特徴
強弱の目安はオルガドロン=リンデロンA=
専門医コメント
長期使用で眼圧上昇をきたした症例を経験し
用法・用量
〈眼科用〉
通常、1日3〜4回、1回1〜2滴ずつ点眼する。なお、症状により適宜増減する。〈耳鼻科用〉
通常、1日1〜数回、適量を点耳、点鼻、耳浴、ネブライザー又はタンポンにて使用するか、又は患部に注入する。なお、症状により適宜増減する。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
原則禁忌
1.眼科用:
1).(眼科用)角膜上皮剥離又は角膜潰瘍のある患者[これらの疾患が増悪する恐れがあり、また、角膜穿孔を生ずる恐れがある]。
2).(眼科用)ウイルス性結膜疾患・ウイルス性角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患のある患者[これらの疾患が増悪する恐れがあり、また、角膜穿孔を生ずる恐れがある]。
2.耳鼻科用:
1).(耳鼻科用)耳に結核性疾患又は鼻に結核性疾患又は耳にウイルス性疾患又は鼻にウイルス性疾患のある患者[これらの疾患が増悪する恐れがある]。2).(耳鼻科用)糖尿病の患者[糖尿病が増悪する恐れがある]。
適応
【眼科用】外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法【耳鼻科用】外耳・中耳又は上気道の炎症性・アレルギー性疾患、術後処置
効果・効能
〈眼科用〉
外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、眼科術後炎症の対症療法)。
〈耳鼻科用〉
外耳・中耳(耳管を含む)又は上気道の炎症性疾患・アレルギー性疾患(外耳炎、中耳炎、アレルギー性鼻炎など)、耳鼻科術後処置。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 〈眼科用〉緑内障(頻度不明):連用により、数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 〈眼科用〉角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症(いずれも頻度不明):角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症等を誘発することがある。11.1.3. 〈眼科用〉穿孔(頻度不明):角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は角膜外傷等に投与した場合には角膜穿孔を生ずることがある〔9.1.1、9.1.2参照〕。11.1.4. 〈眼科用〉後嚢下白内障(頻度不明):長期投与により、後嚢下白内障があらわれることがある。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)刺激感。
2). 耳・鼻:(頻度不明)化膿性感染症の誘発。
3). 下垂体・副腎皮質系機能(長期連用した場合):(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制。
4). その他:(頻度不明)創傷治癒遅延。
重要な基本的な注意
8.1. 〈眼科用〉連用により、数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがあるので、定期的に眼内圧検査を実施すること〔11.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 〈眼科用〉角膜上皮剥離又は角膜潰瘍のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が増悪するおそれがあり、また、角膜穿孔を生ずるおそれがある)〔11.1.3参照〕。
9.1.2. 〈眼科用〉ウイルス性結膜疾患・ウイルス性角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が増悪するおそれがあり、また、角膜穿孔を生ずるおそれがある)〔11.1.3参照〕。
9.1.3. 〈耳鼻科用〉耳に結核性疾患又は鼻に結核性疾患又は耳にウイルス性疾患又は鼻にウイルス性疾患のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が増悪するおそれがある)。
9.1.4. 〈耳鼻科用〉糖尿病の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が増悪するおそれがある)。
高齢者
一般に生理機能が低下している。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。長期・頻回投与を避けること。
小児等
特に2歳未満の場合には、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 〈共通〉遮光して保存すること。
・ 〈眼科用〉薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 〈眼科用〉患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・ 〈眼科用〉他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 〈耳鼻科用〉薬液汚染防止のため、点耳又は点鼻のとき、容器の先端が直接患部に触れないように注意すること。
取扱い上の注意
外箱開封後は遮光して保存すること。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ビジュアリン眼科耳鼻科用液0.1%
有効成分 1mL中 デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム1.5mg
(デキサメタゾンとして1mg)
添加剤 濃グリセリン、酢酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、pH調節剤
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3.2 製剤の性状
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販売名 ビジュアリン眼科耳鼻科用液0.1%
性状 無色澄明の無菌水性点眼点耳点鼻剤
pH 3.7〜5.2
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薬効薬理
18.1 作用機序
デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現する。糖質コルチコイドは受容体に結合して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。その結果、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる。
18.2 抗炎症作用
〈眼科用〉
・デキサメタゾンの抗炎症作用の強さはヒドロコルチゾンの25倍、プレドニゾロンの6倍で、ベタメタゾンとは同程度とされている。
・ウサギの硝子体に抗原(10%牛血清アルブミン0.1mL)を投与することによって惹起したブドウ膜炎に対してデキサメタゾンとして0.05%、及び0.1%点眼液を1日2回、各2滴点眼して抗炎症効果についてDraize法を参考とした採点基準を用いて検討した。その結果、デキサメタゾン含有点眼液は抗炎症作用を示した。
〈耳科用〉
モルモットの酢酸による中耳骨胞内粘膜血管透過性亢進モデルを用いて本剤の抗炎症効果を検討した結果、血管透過性亢進の抑制作用が認められた。
〈鼻科用〉
ラットの酢酸による鼻粘膜毛細血管透過性亢進モデルを用いて本剤の抗炎症効果を検討した結果、血管透過性亢進の抑制作用が認められた。
18.3 抗アレルギー作用
〈眼科用〉
抗血清0.05mLを結膜内注射して感作させたラットに、抗原として20%卵白アルブミン溶液10μLを点眼することによって惹起した受身アナフィラキシーに対するデキサメタゾンの抑制効果を検討した。0.1%デキサメタゾンを抗原点眼前1、2、3、4、5時間の計5回点眼したときの抑制率は57.1%であった。
18.4 生物学的同等性試験
〈眼科用〉
18.4.1 ラット急性結膜炎モデルに対する抗炎症効果
ラットにクロトン油を点眼して結膜浮腫を誘発し、上部眼瞼重量を結膜浮腫の指標として、本剤及びサンテゾーン点眼液(0.1%)について統計解析を行った。その結果、本剤とサンテゾーン点眼液(0.1%)間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
表1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上部眼瞼重量(mg)
本剤 26.87±4.80
サンテゾーン点眼液(0.1%) 29.30±3.97
平均値±標準偏差、n=10
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
18.4.2 ウサギブドウ膜炎モデルに対する抗炎症効果
ウサギの硝子体に牛血清アルブミンを注入し、ブドウ膜炎を誘発した。さらに炎症症状の軽快した29日目に牛血清アルブミンを耳静脈に注入しブドウ膜炎を再発させた。内・外眼部の炎症を採点基準により点数化し、スコアの合計点数をブドウ膜炎の指標とした。本剤及びサンテゾーン点眼液(0.1%)について得られた、ブドウ膜炎を誘発して15、16、17日目の合計点数の平均値(表2)、30日目の合計点数(表3)及び30日目(ブドウ膜炎再発24時間後)に採取した房水の蛋白濃度(表4)について、統計解析を行った。いずれの結果においても、本剤とサンテゾーン点眼液(0.1%)間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
表2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
15、16、17日目の合計点数の平均値
本剤 3.7±2.2
サンテゾーン点眼液(0.1%) 4.9±4.4
平均値±標準偏差、n=5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表3
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
30日目の合計点数
本剤 2.2±0.9
サンテゾーン点眼液(0.1%) 4.7±5.3
平均値±標準偏差、n=5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
30日目の房水蛋白濃度(mg/mL)
本剤 1.78±0.63
サンテゾーン点眼液(0.1%) 3.48±3.81
平均値±標準偏差、n=5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〈耳科用〉
18.4.3 モルモット中耳骨胞内粘膜血管透過性亢進モデルに対する抗炎症効果
モルモットの酢酸による中耳骨胞内粘膜血管透過性亢進モデルにおいて、漏出した色素量を中耳の炎症抑制作用の指標とし、本剤及びコンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液0.1%について統計解析を行った。その結果、本剤とコンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液0.1%間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
表5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
漏出色素量(μg/site)
本剤 21.9±3.6
コンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液0.1% 24.1±2.8
平均値±標準誤差、n=6
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
〈鼻科用〉
18.4.4 ラット鼻粘膜毛細血管透過性亢進モデルに対する抗炎症効果
ラットの酢酸による鼻粘膜毛細血管透過性亢進モデルにおいて、漏出した色素量を鼻粘膜の炎症抑制作用の指標とし、本剤及びコンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液0.1%について統計解析を行った。その結果、本剤とコンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液0.1%間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
表6
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
漏出色素量(μg/site)
本剤 47.4±5.2
コンドロンデキサ点眼・点耳・点鼻液0.1% 54.2±7.1
平均値±標準誤差、n=5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表終了−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
薬物動態
16.3 分布
〈眼科用〉
雄性白色ウサギに0.1%の3H‐デキサメタゾン懸濁液25μLを単回点眼したときの各眼組織中濃度を評価した。その結果、結膜ではTmaxは5分でCmaxは5.2μg/gであった。その後急速に減少し、点眼後45分以降は指数関数的に減少した。角膜及び房水では、Tmaxはそれぞれ5分、45分でCmaxはそれぞれ4.1μg/g、0.21μg/gであり、その後は指数関数的に減少した。また、点眼後30分の各眼組織中濃度は、角膜及び強膜等の前眼部及び外眼部組織では比較的高く、後眼部組織である硝子体及び網脈絡膜では低かった。