CYP2D6基質及び阻害剤)1日1回40mgの11日間反復経口投与の11日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約40%及び50%、M‐IIでそれぞれ約17%及び52%増加した(外国人データ)。
16.7.8 テオフィリン
健康成人(18例)を対象に、ラメルテオン32mg注)とテオフィリン(CYP1A2基質)1日1回300mgを10日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−τは未変化体でそれぞれ約35%及び40%、M‐IIでそれぞれ約1%及び12%増加した。一方、テオフィリンの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.9 ガバペンチン
健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをガバペンチン1回400mgを1日3回7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約27%及び14%増加し、M‐IIでそれぞれ約22%減少、1%増加した。一方、ガバペンチンの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.10 ゾルピデム
健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをゾルピデム1日1回10mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約3%及び9%増加し、M‐IIでそれぞれ約14%減少、0%増加した。一方、ゾルピデム1日1回10mgをラメルテオン8mgの7日間反復経口投与の7日目に併用投与したとき、ゾルピデムのCmax及びAUC0−infはそれぞれ約16%及び2%減少した(外国人データ)。
16.7.11 デキストロメトルファン
健康成人(34例)を対象に、ラメルテオン32mg注)とデキストロメトルファン(CYP2D6基質)30mgを単回経口投与したとき、ラメルテオン及びデキストロメトルファンの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.12 セルトラリン
健康成人(24例)を対象に、ラメルテオン8mgをセルトラリン(CYP2D6阻害剤)1日1回50mgの13日間反復経口投与の13日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−infは未変化体でそれぞれ約43%及び23%、M‐IIでそれぞれ約18%及び2%減少した。一方、セルトラリン1日1回50mgをラメルテオン8mgの13日間反復経口投与の13日目に併用投与したとき、セルトラリンのCmax及びAUC0−infはそれぞれ約15%及び11%増加した(外国人データ)。
16.7.13 オメプラゾール
健康成人(29例)を対象に、ラメルテオン16mg注)とオメプラゾール(CYP1A誘導剤、CYP2C19基質)1日1回40mgを7日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してCmax及びAUC0−τは未変化体でそれぞれ約27%及び33%減少し、M‐IIでそれぞれ16%及び29%増加した。一方、オメプラゾールの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.14 ジゴキシン
健康成人(20例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をジゴキシン1日1回0.2mgと11日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してジゴキシンのCmax及びAUC0−τはそれぞれ約9%及び3%減少した(外国人データ)。
16.7.15 ワルファリン
健康成人(22例)を対象に、ラメルテオン16mg注)をワルファリン(CYP1A2基質、CYP2C9基質)1日1回1〜15mg(至適用量)と7日間反復経口投与したとき、単独投与時と比較してワルファリンの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.16 ミダゾラム
健康成人(28例)を対象に、ミダゾラム(CYP3A4基質)1日1回10mgをラメルテオン32mg注)の10日間反復経口投与の10日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してミダゾラムの薬物動態には併用による影響は認められなかった(外国人データ)。
注)承認用量は1回8mgである。