Antaa DI

drug

プロマック顆粒15%

ポラプレジンク顆粒

防御因子増強薬 >>

特徴

  • 胃粘膜の損傷部分に膜を作り病巣を保護する

専門医コメント

低亜鉛欠乏症に対する適応のあるノベルジン

用法・用量

通常、成人にはポラプレジンクとして1回75mgを1日2回朝食後及び就寝前に経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

胃潰瘍、急性・慢性胃炎の急性憎悪期

効果・効能

胃潰瘍。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。11.1.2. 銅欠乏症(頻度不明):本剤は亜鉛を含有するため、亜鉛により銅の吸収が阻害され銅欠乏症を起こすことがある。栄養状態不良の患者で銅欠乏に伴う汎血球減少や貧血が報告されている。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1%未満)発疹、そう痒感、(頻度不明)蕁麻疹。2). 血液:(0.1%〜1%未満)好酸球増多、白血球減少、血小板減少。3). 肝臓:(0.1%〜1%未満)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

4). 消化器:(0.1%〜1%未満)便秘、嘔気、腹部膨満感、(0.1%未満)嘔吐、胸やけ、下痢。

発現頻度の算出には使用成績調査を含む。

重要な基本的な注意

特定の背景を有する患者に関する注意

相互作用

10.2. 併用注意:

ペニシラミン製剤<服用>、レボチロキシンナトリウム<服用>[同時に服用することにより、併用薬剤の効果を減弱するおそれがあるので、やむを得ず投与する場合には、同時に服用させないなど注意して投与すること(同時投与した場合、本剤が併用薬剤とキレートを形成し、吸収を低下させる可能性がある)]。

高齢者

減量(1日100mg)するなど患者の状態を観察しながら投与することが望ましい(一般に消化器機能が低下していることがある)。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行がみられたとの報告がある)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 プロマック顆粒15%

有効成分 1g中

日局ポラプレジンク150mg

添加剤 D‐マンニトール、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、ポビドン、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE

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3.2 製剤の性状

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販売名 プロマック顆粒15%

剤形 棒状の顆粒

色調 微黄白色

におい なし

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薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は、胃粘膜損傷部位に特異的に付着し、再生粘膜における増殖細胞の促進、潰瘍部位のヒドロキシプロリン量を増加させ創傷治癒促進作用を示す。また、内因性プロスタグランジンを介さず、抗酸化作用及び膜安定化作用により直接細胞保護作用を示す。

18.2 実験潰瘍に対する作用

ラットにおける急性潰瘍モデルである水浸拘束ストレス潰瘍、塩酸エタノール潰瘍、無水エタノール潰瘍、幽門結紮アスピリン潰瘍、低温拘束ストレス潰瘍、熱傷ストレス潰瘍、レセルピン潰瘍、AAPH胃粘膜損傷及び虚血−再血流胃粘膜損傷に対し、抑制効果を示す。また、ラットにおける慢性潰瘍モデルである酢酸潰瘍、鉄‐アスコルビン酸潰瘍に対して治癒促進効果を認め、ヒドロコルチゾン負荷酢酸潰瘍に対しても再発・再燃抑制作用を示す。

18.3 胃粘膜への付着性

潰瘍底及び潰瘍辺縁部粘膜に対する親和性が高く、長時間付着し、潰瘍部位を被覆し、直接保護して治癒促進効果を示す(ラット)。

18.4 胃粘膜防御能に対する作用

正常ラットの胃粘膜電位差、胃粘膜被覆粘液量及び胃粘膜血流量にはほとんど影響を及ぼさず、アスピリン胃内適応により生ずる胃粘膜電位差の低下、無水エタノール投与による胃粘膜被覆粘液量及び胃粘膜血流量の減少を抑制する。

18.5 細胞保護作用

ラットの胃粘膜プロスタグランジンE2量には影響を及ぼさず、内因性プロスタグランジンを介さない細胞保護作用を示す(ラット)。

18.6 膜安定化作用

胃粘膜障害によるライソゾーム酵素の遊離及び肥満細胞の脱顆粒を抑制する作用を有する(in vitro)。

18.7 フリーラジカルに対する作用

活性酸素の消去作用、多形核白血球からの活性酸素産生抑制作用及び過酸化脂質生成抑制作用を示す(in vitro)。また、フリーラジカル反応の関与する虚血−再血流胃粘膜損傷、AAPH胃粘膜損傷及び鉄‐アスコルビン酸潰瘍において過酸化脂質量の増加を抑制する(ラット)。

18.8 創傷治癒促進作用

モルモット皮膚切創モデルにおいて耐創張力、ヒドロキシプロリン量及び血管新生量を増加させ、ラット酢酸潰瘍に対しても、再生粘膜における増殖細胞の促進、潰瘍部位のヒドロキシプロリン量を増加させ、創傷治癒促進作用を示す。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与(絶食下)

健康成人男性7名に本剤0.5g(ポラプレジンクとして75mg)を単回経口投与した結果、血漿中亜鉛濃度は投与後1.6時間で最高値(Cmax:1.9μg/mL)に達した。

単回投与における血漿中亜鉛濃度の推移

<<図省略>>

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Cmax(μg/mL) 1.9±0.22

Tmax(hr)    1.6±0.5

T1/2(hr)    2.8±0.4

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16.1.2 連続投与注2)

健康成人男性6名に本剤を反復経口投与(1日目:ポラプレジンクとして150mgを朝食後に投与、2〜6日目:ポラプレジンクとして150mgを1日3回毎食後投与、7日目:ポラプレジンクとして150mgを朝食絶食下投与)した際の血漿中亜鉛濃度は、添付文書の図のように推移した。

注2)本データは通常1回用量(75mg)又は、1日用量(150mg)を超えたものである。

連続投与における血漿中亜鉛濃度の推移

<<図省略>>

16.2 吸収

16.2.1 食事の影響

健康成人男性6名に朝食後に本剤1g(ポラプレジンクとして150mg)を投与すると、絶食下に本剤1g(ポラプレジンクとして150mg)を投与した際に比べ、Tmaxは延長し、Cmax及びAUCが低下したことから、食事の影響が認められた。

16.3 分布

16.3.1 胃粘膜への分布

ラット酢酸潰瘍においてポラプレジンク3mg/kgを単回経口投与した結果、潰瘍部位の亜鉛濃度は投与後12時間まで投与前値(内因性亜鉛濃度)に比べ高値を示した。

16.4 代謝

本剤は吸収過程で亜鉛とL‐カルノシンに解離し、L‐カルノシンはさらにL‐ヒスチジン及びβ‐アラニンに代謝される。これらアミノ酸及び吸収された亜鉛は、それぞれ内因性の代謝系に従って挙動するものと考えられた。

16.5 排泄

16.5.1 尿中排泄

本剤投与による亜鉛の尿中排泄率注3)は、健康成人男性6名にポラプレジンクとして150mg単回投与において、絶食時0.47%であった。また、健康成人男性6名にポラプレジンクとして1回150mg1日3回7日間連続投与において、1日の尿中亜鉛排泄率は、0.21%〜0.46%であった。

注3)ポラプレジンク非投与時の内因性尿中亜鉛量を差し引いて算出。

16.5.2 糞中排泄

健康成人男性6名にポラプレジンクとして1回300mg絶食下経口投与による糞中亜鉛の累積排泄率は、投与後24時間までで41.4%、投与後48時間までで58.8%であった。ポラプレジンク投与後24時間までの累積において、糞中に排泄された亜鉛量は、投与前の約2倍であったが、亜鉛の吸収率は低いことから、未吸収の亜鉛によるものと考えられる。