Antaa DI

drug

ロサルタンK錠50mg「明治」

ロサルタンカリウム錠

ARB >>

特徴

  • ARB降圧力:アジルサルタン20mg(ア

専門医コメント

本剤はアンジオテンシン受容体拮抗薬(以下

用法・用量

〈高血圧症〉

通常、成人にはロサルタンカリウムとして25〜50mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日100mgまで増量できる。〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉通常、成人にはロサルタンカリウムとして50mgを1日1回経口投与する。なお、血圧値をみながら1日100mgまで増量できる。ただし、過度の血圧低下を起こすおそれのある患者等では25mgから投与を開始する。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。2.3. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.4. アリスキレン投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔10.1参照〕。

用法・用量に関連する注意

〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉本剤を投与後、前回の検査値と比較して血清クレアチニン値30%以上増加(あるいは血清クレアチニン値1mg/dL以上増加)した場合、及び糸球体ろ過値、1/血清クレアチニン値の勾配等で評価した腎機能障害の進展速度が加速された場合は、減量あるいは投与中止を考慮すること。

腎機能用量

CCr<60:腎機能正常者と同量を慎重投与(低用量から開始)

適応

高血圧症、高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病の糖尿病性腎症

効果・効能

1). 高血圧症。

2). 高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症。

効果・効能に関連する注意

〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉高血圧を合併しない及び蛋白尿を合併しない(尿中アルブミン/クレアチニン比300mg/g以上を合併しない)患者における本剤の有効性及び安全性は確認されていない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがある。

11.1.2. 血管浮腫(頻度不明):顔面腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹、舌腫脹等の腫脹があらわれることがある。

11.1.3. 急性肝炎又は劇症肝炎(いずれも頻度不明)。11.1.4. 腎不全(頻度不明)。

11.1.5. ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明):冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔9.1.4、9.2.2、10.2参照〕。

11.1.6. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.7. 高カリウム血症(頻度不明)。

11.1.8. 不整脈(頻度不明):心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがある。

11.1.9. 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)。11.1.10. 低血糖(頻度不明):脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)。

11.1.11. 低ナトリウム血症(頻度不明):倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、めまい、不眠、浮遊感、(頻度不明)耳鳴、眠気。

2). 循環器系:(0.1〜5%未満)低血圧、起立性低血圧、胸痛、(頻度不明)調律障害(頻脈等)、動悸。

3). 消化器:(0.1〜5%未満)口角炎、嘔吐・嘔気、胃不快感、胃潰瘍、(頻度不明)口内炎、下痢、口渇。

4). 肝臓:(0.1〜5%未満)肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等)、(頻度不明)黄疸。

5). 腎臓:(0.1〜5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇。6). 皮膚:(0.1〜5%未満)発疹、皮膚そう痒、(頻度不明)蕁麻疹、多形紅斑、光線過敏、紅皮症、紅斑。

7). 血液:(0.1〜5%未満)赤血球減少、ヘマトクリット低下、好酸球増多、(頻度不明)貧血。

8). その他:(0.1〜5%未満)ほてり、倦怠感、無力症/疲労、浮腫、筋肉痛、総コレステロール上昇、CK上昇、血中尿酸値上昇、(頻度不明)咳嗽、発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状(眼のかすみ、眼異和感等)、関節痛、筋痙攣、女性化乳房、勃起不全。

慎重投与

1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。2.高カリウム血症の患者。

3.重篤な腎機能障害のある患者[高カリウム血症が現れやすく、また、腎機能の悪化が起きる恐れがあるので、血清クレアチニンが2.5mg/dL以上の場合には、投与量を減らすなど慎重に投与する]。

4.肝機能障害又はその既往のある患者[外国において、健康成人と比較して軽・中等度のアルコール性肝硬変患者ではロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている]。5.脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させる恐れがある]。

6.体液量が減少している患者(利尿降圧剤投与中、厳重な減塩療法中、血液透析中)。7.高齢者。

重要な基本的な注意

8.1. 〈効能共通〉一過性血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施すること。

8.2. 〈効能共通〉降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。8.3. 〈効能共通〉手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある)。

8.4. 〈効能共通〉本剤を含むアンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中にまれに肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。8.5. 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉貧血があらわれやすいので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

8.6. 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉血清カリウム上昇及び血清クレアチニン上昇があらわれやすいので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血清カリウム値及び血清クレアチニン値のモニタリングを実施すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。

9.1.2. 高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること〔9.2.1参照〕。9.1.3. 脳血管障害のある患者:過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。

9.1.4. 厳重な減塩療法中の患者:本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと(一過性血圧低下を起こすおそれがある)〔11.1.5参照〕。(腎機能障害患者)

9.2.1. 重篤な腎機能障害(血清クレアチニン2.5mg/dL以上)のある患者:投与量を減らすなど慎重に投与すること(高カリウム血症があらわれやすく、また、腎機能の悪化が起きるおそれがある)〔9.1.2参照〕。

9.2.2. 血液透析中の患者:本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと(一過性血圧低下を起こすおそれがある)〔11.1.5、16.6.2参照〕。

肝機能障害患者

9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと〔2.3、9.3.2参照〕。9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往のある患者:外国において、健康成人と比較して軽・中等度のアルコール性肝硬変患者ではロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている〔9.3.1参照〕。

生殖能を有する者

9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されているので、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること〔9.5妊婦の項参照〕。(1). 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性の場合、本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。(2). 妊娠する可能性のある女性:次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。

・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。

・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。

・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

相互作用

本剤は、薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)及び3A4(CYP3A4)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝される。10.1. 併用禁忌:

アリスキレン<ラジレス>(糖尿病患者に使用する場合(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く))〔2.4参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。10.2. 併用注意:

1). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤(塩化カリウム<補給剤>)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、トリメトプリム含有製剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)[血清カリウム上昇、高カリウム血症を起こすおそれがある(カリウム貯留作用が増強するおそれがあるので、腎機能障害のある患者には特に注意し、また、本剤とアンジオテンシン変換酵素阻害剤及びカリウム保持性利尿剤の3剤併用の場合には特に注意すること)]。

2). 利尿降圧剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)〔11.1.5参照〕[一過性の血圧低下を起こすおそれがあるので、本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと(利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい)]。

3). アリスキレン[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)。eGFRが60mL/min/1.73u未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。

4). アンジオテンシン変換酵素阻害剤[急性腎障害・高カリウム血症のリスクが増加するとの報告があり、また、低血圧を起こすおそれがある(レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。

5). 非ステロイド性消炎鎮痛剤:

@. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[降圧作用が減弱されるおそれがある(プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある)]。

A. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)[腎機能悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。

6). リチウム(炭酸リチウム)[リチウム中毒が報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること(本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている)]。

7). グレープフルーツジュース[降圧作用が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること(グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用によりロサルタンの活性代謝物の血中濃度が低下するため、本剤の降圧作用が減弱されるおそれがある)]。

高齢者

9.8.1. 一般に生理機能が低下しているので、患者の状態に注意すること。9.8.2. 低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある)。9.8.3. 高齢者での体内薬物動態試験で、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高かった〔16.6.3参照〕。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること(妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面奇形、肺低形成等があらわれたとの報告がある)〔2.2、9.4.1参照〕。

授乳婦

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。ラットの周産期及び授乳期に10〜100mg/kg/日投与した試験において、100mg/kg/日で産仔死亡の軽度の増加が認められ、また、各投与群で産仔低体重が認められ、本試験の無毒性量は追加試験の成績から5mg/kg/日であった。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 有効成分(1錠中) 添加剤

ロサルタンK錠50mg「明治」 日局ロサルタンカリウム 50mg 乳糖水和物、結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、カルナウバロウ

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3.2 製剤の性状

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販売名 剤形 色 外形

表 裏 側面

ロサルタンK錠50mg「明治」 割線入りフィルムコーティング錠 白色 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>>

直径(mm) 厚さ(mm) 重量(mg)

7.6 3.3 153

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薬効薬理

18.1 作用機序

ロサルタンカリウムは経口投与後速やかに吸収され、その一部が主代謝物であるカルボン酸体に変換される。ロサルタン及びカルボン酸体は、いずれも生理的昇圧物質であるアンジオテンシンII(A‐II)に対して、その受容体において特異的に拮抗し、降圧効果を発揮する。

18.2 アンジオテンシン受容体拮抗作用

18.2.1 A‐II受容体にはサブタイプが知られており、ロサルタン及びカルボン酸体は、AT1受容体と選択的に結合し、A‐IIの生理作用を阻害するが、アゴニスト作用は示さない。ブラジキニン分解酵素であるACE(キニナーゼII)には直接の影響を及ぼさない。

18.2.2 実験動物(ラット等)に対する外因性A‐II昇圧反応を抑制する。

18.3 降圧作用

ロサルタンカリウム及びカルボン酸体は高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、高血圧自然発症イヌ、脳卒中易発症高血圧自然発症ラット等の高血圧モデル動物において、血圧を下降させ、投与中安定した降圧効果を示す。また、血圧の下降に伴う心拍数の増加を認めず、投与中止に伴う血圧のリバウンド現象は生じない。

18.4 腎保護作用

ロサルタンは腎の輸出細動脈を拡張させ、糸球体内圧を低下させることにより糸球体への過剰負荷を改善する。また、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(インスリン依存性糖尿病モデル)、自然発症インスリン非依存性糖尿病マウス、5/6腎切除ラット等、糖尿病及び非糖尿病性の腎障害モデル動物において尿中蛋白排泄量の増加並びに腎組織障害を抑制する。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

健康成人にロサルタンカリウム25及び50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度はそれぞれ投与約1時間及び約3時間でピークに達し、半減期は約2時間及び約4時間であり、カルボン酸体のAUC(血漿中濃度曲線下面積)はロサルタンの約7倍であった。

16.1.2 反復投与

健康成人にロサルタンカリウム100mgを1日1回7日間連続経口投与した場合の血漿中濃度から、ロサルタン及びカルボン酸体の蓄積性は認められなかった。

16.1.3 生物学的同等性試験

ロサルタンK錠50mg「明治」とニューロタン錠50mg又はロサルタンK錠100mg「明治」とニューロタン錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ロサルタンカリウムとして50mg又は100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、AUCはlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、またCmaxの対数値の平均値の差はlog(0.90)〜log(1.11)の範囲内であり、かつ溶出試験における溶出挙動に類似性が認められたことから、両剤の生物学的同等性が確認された。また、ロサルタンの活性代謝物であるカルボン酸体の血漿中濃度を測定し、薬物動態を確認したところ、両剤で同様な結果が得られた。

図1 50mg錠投与時の血漿中ロサルタン濃度推移

<<図省略>>

図2 100mg錠投与時の血漿中ロサルタン濃度推移

<<図省略>>

表1 薬物動態パラメータ

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                 被験者数 判定パラメータ                    参考パラメータ

                      AUCt(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr)  T1/2(hr)

ロサルタンK錠50mg「明治」  44   466.4±182.1    293.2±175.8 1.44±1.07 2.06±0.36

ニューロタン錠50mg      44   480.4±180.4    265.8±141.1 1.31±0.69 2.01±0.42

ロサルタンK錠100mg「明治」 24   915.4±310.7    686.9±386.7 1.45±0.65 1.96±0.52

ニューロタン錠100mg     24   900.5±296.6    715.8±368.8 1.35±0.61 2.00±0.54

Mean±S.D.

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図3 50mg錠投与時の血漿中カルボン酸体濃度推移

<<図省略>>

図4 100mg錠投与時の血漿中カルボン酸体濃度推移

<<図省略>>

表2 カルボン酸体薬物動態パラメータ

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                 被験者数 判定パラメータ                     参考パラメータ

                      AUCt(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL)  Tmax(hr)  T1/2(hr)

ロサルタンK錠50mg「明治」  44   3598.5±862.6   521.0±183.6  3.49±1.32 4.73±0.49

ニューロタン錠50mg      44   3630.4±858.4   516.4±171.1  3.43±0.95 4.73±0.49

ロサルタンK錠100mg「明治」 24   7508.1±1837.8  1449.7±488.4 2.74±1.26 4.62±0.44

ニューロタン錠100mg     24   7334.1±1626.0  1489.0±459.7 2.38±0.71 4.62±0.36

Mean±S.D.

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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人にロサルタンカリウム100mgを食後及び空腹時に1回経口投与した場合、吸収速度は食後投与で低下したが、吸収量の減少は僅かであった。

16.4 代謝

健康成人にロサルタンカリウム25、50、100又は200mg注)を1回経口投与した場合、速やかに吸収され、主に肝臓において主代謝物であるカルボン酸体(イミダゾール環の5‐ヒドロキシメチル基の酸化物)に変換される。

16.5 排泄

健康成人にロサルタンカリウム25、50、100又は200mg注)を1回経口投与した場合、投与後30時間までのロサルタン及びカルボン酸体の尿中排泄率は各投与量のそれぞれ3.2〜4.1%及び6.1〜7.9%であった。

16.6 特定の背景を有する患者

16.6.1 腎障害患者

腎障害を伴う高血圧症患者に、ロサルタンカリウム50mgを食後1回経口投与した場合、血清クレアチニン値の高い群ほどロサルタン並びにカルボン酸体の最高血漿中濃度(Cmax)及びAUCは大きな値を示した。血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の群では1.5mg/dL未満の群に比較してロサルタンのCmax及びAUCは2.4及び2.2倍に、カルボン酸体では1.6及び2.0倍の値を示した。

16.6.2 透析患者

高血圧症を伴う透析患者に、ロサルタンカリウム50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタンのCmax及びAUCはいずれも増加し、健康成人男子と比較してロサルタンのCmax及びAUCはそれぞれ約2及び3〜4倍の値を示した。

透析患者にロサルタンを投与したとき、ロサルタン及びカルボン酸体は透析により血漿中から除去されないことが報告されている(外国人データ)。[9.2.2参照]

16.6.3 高齢者

健康高齢者及び健康非高齢者に、ロサルタンカリウム50mgを空腹時に1回経口投与した場合、高齢者ではロサルタンのAUCは非高齢者の約2倍を示した。一方、高齢者におけるカルボン酸体のAUCは、非高齢者に比べて約27%の軽度な増加であった。[9.8.3参照]

16.8 その他

ロサルタンK錠25mg「明治」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、ロサルタンK錠50mg「明治」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

注)本剤の承認された1回用量は25〜100mgである。