特徴
β2受容体刺激による気管支拡張・鎮咳剤。
専門医コメント
現在、実臨床で使用する場面はほとんどない
用法・用量
l−エフェドリン塩酸塩として、通常成人1回12.5〜25mgを1日1〜3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌
カテコールアミン投与中(アドレナリン、イソプロテレノール、ドパミン等)の患者。
適応
気管支喘息、喘息様気管支炎、感冒、急性・慢性気管支炎、肺結核、上気道炎に伴う咳嗽、鼻粘膜の充血、腫脹【注射のみ】麻酔時の血圧降下用(トエフェドリン塩酸塩として)
効果・効能
1.次記疾患に伴う咳嗽:気管支喘息、喘息性<様>気管支炎、感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)。
2.鼻粘膜充血・鼻粘膜腫脹。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.重大な副作用(頻度不明)
重篤な血清カリウム値の低下:β2−刺激剤により重篤な血清カリウム値低下が報告されている。また、キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用によりβ2−刺激剤による血清カリウム値低下作用が増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意する。更に、低酸素血症は、血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがあるので、このような場合には、血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
その他の副作用
2.その他の副作用(頻度不明)
1).循環器:心悸亢進、血圧上昇。
2).精神神経系:頭痛・頭重、振戦、不眠、眩暈、発汗、神経過敏、脱力感。3).消化器:悪心・嘔吐、食欲不振。
4).泌尿器:排尿困難。
5).過敏症:発疹[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。6).長期連用:不安、幻覚、妄想を伴う精神症状[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。
7).その他:口渇。
慎重投与
1.甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症が悪化する恐れがある]。2.高血圧症の患者[本剤には血圧上昇作用がある]。
3.心疾患のある患者[本剤には心刺激作用がある]。
4.糖尿病の患者[血糖が上昇する恐れがある]。
5.緑内障の患者[眼圧が上昇する恐れがある]。
6.前立腺肥大症の患者[排尿障害が悪化する恐れがある]。
重要な基本的な注意
1.用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止する。なお、小児に投与する場合には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行う。
2.過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがあるので、使用が過度にならないように注意する。
相互作用
1.併用禁忌:カテコールアミン(アドレナリン<ボスミン>、イソプロテレノール<プロタノール等>、ドパミン等)[不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがある(併用により交感神経刺激作用が増強される)]。
2.併用注意:
1).モノアミン酸化酵素阻害剤、甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)[本剤の作用が増強される恐れがあるので、減量するなど慎重に投与する(併用により交感神経刺激作用が増強される)]。
2).キサンチン誘導体(テオフィリン、ジプロフィリン等)、ステロイド剤(プレドニゾロン、ベタメタゾン等)、利尿剤(フロセミド、ヒドロクロロチアジド等)[血清カリウム値が低下する恐れがあるので、血清カリウム値をモニターするとともに、減量するなど注意する(併用により血清カリウム低下作用が増強される)]。
高齢者
高齢者への投与
減量するなど注意する[一般に高齢者では生理機能が低下している]。
組成・性状
1.組成
ヱフェドリン「ナガヰ」錠25mgは、1錠中エフェドリン塩酸塩25mgを含有する。
添加物として乳糖、トウモロコシデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウムを含有する。
2.製剤の性状
本品は片面に割線を有する白色の素錠である。
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販売名 形状 本体コード
重量(g) 直径(mm) 厚さ(mm)
ヱフェドリン「ナガヰ」錠25mg <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> ◇521
0.25 9.5 3.2
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薬効薬理
1.気管支拡張作用
アセチルコリン及びヒスタミンによるモルモット摘出気管筋の収縮に対し、緩解作用を示す。
2.鼻粘膜血管収縮作用
麻酔イヌを用いた実験で、鼻粘膜血管・鼻粘膜を収縮し、鼻腔容積を拡大させる。
薬物動態
1.血漿中濃度
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(喘息患者(外国人)、l‐エフェドリン塩酸塩22mg1回経口投与)
Tmax(hr) Cmax(ng/mL) t1/2(hr)
1.8 79.4 6.8
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2.排泄経路及び排泄率
(1)排泄経路
主として尿中
(2)排泄率
投与後24時間までの尿中排泄率は投与量の87.5%で、その内訳は、エフェドリンが77.2%、ノルエフェドリンが4.0%、馬尿酸が6.3%であった。(健康成人、重水素標識l‐エフェドリン塩酸塩49.5mg1回(承認範囲外用量)経口投与)