特徴
ARB降圧力:アジルサルタン20mg(ア
専門医コメント
本剤はアンジオテンシン受容体拮抗薬(以下
用法・用量
通常、成人にはオルメサルタン メドキソミルとして10〜20mgを1日1回経口投与する。なお、1日5〜10mgから投与を開始し、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は40mgまでとする。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。2.3. アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔10.1参照〕。
腎機能用量
CCr<60:腎機能正常者と同量を慎重投与(低用量から開始)
適応
高血圧症
効果・効能
高血圧症。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血管浮腫(頻度不明):顔面腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹、舌腫脹等が症状としてあらわれることがある。
11.1.2. 腎不全(頻度不明)。
11.1.3. 高カリウム血症(頻度不明)。
11.1.4. ショック(頻度不明)、失神(頻度不明)、意識消失(頻度不明):冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔9.1.4、9.2.2、10.2参照〕。
11.1.5. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがある〔8.1参照〕。11.1.6. 血小板減少(頻度不明)。
11.1.7. 低血糖(頻度不明):脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)。
11.1.8. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.9. アナフィラキシー(頻度不明):そう痒感、全身発赤、血圧低下、呼吸困難等が症状としてあらわれることがあり、アナフィラキシーショックを起こしたとの報告もある。
11.1.10. 重度の下痢(頻度不明):長期投与により、体重減少を伴う重度下痢があらわれることがあり、生検により腸絨毛萎縮等が認められたとの報告がある。11.1.11. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1%未満)発疹、(頻度不明)そう痒。2). 血液:(1〜5%未満)赤血球数減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、(1%未満)白血球数増加、血小板数減少、(頻度不明)貧血。3). 精神神経系:(1〜5%未満)めまい、立ちくらみ、ふらつき感、(1%未満)頭痛、頭重感、眠気。
4). 消化器:(1%未満)軟便、(頻度不明)下痢、嘔気・嘔吐、口渇、口内炎、胃部不快感、便秘、腹痛。
5). 循環器:(頻度不明)心房細動、動悸、ほてり、胸痛。6). 肝臓:(1〜5%未満)ALT上昇、AST上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、(1%未満)ALP上昇。
7). 泌尿器:(1〜5%未満)BUN上昇、(1%未満)血清クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、尿沈渣陽性、(頻度不明)頻尿。
8). その他:(1〜5%未満)CK上昇、CRP上昇、トリグリセリド上昇、血清カリウム上昇、尿酸上昇、(1%未満)全身倦怠感、咳嗽、(頻度不明)浮腫、異常感(浮遊感、気分不良等)、胸部不快感、筋肉痛、脱力感、疲労、しびれ、味覚異常、脱毛。
慎重投与
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者。2.高カリウム血症の患者。
3.重篤な腎機能障害のある患者[腎機能を悪化させる恐れがあり、血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上の患者での十分な使用経験はないので、このような患者に対しては状態を観察しながら慎重に投与する]。
4.肝機能障害のある患者[外国において、軽度又は中等度の肝機能障害患者でオルメサルタンの血漿中濃度(AUC)が、健康な成人と比較してそれぞれ1.1倍と1.7倍に上昇することが報告されている]。
5.脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させる恐れがある]。
6.高齢者。
重要な基本的な注意
8.1. 本剤を含むアンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中に重篤な肝機能障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.2. 手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン−アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある)。
8.3. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。
9.1.2. 高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
9.1.3. 脳血管障害のある患者:過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。
9.1.4. 厳重な減塩療法中の患者:低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある)〔11.1.4参照〕。(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎機能障害(血清クレアチニン値3.0mg/dL以上)のある患者:これらの患者を対象とした有効性及び安全性を検討する臨床試験は実施していない(腎機能を悪化させるおそれがある)〔16.6.1参照〕。9.2.2. 血液透析中の患者:低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがある)〔11.1.4参照〕。(肝機能障害患者)
軽度又は中等度の肝機能障害<Child−Pugh分類スコア:5〜9>患者でオルメサルタンの血漿中濃度が上昇することが報告されている〔16.6.2参照〕。(生殖能を有する者)
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されているので、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること〔9.5妊婦の項参照〕。(1). 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性の場合、本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。(2). 妊娠する可能性のある女性:次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
相互作用
10.1. 併用禁忌:
アリスキレンフマル酸塩<ラジレス>(糖尿病患者に使用する場合(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く))〔2.3参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。10.2. 併用注意:
1). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤(塩化カリウム<補給剤>等)[血清カリウム値が上昇することがある(本剤のアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある<危険因子>腎機能障害のある患者)]。
2). 利尿降圧剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)〔11.1.4参照〕[一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい)]。
3). リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウム中毒が起こるおそれがある(明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、本剤がナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる)]。4). アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)。eGFRが60mL/min/1.73u未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。5). アンジオテンシン変換酵素阻害剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
6). 非ステロイド性消炎鎮痛剤:
@. 非ステロイド性消炎鎮痛剤[降圧作用が減弱するおそれがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある)]。
A. 非ステロイド性消炎鎮痛剤[腎機能を悪化させるおそれがある(プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる)]。
高齢者
開始用量を遵守し、慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること(妊娠中期及び末期にアンジオテンシン2受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺形成不全等があらわれたとの報告がある)〔2.2、9.4.1参照〕。
授乳婦
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)の5mg/kg/日で乳汁中への移行が認められている。動物実験(ラット周産期及び授乳期経口投与)の200mg/kg/日で出生仔腎盂拡張を伴う出生仔死亡及び出生仔体重減少が、8mg/kg/日で出生仔体重増加抑制及び生後分化遅延が認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意
本剤をメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること。
14.2. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
取扱い上の注意
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 有効成分 添加剤
オルメサルタン錠40mg「ニプロ」 1錠中 日本薬局方 オルメサルタン メドキソミル 40mg 乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸カルシウム
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3.2 製剤の性状
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販売名 性状* 外形・大きさ
直径(mm) 厚さ(mm) 重量(mg)
オルメサルタン錠40mg「ニプロ」 白色の割線入り素錠 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>>
9.5 3.5 320
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*においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。
薬効薬理
18.1 作用機序
オルメサルタン メドキソミルはプロドラッグであり、生体内で活性代謝物であるオルメサルタンに変換され、アンジオテンシンII(AII)タイプ1(AT1)受容体に選択的に作用してAIIの結合を競合的に阻害し、昇圧系であるAIIの薬理作用を抑制する。
18.2 アンジオテンシンII受容体拮抗作用
オルメサルタンのAT1受容体拮抗作用をヒトAT1受容体への125I‐AII結合阻害で検討したところ、50%阻害濃度(IC50値)は1.3nMであった(in vitro)。また、オルメサルタンはウサギ及びモルモットの摘出血管において、AIIによる収縮反応を抑制し、その抑制作用は薬物除去後も持続的であった。ラット及びイヌにおいて、オルメサルタン メドキソミルは、経口投与によりAIIによる昇圧反応を持続的に抑制した。
18.3 降圧作用
18.3.1 オルメサルタン メドキソミルは経口投与により、腎性高血圧ラット、高血圧自然発症ラット、正常血圧ラットの順に強い降圧作用を示したが、心拍数に影響を与えなかった。
18.3.2 オルメサルタン メドキソミルを高血圧自然発症ラットに24週間反復経口投与すると、耐性を生じることなく安定した降圧作用を示し、反射性の頻脈も認められなかった。また、14日間反復経口投与後、休薬してもリバウンドは認められなかった。
18.3.3 オルメサルタンを高血圧自然発症ラットに静脈内投与すると総末梢血管抵抗が減少し、腎血管抵抗の減少が認められた。血圧は下降したが、心拍数に変化はなく、心拍出量は増大した。従って、オルメサルタンの降圧作用は全身血管の拡張に基づく総末梢血管抵抗の減少によるものと考えられる。
18.3.4 オルメサルタン メドキソミルを高血圧自然発症ラットに20週間反復経口投与すると、血圧の下降とともに尿中蛋白排泄及びアルブミン排泄量の減少が認められ、腎臓の病理所見の改善も認められた。
18.3.5 オルメサルタン メドキソミルを高血圧自然発症ラットに8週間反復経口投与すると、血圧の下降とともに心重量の低下及び心筋線維径の減少が認められ、心肥大を抑制することが確認された。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康な成人男性24例にオルメサルタン メドキソミル5mg、10mg、20mg及び40mgを空腹時単回経口投与したとき、オルメサルタンの血漿中濃度は速やかに上昇し、投与1.7〜2.2時間後に最高に達した。Cmax及びAUCは投与量に従い増加した。
オルメサルタン メドキソミル単回経口投与時のオルメサルタンの薬物動態パラメータ
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投与量 例数 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr) AUC(ng・hr/mL)
5mg 6 152±31 1.8±0.4 8.7±1.2 892±191
10mg 6 277±46 1.7±0.5 10.2±1.8 1,576±244
20mg 6 481±117 2.2±0.4 11.0±3.8 2,903±915
40mg 6 1,006±152 1.7±0.5 10.6±4.7 5,807±1,142
mean±SD
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16.1.2 反復投与
本態性高血圧症患者にオルメサルタン メドキソミル10mg(20例)及び20mg(19例)を14日間、40mg(10例)を7日間反復経口投与したところ、最終日のオルメサルタンの薬物動態学的パラメータは、次のとおりであった。
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投与量 例数 Cmax注3)(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr) AUC注3)(ng・hr/mL)
10mg注1) 20 285.1(0.253) 2.2±0.8 6.5±0.9 1,981.2(0.234)
20mg注1) 19 496.0(0.300) 2.5±1.1 6.3±0.8 3,288.9(0.254)
40mg注2) 10 1,008.5(0.267) 2.6±1.0 6.0±1.0 7,848.0(0.301)
mean±SD
注1)14日間投与
注2)7日間投与
注3)幾何平均値(対数変換後の標準偏差)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
健康な成人男性27例にオルメサルタン メドキソミル10mg、20mg及び40mgを1日1回7日間反復経口投与したときの血漿中オルメサルタン濃度を検討したところ、速やかに定常状態に達し、蓄積性はほとんど認められなかった。
16.1.3 生物学的同等性試験
〈オルメサルタン錠10mg「ニプロ」〉
オルメサルタン錠10mg「ニプロ」とオルメテック錠10mgのそれぞれ1錠(オルメサルタン メドキソミルとして10mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(オルメサルタン)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→48hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48hr(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
オルメサルタン錠10mg「ニプロ」 2377.39±563.78 387.56±83.21 1.8±0.5 8.5±1.1
オルメテック錠10mg 2287.29±523.31 374.78±87.58 1.8±0.5 8.3±1.0
(Mean±S.D.、n=20)
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血漿中オルメサルタン濃度推移
<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈オルメサルタン錠20mg「ニプロ」〉
オルメサルタン錠20mg「ニプロ」とオルメテック錠20mgのそれぞれ1錠(オルメサルタン メドキソミルとして20mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(オルメサルタン)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→48hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48hr(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
オルメサルタン錠20mg「ニプロ」 4351.16±965.44 699.35±152.48 1.9±0.7 8.2±0.8
オルメテック錠20mg 4470.12±634.35 677.29±112.34 2.1±0.5 8.0±0.7
(Mean±S.D.、n=20)
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血漿中オルメサルタン濃度推移
<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈オルメサルタン錠40mg「ニプロ」〉
オルメサルタン錠40mg「ニプロ」とオルメテック錠40mgのそれぞれ1錠(オルメサルタン メドキソミルとして40mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(オルメサルタン)濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→48hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→48hr(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
オルメサルタン錠40mg「ニプロ」 8282.10±1836.21 1179.49±280.12 2.3±1.1 8.1±1.1
オルメテック錠40mg 8434.70±1662.19 1164.52±258.78 2.1±0.6 8.6±1.5
(Mean±S.D.、n=18)
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血漿中オルメサルタン濃度推移
<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康な成人男性12例にオルメサルタン メドキソミル20mgを空腹時、低脂肪食摂取30分後あるいは高脂肪食摂取30分後に単回経口投与したとき、それぞれのオルメサルタンのCmax及びAUCにはほとんど差はなく、食事の影響は認められなかった。
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康な成人男性24例にオルメサルタン メドキソミル20mgを空腹時単回経口投与又はオルメサルタン16.2mgを静脈内に単回投与し、絶対バイオアベイラビリティを求めた結果、25.6%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血清蛋白結合率(限外濾過法)
オルメサルタンの血清蛋白結合率は99%と高く、主にアルブミンのワルファリンサイトに結合する(in vitro)が、ワルファリンとの併用試験でワルファリンの薬物動態に影響がなく血液凝固系に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.4 代謝
オルメサルタン メドキソミルは、経口投与後、主に小腸上皮、肝臓又は血漿においてエステラーゼによる加水分解を受け、活性代謝物のオルメサルタンに代謝される。血漿中にはオルメサルタンのみが認められ、その他の代謝物は存在しない。ヒト肝ミクロソームを用い、チトクロームP450分子種7種類(1A1&2、2A6、2C19、2C8&9、2D6、2E1、3A4)の活性について、オルメサルタンによる阻害率を検討したところ、臨床用量で想定される血漿中濃度ではいずれの分子種もほとんど阻害しなかった。また、ヒト培養肝細胞にて、オルメサルタン メドキソミルによるチトクロームP450の誘導は認められなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康な成人男性に14C‐オルメサルタン メドキソミル20mgを単回経口投与したところ、投与した総放射能の12.6%(240時間後まで)が尿中に、77.2%(312時間後まで)が糞中に排泄された(外国人データ)。
健康な成人男性24例にオルメサルタン メドキソミル5mg、10mg、20mg及び40mgを空腹時単回経口投与したとき、投与48時間までに尿中にオルメサルタンが11.6〜14.6%排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
健康な成人男性8例と、腎機能障害患者26例を重症度別に8〜9例ずつ3群に分けた計34例に対し、オルメサルタン メドキソミル10mgを1日1回7日間反復経口投与したときの7日目の定常状態における血漿中オルメサルタンのAUCの幾何平均値は、腎機能正常者と比較して、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者でそれぞれ1.6倍、1.8倍、2.8倍であった(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度及び中等度肝機能障害患者12例にオルメサルタン メドキソミル10mgを空腹時単回経口投与したとき、肝機能正常者と比較して血漿中オルメサルタンのAUCはそれぞれ1.1倍、1.7倍であった(外国人データ)。[9.3参照]
16.6.3 高齢者
健康な高齢者(65歳以上)6例にオルメサルタン メドキソミル10mgを単回経口投与し、健康な非高齢者とオルメサルタンのAUCの幾何平均値を比較したところ、ほとんど差は認められなかった。
また、高齢高血圧症患者(75歳以上)17例にオルメサルタン メドキソミル10mgを1日1回14日間反復経口投与したところ、非高齢患者に比較しAUCの幾何平均値が1.4倍高値を示したが、蓄積性はほとんど認められなかった(外国人データ)。
16.8 その他
オルメサルタン錠5mg「ニプロ」は、オルメサルタン錠10mg「ニプロ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。