特徴
糖化菌、乳酸菌、酪酸菌という酸素感受性の
専門医コメント
糖化菌、乳酸菌、酪酸菌の酸種類を配合して
用法・用量
通常成人1日3〜6錠を3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
腸内菌叢の異常による諸症状
効果・効能
腸内菌叢の異常による諸症状の改善。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ビオスリー配合錠
有効成分 1錠中*
ラクトミン2mg
酪酸菌10mg
糖化菌10mg
*ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠及びビオスリー配合OD錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している。
添加剤 バレイショデンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム
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3.2 製剤の性状
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販売名 ビオスリー配合錠
剤形 素錠
色調 白色〜わずかに黄褐色
におい においはないか、又はわずかに特異なにおい
味 やや甘い
外形 表 <<図省略>>
裏 <<図省略>>
側面 <<図省略>>
直径 8mm
厚さ 4.2mm
重量 200mg/錠
識別コード TK03
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薬効薬理
18.1 作用機序
糖化菌がビフィズス菌の増殖を促進させ、乳酸菌と酪酸菌の共存下で腸管病原菌の増殖を抑制することにより、腸内細菌叢を正常化させる。
18.2 腸内細菌叢の正常化
細菌性下痢症の乳幼児にビオスリー配合散を投与し糞便内細菌叢を検索したところ、ビフィズス菌は増加し、腸内細菌叢の改善度の指標とされる好気性総菌数に対する嫌気性総菌数の比率は有意に増加することが認められた。
18.3 共生による増殖性向上
本剤の酪酸菌と乳酸菌の混合培養では、酪酸菌の菌数は単独培養時に比較し、約10倍に増加した。また、糖化菌培養ろ液を添加して培養するとき、乳酸菌の菌数は約10倍に増加した。
18.4 共生による整腸作用
本剤は、三種の活性菌の共生により、ヒト腸管内において増殖し、有害菌の発育を阻止して腸内細菌叢の正常化を図り整腸作用を発揮する。
18.5 共生による病原性細菌に対する抑制作用
18.5.1 連続流動培養において、酪酸菌と乳酸菌を混合培養し、病原性細菌(大腸菌、腸炎ビブリオ菌、ディフィシール菌、ボツリヌス菌、MRSA)に対する拮抗作用を確認したところ、各菌の単独培養時より顕著に認められた。
一方、ビフィズス菌、ラクトバチルスに対しては抑制せず、共生関係を維持した。
18.5.2 小児のサルモネラによる下痢症において、ビオスリー配合散を構成する菌株は、共生作用によりサルモネラ菌に対して抑制作用を有した。
18.5.3 本剤の投与により内分泌系及びリウマチ性疾患由来の便通異常に対してBifidobacteriumの増加、Clostridium perfringensの減少等が観察され、腸内細菌叢の正常化による症状改善が認められた。
18.6 有用菌の助長作用
本剤の投与によりBifidobacteriumの助長作用が認められ、また、Bacillus subtilis TO‐Aの代謝産物にBifidobacteriumの分裂促進作用が認められた。
18.7 薬力学的試験
18.7.1 糞中菌数比較試験
SPFラット(1群10匹)において、試験製剤群(ビオスリー配合OD錠投与)及び標準製剤群(ビオスリー配合錠投与)に分け、糞中のEnterococcus faecium T‐110の生菌数、Clostridium butyricum TO‐Aの生菌数及びBacillus subtilis TO‐Aの生菌数を比較検討した。両剤はラット糞中菌数推移に差はなく、生物学的に同等であると判断された。
18.7.2 3菌の消化管内分布比較試験
SPFラット(1群10匹)において、ビオスリー配合OD錠と標準製剤(ビオスリー配合錠)の消化管内での3菌の分布を比較検討した。各測定部位での3菌の菌数は、両剤において差はなく、生物学的に同等であると判断された。
18.8 in vitro試験
胃モデルでのpH経時推移及び胃の通過時間を加味したin vitro試験でビオスリー配合錠とビオスリー配合OD錠を比較した結果、90%信頼区間で挙動に差はなく、生物学的に同等であると判断された。
薬物動態
16.5 排泄
〈錠、OD錠〉
16.5.1 分布試験
ラットを用いてビオスリー配合錠、配合OD錠を経口投与し5時間後の各消化管内分布を調べたところ、Enterococcus faecium T‐110、Bacillus subtilis TO‐Aについて小腸で4.0log CFU/g、盲腸で5.0log CFU/g、大腸で5.0log CFU/g程度、Clostridium butyricum TO‐Aについては各部位で4.0log CFU/g程度観察された。
〈錠、OD錠〉
16.5.2 排泄試験
ラットを用いてビオスリー配合錠、配合OD錠を7日間経口投与し糞便中の菌数を調べたところ、Enterococcus faecium T‐110とBacillus subtilis TO‐Aは、day8(休薬24時間後)は投与中同様の菌数であったが、day9(48時間後)は大半が検出限界以下であり、day10(72時間後)には全て検出限界以下であった。Clostridium butyricum TO‐Aは、day8(休薬24時間後)は大半が検出限界以下であり、day9(48時間後)には全て検出限界以下となった。
16.8 その他
16.8.1 人工胃液及び人工腸液に対する安定性
Clostridium butyricum TO‐A、Bacillus subtilis TO‐Aは人工胃液及び人工腸液共に150分処理しても安定であった。また、Enterococcus faecium T‐110は、人工胃液pH1.2で20分処理後菌数が4.00log CFU/mL以下に、pH2.0で150分処理すると4.15log CFU/mLと減少したもののpH3.0以上及び腸液では安定であった。