Antaa DI

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モキシフロキサシン点眼液0.5%「サンド」

モキシフロキサシン塩酸塩液

抗菌薬(眼科) >>

特徴

  • 眼内組織への移行率高い。

専門医コメント

昨今、眼科手術前後に抗菌点眼薬を使用しな

用法・用量

〈眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)〉通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。〈眼科周術期の無菌化療法〉

通常、手術前は1回1滴、1日5回、手術後は1回1滴、1日3回点眼する。

禁忌

本剤の成分又はキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

適応

眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

効果・効能

眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法。

効果・効能に関連する注意

5.1. 本剤が適応を有さない菌種による感染が疑われる場合には、原則として起炎菌の確認等を行うことにより、本剤使用の是非を検討することが望ましい。

適応菌種

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、シュードモナス属、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス・マルトフィリア(ザントモナス・マルトフィリア)、アシネトバクター属、アクネ菌。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 眼:(1〜5%未満)眼痛、(1%未満)眼充血、眼刺激、角膜炎、眼異物感、眼瞼紅斑、霧視、(頻度不明)眼瞼炎、結膜炎、眼瞼浮腫、結膜浮腫、眼そう痒症、潰瘍性角膜炎。

2). その他:(1〜5%未満)味覚異常、(1%未満)投与部位異常感覚、(頻度不明)発疹、蕁麻疹、鼻部不快感、咽喉頭疼痛、悪心、紅斑、そう痒症。

重要な基本的な注意

8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。(特定の背景を有する患者に関する注意)

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験で乳汁中に移行することが報告されている)。

小児等

低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない、新生児を対象とした国内臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

患者に対し次の点に注意するよう指導すること。

・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。

・ 点眼に際しては、原則として仰臥位をとり、患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。

・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 モキシフロキサシン点眼液0.5%「サンド」

有効成分 モキシフロキサシン塩酸塩

1mL中含量 5.45mg(モキシフロキサシンとして5mg)

添加剤 ホウ酸、等張化剤、pH調節剤2成分

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3.2 製剤の性状

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販売名 モキシフロキサシン点眼液0.5%「サンド」

pH 6.3〜7.3

浸透圧比 0.9〜1.1(0.9%塩化ナトリウム液に対する比)

性状 淡黄色〜緑黄色澄明の無菌水性点眼液

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薬効薬理

18.1 作用機序

モキシフロキサシンの主な作用機序は、II型トポイソメラーゼ(DNAジャイレース及びトポイソメラーゼIV)を阻害することにより核酸合成を阻害し、抗菌効果を示す。

18.2 抗菌作用

18.2.1 抗菌作用

モキシフロキサシンは幅広い抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、シュードモナス属、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌に対して抗菌力を示した(in vitro)。

18.2.2 実験的眼感染症モデルにおける効果

黄色ブドウ球菌、緑膿菌及びセラチア菌感染ウサギ角膜炎モデルにおいて、モキシフロキサシン点眼液は無治療群に対し、有意に生菌数の減少を認めた。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 反復投与試験

健康成人(日本人n=7)に0.5%モキシフロキサシン点眼液を両眼に1回1滴、1日3回、14日間点眼したときの血漿中モキシフロキサシン濃度を測定したところ、14日目点眼後のCmaxは1.67±0.79ng/mL(平均±SD)であり、Tmaxは0.54±0.34時間(平均±SD)であった。また、健康成人(日本人n=7)に0.5%モキシフロキサシン点眼液を右眼に1回1滴、1日8回、14日間点眼したときの血漿中モキシフロキサシン濃度を測定したところ、14日目点眼後のCmaxは1.95±1.00ng/mL(平均±SD)であり、Tmaxは0.50±0.27時間(平均±SD)であった。

16.3 分布

16.3.1 反復投与試験(涙液薬物動態)

健康成人(外国人n=27)に0.5%モキシフロキサシン点眼液を両眼に1回1滴、1日3回、3日間及び4日目1回1滴、1日1回点眼したときの1日目初回点眼後と4日目最終点眼後の涙液中モキシフロキサシン濃度推移は添付文書の図1のとおりであった。投与8時間後のモキシフロキサシンの平均涙液中濃度は1日目初回点眼後が2.35μg/mL、4日目最終点眼後が1.25μg/mLであった。

図1 健康成人への0.5%モキシフロキサシン点眼液1日目初回点眼後及び4日目最終点眼後の涙液中濃度推移

<<図省略>>

16.3.2 非臨床試験(眼組織分布)

有色ウサギを用いて0.3%モキシフロキサシン点眼液を単回点眼投与したときの房水、角膜及び虹彩・毛様体のCmaxはそれぞれ1.78±0.39μg/g(平均±SD)、12.5±3.8μg/g(平均±SD)及び10.4±5.6μg/g(平均±SD)となり、モキシフロキサシンは眼組織中で高い濃度を示した。また、血漿中への移行は低く、最大血漿中濃度は0.013±0.002μg/g(平均±SD)であった。