Antaa DI

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タリビッド耳科用液0.3%

オフロキサシン液

抗菌薬(耳鼻咽喉科) >>

特徴

  • 第2世代ニューキノロン系点耳薬。

専門医コメント

外用薬は選択肢が少なく、薬剤耐性化のリス

用法・用量

通常、成人に対して、1回6〜10滴を1日2回点耳する。点耳後は約10分間の耳浴を行う。なお、症状により適宜回数を増減する。小児に対しては、適宜滴数を減ずる。

禁忌

本剤の成分又はレボフロキサシン水和物に対し過敏症の既往歴のある患者〔9.1.1参照〕。

用法・用量に関連する注意

4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については、長期投与に伴う真菌の発現や菌の耐性化等に留意し、漫然と投与しないよう慎重に行うこと。

腎機能用量

[内服]

10≦CCr<50:1日1回200mg

CCr<10・透析:1日1回100mg。血液透析患者は血液透析日には血液透析後に投与

適応

外耳炎、中耳炎

効果・効能

外耳炎、中耳炎。

効果・効能に関連する注意

5.1. 〈中耳炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。5.2. 〈中耳炎〉炎症が中耳粘膜に限局している場合に本剤による局所的治療が適用となる(しかし、炎症が鼓室周辺にまで及ぶような場合には、本剤による局所的治療以外、経口剤などによる全身的治療を検討することが望ましい)。

適応菌種

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)過敏症状。

2). 耳:(1%未満)耳痛、(頻度不明)外耳道発赤。3). その他:(頻度不明)頭痛、菌交代症。

重要な基本的な注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. キノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤又はレボフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔2.禁忌の項参照〕。

妊婦・授妊婦

妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. 使用する際の薬液の温度が低いと、めまいを起こすおそれがあるので、使用時には、できるだけ体温に近い状態で使用すること。

14.1.2. 点耳の際、容器の先端が直接耳に触れないように注意すること。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

オフロキサシンの経口投与により、動物実験(幼若犬、幼若ラット)で関節異常が認められている。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 有効成分 添加剤

タリビッド耳科用液0.3% 1mL中オフロキサシン(日局)3.0mg 塩化ナトリウム、ベンザルコニウム塩化物、希塩酸、水酸化ナトリウム

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3.2 製剤の性状

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販売名 性状 pH 浸透圧比

タリビッド耳科用液0.3% 微黄色〜淡黄色澄明の液 6.0〜7.0 1.0〜1.2

無菌製剤 (生理食塩液対比)

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薬効薬理

18.1 作用機序

オフロキサシンは、細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVに作用し、DNA複製を阻害する。抗菌作用は殺菌的であり、MIC濃度において溶菌が認められた(in vitro)。

18.2 抗菌作用

オフロキサシンは、グラム陽性菌群及びグラム陰性菌群に対し広範囲な抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌を含む外耳炎、中耳炎病巣由来菌株に対し、抗菌活性を示した(in vitroあるいはマウス)。

薬物動態

16.1 血中濃度

成人患者3例の中耳腔内に0.3%オフロキサシン水溶液を1回10滴、1日2回、計14回点耳・耳浴した場合、30分後の血清中濃度は0.009〜0.012μg/mLと低値であった。また、小児患者3例の中耳腔内に0.3%オフロキサシン水溶液5滴を単回点耳・耳浴した場合、120分後までの血清中濃度は0.013μg/mL以下と低値であった。

16.3 分布

成人患者1例の中耳腔内に0.3%オフロキサシン水溶液を1回10滴、1日2回、計19回点耳・耳浴した場合、90分後の中耳粘膜中濃度は19.5μg/g、また、成人患者3例に0.1%オフロキサシン水溶液10滴を単回点耳・耳浴した場合、30分後の耳漏中濃度は107〜610μg/mLと高値を示した。

16.4 代謝

モルモットに0.3%14C‐オフロキサシン水溶液を中耳腔内に単回投与し、投与後0〜24時間での尿中代謝物を検討した結果、未変化体が大部分(87%)であり、脱メチル体、N‐オキサイド、グルクロン酸抱合体が僅かに認められた。

16.5 排泄

モルモットに0.3%14C‐オフロキサシン水溶液を中耳腔内に単回投与し、尿及び糞中への放射能排泄を検討した結果、投与後72時間までに投与量の約90%が尿中に排泄され、糞中への排泄は僅かであった。

16.8 その他

16.8.1 オフロキサシンの経口投与は、フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用で痙攣を起こすおそれがある。しかし、本剤の点耳・耳浴による局所投与の場合には、最高血清中濃度が経口投与の場合に比較して1/100程度と低値であり、これら消炎鎮痛剤との併用で痙攣が誘発される可能性はほとんどないと推定された。

16.8.2 小児に対するオフロキサシンの経口投与は、幼若動物で関節異常が認められており、安全性が確立していないので禁忌である。しかし、本剤の点耳・耳浴による局所投与の場合には、最高血清中濃度が経口投与の場合に比較して1/100程度と低値であり、小児を対象とした臨床試験においても安全性が認められた。

注)本剤の承認用量は、1回6〜10滴を1日2回(成人)である。