特徴
幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌活性を持ち
専門医コメント
抗菌薬の使い切り製剤は少ないが、他の薬剤
用法・用量
〈眼科用〉
通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。〈耳科用〉
通常、1回6〜10滴点耳し、約10分間の耳浴を1日2回行う。なお、症状により適宜回数を増減する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
〈耳科用〉4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については漫然と投与しないよう、慎重に行うこと。
適応
【点眼】眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法【点耳】外耳炎、中耳炎
効果・効能
1). 眼科用:眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法。
2). 耳科用:外耳炎、中耳炎。
効果・効能に関連する注意
〈中耳炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
適応菌種
1). 眼科用:ロメフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、バシラス属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス・マルトフィリア(ザントモナス・マルトフィリア)、アシネトバクター属、フラボバクテリウム属、アクネ菌。
2). 耳科用:ロメフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、プロビデンシア属、シュードモナス属、緑膿菌、アシネトバクター属、アルカリゲネス属。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 〈眼科用〉
@. 〈眼科用〉過敏症:(頻度不明)過敏症状、発疹、蕁麻疹。A. 〈眼科用〉眼:(0.1〜1%未満)眼刺激症状(眼がしみる、眼疼痛、眼刺激感)、眼そう痒感、眼瞼炎、結膜炎、(頻度不明)結膜充血、角膜炎、菌交代症。2). 〈耳科用〉
@. 〈耳科用〉過敏症:(頻度不明)過敏症状、発疹。
A. 〈耳科用〉耳:(0.1〜1%未満)耳刺激感、外耳道そう痒感、点耳時耳痛、(頻度不明)一過性聴力低下、菌交代症(真菌交代症等)。
発現頻度は、ロメフロン眼科耳科用液[本剤(ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%)に添加剤としてベンザルコニウム塩化物を含有する製剤]の臨床試験に基づく。
重要な基本的な注意
8.1. 〈投与経路共通〉本剤の投与にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。8.2. 〈眼科用〉眼科用の場合、長期間投与しないこと。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 類似化合物(キノロン系抗菌剤)に対し過敏症の既往歴のある患者:本剤投与後に過敏症を発現するおそれがある。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない〔15.2参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 〈投与経路共通〉使用の際は、開栓時の容器破片除去のため最初の2〜3滴は捨てること。
・ 〈投与経路共通〉シングルユースタイプの製剤で、保存剤を含有しないので、必ず1本で1回の使用に限定し、使用後の容器は廃棄すること。
・ 〈投与経路共通〉アルミ内袋あるいは添付の投薬袋に入れて遮光保存すること。・ 〈投与経路共通〉使用の際は、回転するようにねじって1本を切り離し、開栓は薬液が入っていない部分を持ち、ねじ切ること。
・ 〈眼科用〉点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。・ 〈眼科用〉患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・ 〈眼科用〉他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 〈耳科用〉点耳する際、薬液の温度が低いと眩暈を起こすことが考えられるので、できるだけ体温に近い状態で点耳すること。
取扱い上の注意
アルミ袋開封後は、遮光して保存すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報
経口投与により、動物実験(幼若イヌ、幼若ラット)で関節異常がみられたとの報告がある〔9.7小児等の項参照〕。
保管上の注意
室温保存。
保険給付上の注意・その他
眼科については、本製剤の適応菌種による眼科周術期の無菌化療法に使用した場合に限り算定するものであること。
ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%の使用法
@. 回転するようにねじって切り離すこと。
A. 薬液が入っていない部分を持ち、添付文書の図Aの↑印のところをねじ切ること。B. 使用する前に2〜3滴捨てること。
・ 1本で1回の使用に限定し、使用後の容器は、薬液が残っていても必ず捨てること。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%
有効成分 1mL中 塩酸ロメフロキサシン3.31mg
(ロメフロキサシンとして3mg)
添加剤 濃グリセリン、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤
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3.2 製剤の性状
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販売名 ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%
性状 無色澄明の無菌水性点眼点耳剤
pH 4.5〜5.7
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薬効薬理
18.1 作用機序
細菌のDNAジャイレースに作用し、DNA合成を阻害する。抗菌作用は殺菌的であり、最小殺菌濃度は最小発育阻止濃度とほぼ一致している。
18.2 抗菌作用
18.2.1 抗菌作用
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、バシラス属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、フラボバクテリウム属、アルカリゲネス属アクネ菌に抗菌力を示す(in vitro)。
18.2.2 実験的角膜感染症に対する治療効果
ウサギの角膜実質に緑膿菌あるいは表皮ブドウ球菌の臨床分離株を接種して作成した角膜感染症に対し、ロメフロン眼科耳科用液注)又は対照としてその基剤を点眼した試験では、ロメフロン眼科耳科用液群では角膜感染症状の抑制を示した。
18.2.3 実験的中耳炎に対する治療効果
モルモットの中耳骨胞内に緑膿菌あるいは黄色ブドウ球菌の臨床分離株を接種して作成した中耳炎に対し、ロメフロン眼科耳科用液注)又は対照としてその基剤を中耳骨胞内に注入した試験では、ロメフロン眼科耳科用液群では中耳炎の症状の抑制を示した。
注)本剤(ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%)に添加剤としてベンザルコニウム塩化物を含有する製剤
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 点眼投与後の血中濃度
健康成人(10例)の左右眼の一方にロメフロン眼科耳科用液注1)、他方に0.5%ロメフロキサシン点眼液(ベンザルコニウム塩化物含有)をそれぞれ1回2滴、1日4回14日間反復点眼投与注2)したとき、最終投与後1時間の血中濃度はいずれの被験者も定量下限値(5ng/mL)未満であった。
16.3 分布
16.3.1 点眼投与後の房水中濃度
成人(白内障手術患者)にロメフロン眼科耳科用液注1)を1回1滴、1日5回注2)2日間点眼投与し、さらに、翌日に5分間隔で5回点眼投与したとき、房水中濃度は最終投与後90分に最高濃度を示し、その平均値は2.69μg/mL(n=6)であった。
16.3.2 白色ウサギにおける点眼投与後の眼組織分布
白色ウサギの片眼にロメフロン眼科耳科用液注1)50μLを2回連続して点眼投与したとき、結膜嚢内濃度は投与後5分(1/12時間)から経時的に低下した。
図1 白色ウサギに点眼投与後の結膜嚢内濃度
<<図省略>>
白色ウサギの片眼にロメフロン眼科耳科用液を1回50μL、5分間隔で5回点眼投与したとき、外眼部組織の薬物濃度は角膜で最も高く、次いで、強膜、球結膜、眼瞼の順であった。水晶体及び硝子体中濃度は低く、血清中濃度はさらに低い値を示した。
図2 白色ウサギに点眼投与後の眼組織及び血清中濃度
<<図省略>>
16.3.3 有色ウサギにおける点眼投与後の眼組織分布
有色ウサギの両眼にロメフロン眼科耳科用液注1)を1回50μL、4時間間隔で1日3回14日間点眼投与したとき、最終投与後24時間の眼組織中濃度は、虹彩・毛様体で23.3μg/g、脈絡膜で47.6μg/g、房水で0.016μg/mLであり、メラニン含有組織で高かった。
16.3.4 モルモットにおける中耳腔内投与後の組織分布
モルモットにロメフロン眼科耳科用液注1)0.2mLを中耳腔内(骨胞内)投与したとき、中耳粘膜、外リンパ液、血清及び脳組織中濃度はいずれも、投与後1又は2時間に最高濃度を示した後、時間経過に伴って低下した。
図3 モルモットに中耳腔内投与後の組織中濃度
<<図省略>>
注1)本剤(ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%)に添加剤としてベンザルコニウム塩化物を含有する製剤
注2)本剤の承認された用法及び用量は「通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。」である。