特徴
CAPD(持続的外来腹膜透析)施行中の患
専門医コメント
実臨床で使用されているケースは少ない。
用法・用量
通常、成人にはマニジピン塩酸塩として10〜20mgを1日1回朝食後に経口投与する。但し、1日5mgから投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。
禁忌
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物試験(ラット)で妊娠期間延長及び分娩時間延長することが報告されている]。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
高血圧症
効果・効能
高血圧症。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.重大な副作用
1).過度の血圧低下による一過性の意識消失、脳梗塞(いずれも頻度不明):過度の血圧低下による一過性意識消失、脳梗塞等が現れることがある。2).無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明):無顆粒球症、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).心室性期外収縮、上室性期外収縮(いずれも頻度不明):心室性期外収縮、上室性期外収縮が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
4).紅皮症(頻度不明):紅皮症が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
2.その他の副作用(頻度不明)
1).肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇、ビリルビン上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
2).腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う]。
3).血液:好酸球増多。
4).過敏症:発疹、そう痒、光線過敏症[このような場合には投与を中止する]。5).口腔:歯肉肥厚[このような場合には投与を中止する]。6).循環器:顔のほてり、顔面潮紅、熱感、動悸、頻脈、結膜充血、胸部痛。7).精神神経系:眩暈、立ちくらみ、頭痛、頭重感、しびれ感、不眠、眠気、パーキンソン様症状増悪又はパーキンソン様症状顕性化。
8).消化器:悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胸やけ、腹痛、腹部膨満感、便秘、口渇、下痢、味覚異常、口内炎。
9).筋・骨格系:筋肉痛、肩こり、筋痙攣、CK上昇(CPK上昇)。10).その他:全身倦怠感、脱力感、浮腫、頻尿、血清総コレステロール上昇、尿酸上昇、トリグリセリド上昇、*乳び腹水(腎不全患者に投与した場合)、*女性化乳房[*:このような場合には投与を中止する]、息切れ、咳、発汗、血清カリウム低下。
慎重投与
1.重篤な肝機能障害のある患者[本剤の代謝及び排泄が遅延する恐れがある]。2.高齢者。
重要な基本的な注意
1.カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意する。
2.まれに過度の血圧低下を起こし、一過性意識消失、脳梗塞等が現れることがあるので、このような場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行う。3.降圧作用に基づく眩暈等が現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
相互作用
併用注意:
1.他の降圧剤[相互に作用を増強する恐れがある(相加的あるいは相乗的に作用を増強することが考えられている)]。
2.ジゴキシン[他のカルシウム拮抗剤<ニフェジピン等>がジゴキシンの血中濃度を上昇させることが報告されている(ジゴキシンの排泄が阻害され、血中濃度が上昇することが考えられている)]。
3.シメチジン[他のカルシウム拮抗剤<ニフェジピン等>の作用が増強することが報告されている(シメチジンがカルシウム拮抗剤の肝での代謝を抑制すること、又は、シメチジンが胃酸分泌を抑制して消化管のpHを上昇させ、カルシウム拮抗剤の吸収を増加させることが考えられている)]。
4.リファンピシン[本剤の作用が減弱することがある(リファンピシンが肝薬物代謝酵素を誘導し、カルシウム拮抗剤の代謝を促進することが考えられている)]。5.グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度が上昇することが報告されている(グレープフルーツ中の成分が、本剤の肝薬物代謝酵素であるCYP3A4を阻害することが考えられている)]。
高齢者
高齢者への投与
高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する[一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こる恐れがある)]。
妊婦・授妊婦
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[動物試験(ラット)で妊娠期間延長及び分娩時間延長することが報告されている]。
2.授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている]。
小児等
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
取扱い上の注意
1.保管方法:遮光、防湿。
2.安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、マニジピン塩酸塩錠10・20mg「YD」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
その他の注意
CAPD(持続的外来腹膜透析)施行中の患者の透析排液が白濁することがあり、透析排液中にトリグリセリド等脂質の増加が認められたとの報告があるので、腹膜炎等との鑑別に留意する。
保管上の注意
遮光、気密容器。
組成・性状
1.組成
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」
1錠中、マニジピン塩酸塩10mgを含有する。
添加物として、乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、リボフラビンを含有する。
2.性状
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」
淡黄色の割線入りの素錠である。
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外形 直径(mm) 厚さ(mm) 重量(mg) 識別コード(PTP)
表 裏 側面
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> 約7 約2.9 150 YD 520
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薬物動態
マニジピン塩酸塩錠5mg「YD」
生物学的同等性試験
マニジピン塩酸塩錠5mg「YD」と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(マニジピン塩酸塩として10mg)、健康成人男子20名に絶食単回経口投与して血漿中マニジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
マニジピン塩酸塩錠5mg「YD」 13.0±1.5 3.15±1.14 2.2±0.5 4.9±2.3
標準製剤(錠剤、5mg) 12.9±1.6 3.00±0.59 2.1±0.2 4.3±1.1
(平均値±標準偏差、n=20)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」
(1)生物学的同等性試験
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(マニジピン塩酸塩として20mg)、健康成人男子19名に絶食単回経口投与して血漿中マニジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」 23.1±14.7 5.13±3.46 1.7±0.7 5.6±1.9
標準製剤(錠剤、10mg) 22.9±12.1 5.18±2.93 1.8±0.8 5.3±1.2
(平均値±標準偏差、n=19)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)溶出挙動
マニジピン塩酸塩錠10mg「YD」は、日本薬局方医薬品各条に定められたマニジピン塩酸塩錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
マニジピン塩酸塩錠20mg「YD」
生物学的同等性試験
マニジピン塩酸塩錠20mg「YD」と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(マニジピン塩酸塩として20mg)、健康成人男子24名に絶食単回経口投与して血漿中マニジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
マニジピン塩酸塩錠20mg「YD」 15.5±7.5 3.49±2.09 1.9±0.9 5.0±1.9
標準製剤(錠剤、20mg) 15.1±5.7 3.47±1.34 1.8±0.8 4.9±1.4
(平均値±標準偏差、n=24)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。