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ファモチジンD錠10mg「日医工」

ファモチジン10mg口腔内崩壊錠

H2受容体拮抗薬 >>

特徴

  • 胃酸抑制作用:ガスター>プロテカジン>タ

専門医コメント

H2受容体拮抗薬の中で最も使用されている

用法・用量

〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger−Ellison症候群〉通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また、1回40mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。

なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、上部消化管出血の場合には通常注射剤で治療を開始し、内服可能になった後は経口投与に切りかえる。〈次記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期〉

通常、成人にはファモチジンとして1回10mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また、1回20mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。

なお、年齢・症状により適宜増減する。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

用法・用量に関連する注意

7.1. 腎機能低下患者への投与法

ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄されるが、腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする〔9.2腎機能障害患者の項参照〕[1)1回20mg1日2回投与を基準とする場合、Ccr≧60mL/min:1回20mg1日2回、2)1回20mg1日2回投与を基準とする場合、60mL/min>Ccr>30mL/min:1回20mg1日1回又は1回10mg1日2回、3)1回20mg1日2回投与を基準とする場合、30mL/min≧Ccr:1回20mg2〜3日に1回又は1回10mg1日1回、4)1回20mg1日2回投与を基準とする場合、透析患者:1回20mg透析後1回又は1回10mg1日1回]。

Ccr:クレアチニンクリアランス。

腎機能用量

[注射液(上部消化管出血の抑制)]

30≦CCr<60:1日20mgを分1〜2

15≦CCr<30:1回10mgを2日に1回または1日1回5mg

CCr<15:1日1回5mg

透析:1日1回5mg。血液透析患者では1回10mgを週3回。血液透析後も可

[内服(胃潰瘍, 十二指腸潰瘍, 吻合部潰瘍, 上部消化管出血, 逆流性食道炎, Zollinger-Ellison症候群]

30<CCr<60:1日1回20mgを分1〜2

15≦CCr<30:1回20mgを2〜3日に1回または1日1回10mg

CCr<15:1日1回10mg

透析:1日1回10mg。血液透析患者では1回20mgを週3回。血液透析後も可

適応

【内服】①胃十二指腸潰傷、 吻合部潰瘍、 上部消化管出血、 逆流性食道炎、 ゾリンジャー・エリソン症候群、②急性・慢性胃炎急性増悪期の胃粘膜病変改善、【注射】③上部消化管出血、 ゾリンジャー・エリソン症候群、 侵襲ストレスの上部消化管出血抑制、 ④麻酔前投薬

効果・効能

1). 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger−Ellison症候群。

2). 次記疾患の胃粘膜病変(胃粘膜びらん、胃粘膜出血、胃粘膜発赤、胃粘膜浮腫)の改善:急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシー(各0.1%未満):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫<顔面浮腫、咽頭浮腫等>、蕁麻疹等)があらわれることがある。

11.1.2. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血(いずれも頻度不明)、血小板減少(0.1%未満):再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(初期症状として全身倦怠感、脱力、皮下出血・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。

11.1.4. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇・ALT上昇等、黄疸があらわれることがある。

11.1.5. 横紋筋融解症(頻度不明):高カリウム血症、ミオグロビン尿、著明な血清逸脱酵素上昇、筋肉痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.6. QT延長(頻度不明):特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので、投与後の患者の状態に十分注意すること〔9.1.1参照〕。

11.1.7. 意識障害、痙攣(いずれも頻度不明):意識障害、全身痙攣(痙直性痙攣、間代性痙攣、ミオクローヌス性痙攣)があらわれることがあり、特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること〔9.2腎機能障害患者の項参照〕。

11.1.8. 間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明):初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN上昇・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.9. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。11.1.10. 不全収縮。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1%未満)発疹・皮疹、蕁麻疹(紅斑)、顔面浮腫。2). 血液:(0.1〜5%未満)白血球減少、(0.1%未満)好酸球増多。3). 消化器:(0.1〜5%未満)便秘、(0.1%未満)下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、口内炎。

4). 循環器:(0.1%未満)血圧上昇、顔面潮紅、耳鳴、(頻度不明)徐脈、頻脈、房室ブロック。

5). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、(0.1%未満)総ビリルビン上昇、LDH上昇、(頻度不明)肝機能異常、黄疸。6). 精神神経系:(0.1%未満)全身倦怠感、無気力感、頭痛、眠気、不眠、(頻度不明)可逆性の錯乱状態、うつ状態、痙攣、意識障害、めまい。7). 内分泌系:(0.1%未満)月経不順、女性化乳房、(頻度不明)乳汁漏出症。8). その他:(頻度不明)CK上昇、味覚異常、筋肉痛、背部痛。発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。

慎重投与

1.薬物過敏症の既往歴のある患者。

2.腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用する]。

3.心疾患のある患者[心血管系の副作用を起こす恐れがある]。4.肝障害のある患者[症状が悪化する恐れがある]。

5.高齢者。

重要な基本的な注意

血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 心疾患のある患者:心血管系の副作用を起こすおそれがある〔11.1.6参照〕。

9.1.2. 薬物過敏症の既往歴のある患者。

腎機能障害患者

腎機能障害患者:血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること〔7.1、11.1.7参照〕。

肝機能障害患者

肝機能障害患者:症状が悪化するおそれがある。

相互作用

10.2. 併用注意:

アゾール系抗真菌薬<経口>(イトラコナゾール<経口>)[併用薬剤の血中濃度が低下する(本剤の胃酸分泌抑制作用が併用薬剤の経口吸収を低下させる)]。

高齢者

本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること(本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中に移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。

14.1.3. 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。(取扱い上の注意)

開封後は湿気を避けて保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 ファモチジンD錠10mg「日医工」

有効成分 1錠中

ファモチジン 10mg

添加剤 乳糖水和物、合成ケイ酸アルミニウム、ヒドロキシプロピルスターチ、結晶セルロース、クロスポビドン、ポビドン、アスパルテーム(L‐フェニルアラニン化合物)、l‐メントール、ステアリン酸マグネシウム

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3.2 製剤の性状

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販売名 ファモチジンD錠10mg「日医工」

剤形 口腔内崩壊錠(素錠)

色調 白色

外形 表面 <<図省略>>

裏面 <<図省略>>

側面 <<図省略>>

直径(mm) 6.0

厚さ(mm) 3.1

質量(mg) 80

本体コード KYK350

包装コード ◇715

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薬効薬理

18.1 作用機序

胃粘膜壁細胞のH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制することにより、胃・十二指腸潰瘍、胃炎等の治癒効果を示す。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 生物学的同等性試験

(1)ファモチジンD錠10mg「日医工」

ファモチジンD錠10mg「日医工」及びガスターD錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ファモチジンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与(水なしで服用及び水で服用)して血漿中ファモチジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

薬物動態パラメータ(水なしで服用)

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                  判定パラメータ                       参考パラメータ

                  AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

ファモチジンD錠10mg「日医工」 253.26±56.35      32.66±5.72  3.05±0.23 4.63±1.61

ガスターD錠10mg        254.23±51.34      32.68±5.97  2.84±0.37 4.60±1.58

(1錠投与、mean±S.D.、n=19)

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血漿中薬物濃度推移(水なしで服用)

<<図省略>>

薬物動態パラメータ(水で服用)

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                  判定パラメータ                       参考パラメータ

                  AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

ファモチジンD錠10mg「日医工」 266.61±60.71      35.33±6.99  2.89±0.58 4.07±1.49

ガスターD錠10mg        246.81±60.22      35.62±7.36  2.67±0.69 3.68±0.92

(1錠投与、mean±S.D.、n=18)

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血漿中薬物濃度推移(水で服用)

<<図省略>>

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

(2)ファモチジンD錠20mg「日医工」

ファモチジンD錠20mg「日医工」及びガスターD錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ファモチジンとして20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与(水なしで服用及び水で服用)して血漿中ファモチジン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

薬物動態パラメータ(水なしで服用)

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                  判定パラメータ                       参考パラメータ

                  AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

ファモチジンD錠20mg「日医工」 388.71±113.31     58.17±19.68 3.05±0.76 4.20±2.12

ガスターD錠20mg        384.27±124.17     58.07±18.72 3.15±0.67 4.14±1.00

(1錠投与、mean±S.D.、n=20)

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血漿中薬物濃度推移(水なしで服用)

<<図省略>>

薬物動態パラメータ(水で服用)

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                  判定パラメータ                       参考パラメータ

                  AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

ファモチジンD錠20mg「日医工」 365.98±144.81     60.94±18.43 2.85±0.75 4.21±0.88

ガスターD錠20mg        368.26±102.70     60.43±17.48 3.05±0.76 3.80±0.46

(1錠投与、mean±S.D.、n=20)

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血漿中薬物濃度推移(水で服用)

<<図省略>>

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。