Antaa DI

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ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「センジュ」

精製ヒアルロン酸ナトリウム液

角膜治療薬 >>

特徴

  • 精製ヒアルロン酸ナトリウムは角膜上皮の伸

専門医コメント

ドライアイ診療ガイドラインでもその重要性

用法・用量

1回1滴、1日5〜6回点眼し、症状により適宜増減する。なお、通常は0.1%製剤を投与し、重症疾患等で効果不十分の場合には、0.3%製剤を投与する。

適応

次の疾患に伴う角結膜上皮障害:シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、眼球乾燥症候群等の内因性疾患、術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用等による外因性疾患【ミニ】シェーグレン症候群、SJSに伴う角結膜上皮障害のみ

効果・効能

次記疾患に伴う角結膜上皮障害:1)シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼球乾燥症候群(ドライアイ)等の内因性疾患、2)術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用等による外因性疾患。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

眼:(1%〜5%未満)眼そう痒感、(1%未満)眼刺激、眼脂、結膜充血、眼異物感、眼瞼炎、結膜炎、(頻度不明)びまん性表層角膜炎等の角膜障害、眼痛。

重要な基本的な注意

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には診断又は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

診断又は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

患者に対し次の点に注意するよう指導すること。

・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。

・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「センジュ」

有効成分 1mL中 精製ヒアルロン酸ナトリウム1mg

添加剤 ホウ酸、ホウ砂、クロルヘキシジングルコン酸塩、等張化剤

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3.2 製剤の性状

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販売名 ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「センジュ」

性状 無色澄明の粘稠性の無菌水性点眼剤

pH 6.5〜7.5

浸透圧比 生理食塩液に対する比:0.9〜1.1

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薬効薬理

18.1 作用機序

ヒアルロン酸ナトリウムはフィブロネクチンと結合し、その作用を介して上皮細胞の接着、伸展を促進すると考えられる。また、その分子内に多数の水分子を保持することによって優れた保水性を示す。

18.2 角膜上皮創傷治癒促進作用

外科的に角膜上皮下の基底膜まで剥離したウサギ角膜上皮剥離モデルに対し、0.1〜0.5%ヒアルロン酸ナトリウム溶液注)を点眼したとき、剥離24時間後より基剤点眼群と比較し有意な創傷面積の減少が認められた。

18.3 角膜上皮伸展促進作用

ウサギ角膜片の培養系において、ヒアルロン酸ナトリウムは対照群(培養液のみ)と比較して有意に角膜上皮細胞層の伸展を促進した(in vitro)。

18.4 保水作用

0.1%〜1.0%ヒアルロン酸ナトリウム溶液注)を寒天平板に滴下したとき、水分蒸発による寒天重量の減少は濃度依存的に抑制された(in vitro)。

18.5 生物学的同等性試験

〈ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「センジュ」〉

18.5.1 涙液保持作用

ウサギに本剤あるいはヒアレイン点眼液0.1%をフルオレセインナトリウムとともに単回点眼し、点眼3分後の涙液中フルオレセインナトリウムの蛍光強度を涙液保持作用の指標として比較検討した。その結果、両製剤間における蛍光強度の平均値の差の90%信頼性区間は−0.0514〜0.2662であり、ヒアレイン点眼液0.1%の平均値に対する割合が−1.55〜8.04%と±20%以内であったことから、両剤の生物学的同等性が確認された。

表1

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

             フルオレセインナトリウムの蛍光強度

本剤           3.4198±0.2269

ヒアレイン点眼液0.1% 3.3124±0.3739

平均値±標準偏差、n=10

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18.5.2 角膜乾燥防止作用

ウサギを強制的に開瞼して本剤あるいはヒアレイン点眼液0.1%を点眼し、点眼2時間後の角膜上皮障害の程度を角膜乾燥防止作用の指標として比較検討した。なお、角膜上皮障害の程度はメチレンブルーで障害部位を染色し、その抽出液の吸光度により定量的に求めた。その結果、両製剤間における吸光度の平均値の差の90%信頼性区間は−0.0060〜0.0050であり、ヒアレイン点眼液0.1%の平均値に対する割合が−11.59〜9.64%と±20%以内の範囲であったことから、両剤の生物学的同等性が確認された。

表2

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

             メチレンブルーの吸光度

本剤           0.0510±0.0197

ヒアレイン点眼液0.1% 0.0515±0.0225

平均値±標準偏差、n=20

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〈ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「センジュ」〉

18.5.3 n‐ヘプタノール損傷による角膜創傷モデルに対する治療効果

n‐ヘプタノールにより角膜創傷させたウサギに対して、本剤、ヒアレインミニ点眼液0.3%あるいはControl(生理食塩液)を点眼し、創傷作製時及び24時間後の創傷面積から求めた治癒率を比較検討した。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。

表3

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

               治癒率(%)

本剤             69.5±1.95†

ヒアレインミニ点眼液0.3% 70.2±2.71†

Control(生理食塩液) 60.2±2.58

平均値±標準誤差、n=6

†:p<0.05〔Dunnettの多重比較検定、対Control(生理食塩液)〕

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18.5.4 ドライアイモデルに対する角膜乾燥抑制効果

ウサギのドライアイモデルに対して、本剤、ヒアレインミニ点眼液0.3%あるいはControl(生理食塩液)を点眼し、点眼1時間後、角膜障害部位を染色した。染色した角膜より抽出した液の吸光度から求めた色素量を比較検討した。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。

表4

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−表開始−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

               色素量(μg)

本剤             1.24±0.13†

ヒアレインミニ点眼液0.3% 1.19±0.13†

Control(生理食塩液) 2.49±0.11

平均値±標準誤差、n=7

†:p<0.05〔Dunnettの多重比較検定、対Control(生理食塩液)〕

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注)本剤の承認された濃度は0.1%及び0.3%である。