Antaa DI

drug

カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」

L−カルボシステイン錠

去痰薬 >>

特徴

  • L-カルボシステイン製剤。

専門医コメント

分泌細胞正常化薬・気道粘液修復薬。杯細胞

用法・用量

L−カルボシステインとして通常成人1回500mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

1回量:1錠、投与回数:1日3回経口投与。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

【共通】上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、 急性・慢性気管支炎、 気管支喘息、 気管支拡張症、 肺結核の去痰、 慢性副鼻腔炎の排膿 【シロップ・DSのみ】滲出性中耳炎の排液(小児のみ)

効果・効能

1). 次記疾患の去痰:上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核。

2). 慢性副鼻腔炎の排膿。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な措置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇等があらわれることがある〔9.3肝機能障害患者の項参照〕。11.1.3. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 消化器:(0.1〜5%未満*)食欲不振、下痢、腹痛、(0.1%未満*)悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇。

2). 過敏症:(0.1〜5%未満*)発疹、(0.1%未満*)湿疹、紅斑、(頻度不明)浮腫、発熱、呼吸困難。

3). その他:(0.1%未満*)そう痒感。

*)ムコダイン錠250mg、錠500mg、細粒、K10、シロップ2%、シロップ5%、DSを合わせた集計である。

慎重投与

1.肝障害のある患者[肝機能障害のある患者に投与した時、肝機能が悪化することがある]。

2.心障害のある患者[類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある]。

重要な基本的な注意

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 心障害のある患者:類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。

肝機能障害患者

肝機能障害患者:肝機能が悪化することがある〔11.1.2参照〕。

高齢者

減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」

有効成分 1錠中

L‐カルボシステイン 500mg

添加剤 乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク、カルナウバロウ

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3.2 製剤の性状

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販売名 カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」

剤形 割線入りフィルムコーティング錠

色調 白色

外形 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>>

大きさ 直径 約11.2mm

厚さ 約5.2mm

質量 約584mg

識別コード TSU273

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薬効薬理

18.1 作用機序

カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁の排泄を促進する。

〈上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉

18.2 粘液構成成分調整作用

慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した。

亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc‐5acタンパク質)生成の増加を抑制した(ラット)。

18.3 杯細胞過形成抑制作用

亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した(ラット)。

18.4 気道炎症抑制作用

亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した(ラット)。

fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した(in vitro)。

18.5 粘膜正常化作用

慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した。

〈慢性副鼻腔炎の排膿〉

18.6 粘液線毛輸送能改善作用

慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した。

18.7 粘膜正常化作用

エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した(ウサギ)。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 生物学的同等性試験

〈カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」〉

カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」とムコダイン錠250mgをクロスオーバー法によりそれぞれ2錠(L‐カルボシステインとして500mg)を、健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。また、カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」の処方変更を行うにあたり、処方変更後製剤と処方変更前製剤について前記と同様の生物学的同等性試験を実施し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

<<図省略>>

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                     判定パラメータ                        参考パラメータ

                     AUC0−7.5(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」 15.0±0.6           4.5±0.2     1.96±0.04 3.8±0.6

ムコダイン錠250mg          14.9±0.8           4.6±0.1     1.88±0.07 2.7±0.4

(Mean±S.E.、n=12)

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250mg錠処方変更前後製剤の薬物動態

<<図省略>>

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                  判定パラメータ                      参考パラメータ

                  AUC0−9(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)

処方変更前製剤(250mg、錠剤) 14.3±1.0         4.9±0.2     1.8±0.1  1.3±0.1

処方変更後製剤(250mg、錠剤) 13.9±0.9         4.9±0.3     2.2±0.1  1.9±0.2

(Mean±S.E.、n=20)

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〈カルボシステイン細粒50%「ツルハラ」〉

カルボシステイン細粒50%「ツルハラ」とムコダイン細粒50%をクロスオーバー法によりそれぞれ1g(L‐カルボシステインとして500mg)を、健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

<<図省略>>

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                     判定パラメータ                        参考パラメータ

                     AUC0−7.5(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

カルボシステイン細粒 50%「ツルハラ」 14.8±0.8           4.4±0.1     1.92±0.06 3.0±0.4

ムコダイン細粒50%           15.0±0.7           4.7±0.2     1.92±0.06 3.5±0.6

(Mean±S.E.、n=12)

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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.8 その他

〈カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」〉

カルボシステイン錠500mg「ツルハラ」は、カルボシステイン錠250mg「ツルハラ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。