特徴
ブロムヘキシンの活性代謝物であるアンブロ
専門医コメント
気道粘膜潤滑薬。肺のサーファクタント分泌
用法・用量
通常、成人には1回1カプセル(アンブロキソール塩酸塩として45mg)を1日1回経口投与する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
早朝覚醒時に喀痰喀出困難を訴える患者には、夕食後投与が有用である〔17.1.1参照〕。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
【錠・DS3%・液】急性・慢性気管支炎、 気管支拡張症、 気管支喘息、 肺結核、 塵肺症、 手術後の喀痰喀出困難、 慢性副鼻腔炎の排膿 【シロップ・DS1.5%】急性気管支炎、 気管支喘息の去痰
効果・効能
次記疾患の去痰:急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):発疹、顔面浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。
11.1.2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1〜5%未満)胃不快感、(0.1%未満)胃痛、腹部膨満感、腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、便秘、食思不振、消化不良(胃部膨満感、胸やけ等)。2). 過敏症:(0.1%未満)発疹、蕁麻疹、蕁麻疹様紅斑、そう痒、(頻度不明)血管浮腫(顔面浮腫、眼瞼浮腫、口唇浮腫等)。
3). 肝臓:(0.1%未満)肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)。4). その他:(0.1%未満)口内しびれ感、上肢のしびれ感、(頻度不明)めまい。
発現頻度は錠、液、シロップ及び徐放カプセルの承認時までの臨床試験及び使用成績調査を含む。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
高齢者
減量が必要な場合には、他の剤形(徐放性製剤を除く)を使用すること(一般に生理機能が低下している)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている)。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
早朝覚醒時に喀痰喀出困難を訴える患者には、夕食後投与が有用である。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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有効成分[1カプセル中] アンブロキソール塩酸塩 45mg
添加剤 アスパルテーム(L‐フェニルアラニン化合物)、エチルセルロース、タルク、トウモロコシデンプン、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、没食子酸プロピル、ポビドン、マクロゴール6000、カプセル本体に、酸化チタン、三二酸化鉄、ゼラチン、ラウリル硫酸Na
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3.2 製剤の性状
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外形 <<図省略>>
<<図省略>>
2号
剤形 フィルムコーティング硬カプセル剤(徐放性)
性状 頭部:淡黄色
胴部:淡黄色
内容物:白色〜帯黄白色の速溶性顆粒及び徐放性顆粒からなる複合粒
全長(mm) 15.4
重量(mg) 約275
識別コード SW‐475
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薬効薬理
18.1 作用機序
アンブロキソール塩酸塩は、肺表面活性物質の分泌促進作用、気道液の分泌促進作用、線毛運動亢進作用が総合的に作用して喀痰喀出効果を示すものと考えられる。この際、肺表面活性物質の役割としては、線毛の存在しない肺胞や呼吸細気管支を含め気道中の粘性物質を排出しやすくするものと考えられている。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
健康成人男性にアンブロキソール塩酸塩として45mgを含有する徐放錠1錠とアンブロキソール塩酸塩徐放カプセル45mg1カプセルを、無作為割付け、2剤2期クロスオーバー法により絶食(n=18)又は食後(n=20)単回経口投与した。血漿中アンブロキソール未変化体濃度を測定し、薬物動態パラメータ(AUCt及びCmax)について統計解析を行った結果、対数値の平均値の差の90%信頼区間は、いずれの摂食条件でもすべて生物学的同等性の判定基準log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であることから両剤の生物学的同等性が確認された。
血漿中アンブロキソール未変化体濃度の薬物動態パラメータ
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AUCt注1)(ng・h/mL) Cmax注1)(ng/mL) tmax注2)(h) t1/2注1)(h)
絶食 徐放錠(n=18) 579.462±166.839 28.985±7.027 6.0 12.149±3.368
徐放カプセル(n=18) 645.866±234.574 27.641±6.854 4.0 11.531±3.051
食後 徐放錠(n=20) 689.543±237.718 35.256±10.069 6.0 12.178±2.835
徐放カプセル(n=20) 697.838±219.157 30.955±9.140 6.0 13.384±5.355
注1)平均値±標準偏差
注2)中央値
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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.1.2 生物学的同等性試験
アンブロキソール塩酸塩Lカプセル45mg「サワイ」とムコソルバンLカプセル45mgを健康成人男子にそれぞれ1カプセル(アンブロキソール塩酸塩として45mg)空腹時及び食後単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中アンブロキソール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
各製剤1カプセル投与時の薬物動態パラメータ
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Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC0−48hr(ng・hr/mL) MRT(hr)
空腹時 アンブロキソール塩酸塩Lカプセル45mg「サワイ」 31.7±11.5 5.8±0.9 11.2±4.8 628.0±253.4 16.4±1.4
ムコソルバンLカプセル45mg 31.5±8.5 5.7±1.0 10.3±3.3 605.6±183.0 16.7±1.5
食後 アンブロキソール塩酸塩Lカプセル45mg「サワイ」 36.2±9.0 5.8±0.9 11.0±6.6 652.2±147.8 16.3±1.4
ムコソルバンLカプセル45mg 36.2±11.3 5.8±0.7 9.7±2.3 632.4±154.5 16.5±1.4
(Mean±S.D.)
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空腹時経口投与後の血中濃度曲線
<<図省略>>
食後経口投与後の血中濃度曲線
<<図省略>>
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。