Antaa DI

drug

プレドニン眼軟膏

プレドニゾロン酢酸エステル軟膏

副腎皮質ステロイド(眼科) >>

特徴

  • 強弱の目安はオルガドロン=リンデロンA=

専門医コメント

長期使用で眼圧上昇をきたした症例を経験し

用法・用量

通常、1日数回、適量を塗布する。

なお、症状により適宜増減する。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

原則禁忌

1.角膜上皮剥離又は角膜潰瘍の患者[これらの疾患が増悪する恐れがある]。2.ウイルス性結膜疾患・ウイルス性角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患の患者[これらの疾患が増悪する恐れがある]。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

【眼科用】外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法【耳鼻科用】外耳・中耳又は上気道の炎症性・アレルギー性疾患、術後処置

効果・効能

外眼部および前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症の対症療法)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 緑内障(0.1%未満):連用により、数週後から眼圧亢進、また、緑内障があらわれることがある〔8.1参照〕。

11.1.2. 角膜ヘルペス、角膜真菌症、眼部緑膿菌感染症の誘発(いずれも頻度不明)。

11.1.3. 眼部の穿孔(頻度不明):角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は角膜外傷等に使用した場合には角膜穿孔を生じることがある。

11.1.4. 後嚢白内障(0.1%未満):長期使用により、後嚢白内障があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1%未満)刺激感。

2). 下垂体・副腎皮質系:(頻度不明)長期使用による下垂体・副腎皮質系機能抑制。

3). その他:(0.1%未満)*全身使用の場合と同様な症状、(頻度不明)創傷治癒遅延。

*)〔8.2参照〕。

重要な基本的な注意

8.1. 連用により、数週後から眼圧亢進、また、緑内障があらわれることがあるので、定期的に眼圧検査を実施すること〔11.1.1参照〕。8.2. 長期連用を避けること〔11.2参照〕。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。

(1). 角膜上皮剥離又は角膜潰瘍の患者:これらの疾患が増悪するおそれがある。(2). ウイルス性結膜疾患・ウイルス性角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患の患者:これらの疾患が増悪するおそれがある。

高齢者

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、長期・頻回使用を避けること。

小児等

特に2歳未満の場合には慎重に使用すること。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

患者に対し次の点に注意するよう指導すること。

・ 薬剤汚染防止のため、塗布するとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。

・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に塗布し、閉瞼して軟膏が全体に広がった後、開瞼すること。

・ 軟膏が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取ること。・ 他の点眼剤を併用する場合には、本剤を最後に使用する(その際、少なくとも5分以上間隔をあける)。

取扱い上の注意

高温条件下で軟膏基剤中の低融点物質(液体)が滲出すること(Bleeding現象)がある。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 プレドニン眼軟膏

有効成分 1g中

プレドニゾロン酢酸エステル2.5mg

添加剤 パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、白色ワセリン、流動パラフィン

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

3.2 製剤の性状

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 プレドニン眼軟膏

性状・剤形 白色〜微帯黄白色のなめらかな、均一な半固体である。(軟膏、無菌製剤)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

薬効薬理

18.1 作用機序

ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。

その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP‐1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている。

18.2 薬理作用

プレドニゾロン酢酸エステルは合成糖質副腎皮質ホルモンであり、抗炎症作用、抗アレルギー作用を示す。

18.2.1 ウサギの角膜に卵白によるアレルギー性炎症を起こし、0.1%、0.5%プレドニゾロン酢酸エステル眼軟膏の局所使用による抗炎症作用を検討した結果、アレルギー性炎症抑制作用が認められた。

18.2.2 ウサギの結膜に牛血清によるArthus現象(アレルギー性結膜炎)を起こし、抗炎症作用を検討した結果、消炎効果が認められた。