Antaa DI

drug

シンバスタチン錠10mg「EMEC」

シンバスタチン錠

スタチン系 >>

特徴

  • スタンダードスタチン(LDLの低下が約1

専門医コメント

スタンダードスタチンとしてよく処方されて

用法・用量

通常、成人にはシンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、LDL−コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できる。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦〔9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。

2.4. イトラコナゾール投与中、ミコナゾール投与中、ポサコナゾール投与中、アタザナビル投与中、サキナビルメシル酸塩投与中、コビシスタット含有製剤投与中の患者〔10.1参照〕。

用法・用量に関連する注意

服用時間:コレステロールの生合成は夜間に亢進することが報告されており、本剤の臨床試験においても、朝食後に比べ、夕食後投与がより効果的であることが確認されているので、本剤の適用にあたっては、1日1回夕食後投与とすることが望ましい。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

高脂血症、 家族性高コレステロール血症

効果・効能

高脂血症、家族性高コレステロール血症。

効果・効能に関連する注意

適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること(本剤は高コレステロール血症が主な異常である高脂血症によく反応する)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 横紋筋融解症、ミオパチー(いずれも頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK上昇などに注意すること〔9.1.2、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明):近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維壊死、抗HMG−CoA還元酵素抗体陽性(抗HMGCR抗体陽性)等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること(なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある)。

11.1.3. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):まれに肝不全に至ることがある〔8.3参照〕。

11.1.4. 末梢神経障害(頻度不明):四肢感覚鈍麻、しびれ感・冷感等の感覚障害、あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがある。11.1.5. 血小板減少(0.2%)〔8.4参照〕。11.1.6. 過敏症候群(頻度不明):ループス様症候群、血管炎等を含む過敏症候群が報告されている。

11.1.7. 間質性肺炎(0.07%):長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

11.1.8. 重症筋無力症(頻度不明):重症筋無力症(眼筋型重症筋無力症、全身型重症筋無力症)が発症又は重症筋無力症悪化(眼筋型重症筋無力症悪化、全身型重症筋無力症悪化)することがある〔9.1.3参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 消化器:(1%未満)腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、消化不良、食欲不振、便秘、腹部膨満感、口内炎、(頻度不明)膵炎、鼓腸放屁、舌炎。

2). 肝臓:(1%以上)AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇、(1%未満)Al−P上昇、総ビリルビン値上昇。

3). 皮膚:(1%未満)皮膚そう痒、発疹、蕁麻疹、脱毛、紅斑、(頻度不明)光線過敏、扁平苔癬。

4). 筋肉:(1%以上)CK上昇、ミオグロビン上昇、(1%未満)筋肉痛、筋痙攣。

5). 血液:(1%未満)白血球減少、(頻度不明)貧血。6). 精神神経系:(1%未満)頭痛、めまい、しびれ、(頻度不明)不眠、認知機能障害(記憶障害、混乱等)、抑うつ。

7). その他:(1%未満)倦怠感、BUN上昇、浮腫、関節痛、ほてり、胸痛、味覚異常、勃起不全、HbA1c上昇、血糖値上昇、テストステロン低下、(頻度不明)心悸亢進、頻尿、口渇、耳鳴、発熱。

慎重投与

1.アルコール中毒者、肝障害又はその既往歴のある患者[本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させる恐れがある。また、アルコール中毒者では横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある]。

2.腎障害又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている]。3.甲状腺機能低下症の患者、遺伝性筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性筋障害の既往歴のある患者[横紋筋融解症が現れやすいとの報告がある]。

4.高齢者。

5.フィブラート系薬剤投与中(ベザフィブラート等)の患者[横紋筋融解症が現れやすい]。

6.重症筋無力症又はその既往歴のある患者[重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある]。

重要な基本的な注意

8.1. あらかじめ高脂血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。8.2. 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

8.3. 肝炎、黄疸等の肝機能障害があらわれることがあり、また、まれに肝不全に至ることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。

8.4. 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. アルコール中毒患者:本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。

9.1.2. 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある次の患者。・ 甲状腺機能低下症の患者。

・ 遺伝性筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者。・ 薬剤性筋障害の既往歴のある患者。

・ アルコール中毒患者。

〔11.1.1参照〕。

9.1.3. 重症筋無力症又はその既往歴のある患者:重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある〔11.1.8参照〕。

腎機能障害患者

9.2.1. 腎障害又はその既往歴のある患者:横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。

9.2.2. 腎機能検査値異常のある患者:本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用することとし、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。腎機能検査値異常のある患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること(本剤の投与量は10mg/日を超えないこと)〔10.2参照〕。

肝機能障害患者

9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(本剤は主に肝臓において代謝され作用するので肝障害を悪化させるおそれがある)〔2.2参照〕。9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。

相互作用

本剤は、主に肝代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝される。本剤の活性代謝物であるオープンアシド体はOATP1B1の基質である。また、本剤は乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質である。

10.1. 併用禁忌:

1). イトラコナゾール<イトリゾール>、ミコナゾール<フロリード>、ポサコナゾール<ノクサフィル>〔2.4参照〕[急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい(これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される)]。2). アタザナビル<レイアタッツ>、サキナビルメシル酸塩<インビラーゼ>、コビシスタットを含有する製剤<ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ>〔2.4参照〕[横紋筋融解症を含むミオパチー等の重篤な副作用が起きるおそれがある(これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される)]。10.2. 併用注意:

1). クマリン系抗凝固剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血作用がわずかに増強するので、クマリン系抗凝固剤を併用する場合はプロトロンビン時間をモニターし抗凝固剤の量を調節すること(機序不明)]。

2). フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)〔9.2.2参照〕[急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと(自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること)(これらの薬剤も横紋筋融解症が知られている<危険因子>腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者)]。

3). ダナゾール[急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと(自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること)(腎障害のある患者には特に注意すること)]。

4). シクロスポリン[急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと(自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること)(シクロスポリンはCYP3A4を阻害し、併用により本剤の代謝が抑制されるおそれがあり、シクロスポリンのOATP1B1阻害作用により、本剤のオープンアシド体の肝取り込みが抑制され、血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、腎障害のある患者には特に注意すること)]。5). エリスロマイシン、クラリスロマイシン、HIVプロテアーゼ阻害剤<アタザナビル・サキナビルメシル酸塩は併用禁忌>(リトナビル等)[急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること(これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、併用により本剤の代謝が抑制されるおそれがあるので、腎障害のある患者には特に注意すること)]。6). ニコチン酸[急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること(腎障害のある患者には特に注意すること)]。

7). エファビレンツ[併用により本剤の血漿中濃度が低下したとの報告がある(エファビレンツのCYP3A4誘導作用により本剤の代謝が促進されるおそれがある)]。8). アミオダロン、アムロジピン、ベラパミル[併用により本剤のAUCが上昇し、横紋筋融解症又はミオパチーが起きるおそれがある(機序不明)]。9). ジルチアゼム[併用により本剤のAUCが上昇し、横紋筋融解症又はミオパチーが起きるおそれがある(ジルチアゼムによりCYP3A4を介する本剤の代謝が抑制されるおそれがある)]。

10). グレープフルーツジュース[併用により本剤のAUCが上昇したとの報告があるので、本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること(グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制されるおそれがある)]。11). グラゾプレビル[併用により本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある(グラゾプレビルが腸管のCYP3A及びBCRPを阻害する)]。12). バダデュスタット[併用により本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある(バダデュスタットがBCRPを阻害する)]。

13). ダプトマイシン[併用した場合CKが上昇する可能性があることから、ダプトマイシン投与中は本剤の休薬を考慮すること(機序不明)]。

高齢者

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している、また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある)〔11.1.1参照〕。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットでシンバスタチンの活性代謝物(オープンアシド体)及び他のHMG−CoA還元酵素阻害剤の大量投与で胎仔骨格奇形が報告されている)〔2.3参照〕。

授乳婦

投与しないこと(ラットで乳汁中への移行が観察されている)〔2.3参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.2. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

海外において、本剤を含むHMG−CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 有効成分 添加剤

シンバスタチン錠10mg「EMEC」 1錠中 シンバスタチン(日局)10mg アルファー化デンプン、クエン酸水和物、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルヒドロキシアニソール

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3.2 製剤の性状

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販売名 色・剤形 外形 識別コード

直径(mm) 厚さ(mm) 質量(mg)

シンバスタチン錠10mg「EMEC」 白色・素錠 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> EE216

8.0 3.1 200

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薬効薬理

18.1 作用機序

シンバスタチンはコレステロール生合成の律速酵素であるHMG‐CoA還元酵素を選択的に阻害することによってコレステロールの生合成を抑制する。

18.2 コレステロール合成阻害作用

in vitroにおいてシンバスタチンのオープンアシド体はHMG‐CoA還元酵素を拮抗的に阻害した。シンバスタチンは各種培養細胞を用いた試験及びラットに経口投与した試験において[14C]酢酸からの[14C]コレステロール合成を阻害した。また、ヒト肝癌細胞由来のHep G2細胞を用いた試験及びコレステロール負荷ウサギに経口投与した試験において、シンバスタチンは肝LDL受容体活性を増強させた。

18.3 脂質低下作用

シンバスタチンは経口投与によりイヌ、コレステロール負荷ウサギ及びWHHLウサギ(ヒト家族性高コレステロール血症のモデル動物)の血清総コレステロールを有意に低下させた。シンバスタチンはウサギに投与したときLDL‐コレステロール及びVLDL‐コレステロールを有意に低下させた。また、コレステロール負荷ウサギにおいてシンバスタチン0.7mg/kg/日はプラバスタチン18mg/kg/日とほぼ同等の血清脂質低下作用を示した。

18.4 動脈硬化進展抑制作用

シンバスタチンは、コレステロール負荷ウサギにおける大動脈及び冠状動脈硬化の進展を有意に抑制した。

18.5 外因性コレステロール吸収抑制作用

コレステロール負荷ウサギにおいてシンバスタチンを連続経口投与したとき、消化管からの[3H]コレステロールの吸収が抑制された。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、HMG‐CoA還元酵素阻害活性より求めた血漿中薬物濃度は投与量に依存して増加し、投与後1.4〜3.7時間で最高値に達した。

16.1.2 連続投与時の蓄積性

健康成人に20mg1日1回又は10mg1日2回注)を7日間連続経口投与したとき、投与7日目の薬物動態パラメータは投与1日目と比較して有意な変動はみられず、蓄積性は認められなかった。

16.1.3 生物学的同等性試験

シンバスタチン錠5mg「EMEC」とリポバス錠5を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(シンバスタチンとして10mg)健康成人男性に絶食下、単回経口投与して血漿中のシンバスタチン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。

薬物動態パラメータ

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                  判定パラメータ                         参考パラメータ

                  AUC0−12hr(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr)  T1/2(hr)

シンバスタチン錠5mg「EMEC」 6.35±4.42           1.99±1.45   0.79±0.18 4.83±4.36

リポバス錠5            6.83±4.76           2.21±1.70   1.45±0.64 4.33±6.77

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2錠投与時の平均血漿中薬物濃度推移

<<図省略>>

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、速やかに吸収された。

16.4 代謝

健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、血漿中にはシンバスタチンとともに、活性代謝物としてオープンアシド体が確認された。

16.5 排泄

シンバスタチンの主排泄経路は胆汁排泄であると考えられ、健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、投与後24時間までの総阻害物質の尿中排泄率は投与量の0.34〜0.42%であった。

16.8 その他

シンバスタチン錠10mg「EMEC」及びシンバスタチン錠20mg「EMEC」は、シンバスタチン錠5mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判定され、生物学的に同等とみなされた。

注)本剤の承認された用法及び用量は、シンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与である。なお、年齢、症状により適宜増減するが、LDL‐コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できる。