Antaa DI

drug

タケキャブOD錠20mg

ボノプラザンフマル酸塩口腔内崩壊錠

プロトンポンプ阻害薬(PPI) >>

特徴

  • 従来のPPIと、異なる作用機序でプロトン

専門医コメント

アモキシシリン、クラリスロマイシンとのパ

用法・用量

〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍〉

通常、成人にはボノプラザンとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍では8週間までの投与、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。〈逆流性食道炎〉

通常、成人にはボノプラザンとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、逆流性食道炎の場合、通常4週間までの投与とし、効果不十分の場合は8週間まで投与することができる。

さらに、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1回20mgを1日1回経口投与することができる。

〈低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉通常、成人にはボノプラザンとして1回10mgを1日1回経口投与する。〈非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉通常、成人にはボノプラザンとして1回10mgを1日1回経口投与する。〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合、通常、成人にはボノプラザンとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。

プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはボノプラザンとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. アタザナビル硫酸塩投与中、リルピビリン塩酸塩投与中の患者〔10.1参照〕。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

①胃潰瘍、十二指腸潰傷、②逆流性食道炎、③低用量アスピリン・NSAIDs投与時の胃漬瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、④胃漬瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃・H.pylori感染胃炎におけるH.pylori除菌の補助

効果・効能

1). 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は低用量アスピリン投与時における十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は非ステロイド性抗炎症薬投与時における十二指腸潰瘍の再発抑制。

2). 次記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎。

効果・効能に関連する注意

5.1. 〈低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉血栓・塞栓の形成抑制のために低用量のアスピリンを継続投与している患者を投与対象とし、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。5.2. 〈非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉関節リウマチ、変形性関節症等における疼痛管理等のために非ステロイド性抗炎症薬を長期継続投与している患者を投与対象とし、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の場合、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。

5.3. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。5.4. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。

5.5. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。

5.6. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であることを確認及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 〈効能共通〉ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。11.1.2. 〈効能共通〉汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)。

11.1.3. 〈効能共通〉肝機能障害(頻度不明)。

11.1.4. 〈効能共通〉中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)。

11.1.5. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):ヘリコバクター・ピロリの除菌に用いるアモキシシリン水和物、クラリスロマイシンでは、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉

@. 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉消化器:(0.1〜5%未満)便秘、下痢、腹部膨満感、悪心。A. 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉過敏症:(0.1〜5%未満)発疹。

B. 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、AL−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

C. 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉その他:(0.1〜5%未満)浮腫、好酸球増多。2). 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉

@. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉消化器:(5%以上)下痢(10.6%)、(0.1〜5%未満)味覚異常、口内炎、腹部不快感、腹部膨満感。A. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉過敏症:(0.1〜5%未満)発疹。B. 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇。

頻度表示は胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるボノプラザンフマル酸塩、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与の試験成績に基づく。

重要な基本的な注意

8.1. 〈効能共通〉本剤の長期投与にあたっては、定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分行うこと。

8.2. 〈逆流性食道炎〉維持療法においては、再発・再燃を繰り返す患者に対し投与することとし、本来維持療法の必要のない患者に投与することのないよう留意し、寛解状態が長期にわたり継続する症例で、再発するおそれがないと判断される場合は1回20mgから1回10mgへの減量又は休薬を考慮すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

腎機能障害患者

腎機能障害患者:本剤の排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある〔16.6.1参照〕。

肝機能障害患者

肝機能障害患者:本剤の代謝、排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある〔16.6.2参照〕。

相互作用

本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19及びCYP2D6で代謝される。また、本剤は弱いCYP3A4阻害作用を有する。本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制する可能性がある。10.1. 併用禁忌:

1). アタザナビル硫酸塩<経口><レイアタッツ>〔2.2参照〕[アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下する可能性がある)]。2). リルピビリン塩酸塩<経口><エジュラント>〔2.2参照〕[リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある)]。10.2. 併用注意:

1). CYP3A4阻害剤(クラリスロマイシン等)〔16.7.1、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある(クラリスロマイシンとの併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある)]。

2). ジゴキシン<経口>、メチルジゴキシン<経口>[併用薬剤の作用を増強する可能性がある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある)]。

3). イトラコナゾール、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ)、ネルフィナビルメシル酸塩[併用薬剤の作用を減弱する可能性がある(本剤の胃酸分泌抑制作用により併用薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。4). CYP3A4で代謝される薬剤(ミダゾラム等)〔16.7.4参照〕[併用薬剤の作用を増強する可能性がある(本剤のCYP3A4に対する弱い阻害作用により、併用薬剤の代謝が阻害される)]。

5). 強いCYP3A4誘導剤又は中程度のCYP3A4誘導剤(リファンピシン、エファビレンツ等)〔16.7.5参照〕[本剤の血中濃度が低下する可能性がある(併用薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される可能性がある)]。

高齢者

一般に高齢者では肝機能、腎機能等の生理機能が低下している。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(ラット)において、最大臨床用量(40mg/日)におけるボノプラザンの曝露量(AUC)の約28倍を超える曝露量で、胎仔体重低値及び胎盤重量低値、外表異常(肛門狭窄及び尾異常)、並びに内臓異常(膜性部心室中隔欠損及び鎖骨下動脈起始異常)が認められている)。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。

取扱い上の注意

20.1. 開封後は湿気を避けて保存し、なるべく速やかに使用すること。20.2. 分割後やむを得ず保存する場合には、湿気、光を避けて保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤の長期投与中に良性胃ポリープを認めたとの報告がある。15.1.2. 本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。

15.1.3. 海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されており、特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。

15.1.4. 海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

マウス及びラット2年間経口投与がん原性試験において、臨床用量(20mg/日)におけるボノプラザンの曝露量(AUC)と等倍程度の曝露量で胃神経内分泌腫瘍が、約300倍で胃腺腫(マウス)が、また、約13倍以上(マウス)及び約58倍以上(ラット)で肝臓腫瘍が認められている。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 タケキャブOD錠20mg

有効成分 1錠中

ボノプラザンフマル酸塩 26.72mg

(ボノプラザンとして20mg)

添加剤 D‐マンニトール、結晶セルロース、乳糖水和物、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ヒプロメロース、無水クエン酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、軽質無水ケイ酸、コハク酸、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、フマル酸ステアリルナトリウム、アセスルファムカリウム、アスパルテーム(L‐フェニルアラニン化合物)、トリアセチン、フマル酸一ナトリウム、香料

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3.2 製剤の性状

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販売名 タケキャブOD錠20mg

色調・剤形 白色〜ほとんど白色の両面割線入りの素錠

製剤表示 タケキャブ OD20

形状 上面 <<図省略>>

下面 <<図省略>>

側面 <<図省略>>

直径(mm) 約10.1

厚さ(mm) 約4.5

質量(mg) 約440

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薬効薬理

18.1 作用機序

ボノプラザンは酸による活性化を必要とせず、可逆的でカリウムイオンに競合的な様式でH+,K+‐ATPaseを阻害する。ボノプラザンは塩基性が強く胃壁細胞の酸生成部位に長時間残存して胃酸生成を抑制する。消化管上部の粘膜損傷形成に対して、ボノプラザンは強い抑制作用を示す。ボノプラザンは抗ヘリコバクター・ピロリ活性及びヘリコバクター・ピロリウレアーゼ阻害活性は示さない。

18.2 胃酸分泌作用

健康成人男性において、ボノプラザン10mg又は20mgの7日間反復投与により24時間中に胃内pHが4以上を示す時間の割合は、それぞれ63±9%又は83±17%であった。

18.3 ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助作用

ヘリコバクター・ピロリ除菌治療におけるボノプラザンの役割は胃内pHを上昇させることにより、併用されるアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、メトロニダゾールの抗菌活性を高めることにあると考えられる。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 生物学的同等性試験

健康成人男性24例にタケキャブOD錠20mg(水なしで服用又は水で服用)、あるいはタケキャブ錠20mg(水で服用)を、クロスオーバー法にて朝食絶食下に単回経口投与した時、ボノプラザンの薬物動態学的パラメータは次表のとおりであり、タケキャブOD錠(水なしで服用又は水で服用)は、タケキャブ錠(水で服用)と生物学的に同等であった。

また、タケキャブOD錠20mgとタケキャブOD錠10mgは溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

タケキャブOD錠20mg(水なしで服用)又はタケキャブ錠20mg(水で服用)を単回経口投与時の薬物動態学的パラメータ

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用量・剤形            OD錠20mg(水なしで服用) 錠20mg(水で服用)

Tmax(h)          2.0(1.0、4.0)    1.8(1.0、3.0)

Cmax(ng/mL)      24.0±7.8        25.5±8.1

T1/2(h)          7.0±0.9         7.1±0.8

AUClast(ng・h/mL) 202.5±68.0      205.4±67.7

24例の平均値±標準偏差(ただし、Tmaxは中央値(最小値、最大値))

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タケキャブOD錠20mg(水で服用)又はタケキャブ錠20mg(水で服用)を単回経口投与時の薬物動態学的パラメータ

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用量・剤形            OD錠20mg(水で服用) 錠20mg(水で服用)

Tmax(h)          2.0(1.0、4.0)  2.0(1.0、4.0)

Cmax(ng/mL)      23.3±7.7      25.2±8.6

T1/2(h)          7.2±0.9       7.1±1.2

AUClast(ng・h/mL) 218.0±81.8    214.1±75.8

24例の平均値±標準偏差(ただし、Tmaxは中央値(最小値、最大値))

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16.1.2 反復投与

健康成人男性を対象に10mg又は20mgを1日1回7日間反復経口投与した時、投与7日目のボノプラザンのAUC(0−tau)及びCmaxは投与量の増加に伴い増加し、これらの増加の程度は投与量比をわずかに上回る。また、ボノプラザンの血中濃度のトラフ値は、投与3日目から7日目まで一定であり、投与3日目までに定常状態に達していると考えられる。さらに、ボノプラザンのAUC(0−tau)及びT1/2に関する蓄積性評価の結果から、反復投与時のボノプラザンの薬物動態に時間依存性はないと考えられる。投与7日目のボノプラザンの薬物動態学的パラメータは次表のとおりである。

10mg又は20mg反復投与時の薬物動態学的パラメータ(健康成人男性)

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投与量                 10mg          20mg

Tmax(h)             1.5(0.75、3.0) 1.5(0.75、3.0)

Cmax(ng/mL)         12.0±1.8      23.3±6.6

T1/2(h)             7.0±1.6       6.1±1.2

AUC(0−tau)(ng・h/mL) 79.5±16.1     151.6±40.3

9例の平均値±標準偏差(ただし、Tmaxは中央値(最小値、最大値))

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16.2 吸収

16.2.1 食事の影響

健康成人男性を対象に20mgを絶食下及び食後に単回経口投与した時のボノプラザンの薬物動態学的パラメータ及び血中濃度推移は次のとおりであり、薬物動態に及ぼす食事の影響はほとんどみられなかった。

20mg絶食下及び食後単回投与時の薬物動態学的パラメータ(健康成人男性)

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投与条件             絶食下          食後

Tmax(h)          1.5(1.0、3.0) 3.0(1.0、4.0)

Cmax(ng/mL)      24.3±6.6     26.8±9.6

T1/2(h)          7.7±1.0      7.7±1.2

AUC0−48(ng・h/mL) 222.1±69.7   238.3±71.1

12例の平均値±標準偏差(ただし、Tmaxは中央値(最小値、最大値))

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20mg絶食下及び食後単回投与時のボノプラザンの血中濃度推移

<<図省略>>

16.3 分布

16.3.1 蛋白結合率

[14C]ボノプラザンを0.1〜10μg/mLの範囲でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は、85.2〜88.0%である(in vitro)。

16.4 代謝

16.4.1 ボノプラザンは主としてCYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19及びCYP2D6で代謝される。また、硫酸転移酵素SULT2A1でも代謝される(in vitro)。

16.4.2 ボノプラザンは、CYP2B6、CYP2C19及びCYP3A4/5に対して時間依存的な阻害作用を示す(in vitro)。また、ボノプラザンは、濃度依存的なCYP1A2誘導作用をわずかに示すが、CYP2B6及びCYP3A4/5誘導作用はほとんど示さない(in vitro)。

16.5 排泄

外国人健康成人男性を対象に放射性標識体(ボノプラザンとして15mg)を経口投与したとき、投与168時間後までに、投与された放射能の98.5%が尿及び糞便中に排泄される。このうち、67.4%が尿中へ、31.1%が糞便中へ排泄される。

16.6 特定の背景を有する患者

16.6.1 腎機能障害患者

腎機能正常者(eGFR:90mL/min/1.73m2以上)、軽度(eGFR:60〜89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR:30〜59mL/min/1.73m2)及び高度腎機能障害(eGFR:15〜29mL/min/1.73m2)のある患者、並びに末期腎不全(ESRD)(eGFR:15mL/min/1.73m2未満)患者を対象にボノプラザンとして20mgを投与した時の薬物動態に及ぼす腎機能障害の影響を検討した外国で実施した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0−inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度腎機能障害のある患者では腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3〜2.4倍及び1.2〜1.8倍高く、腎機能の低下に伴い増加し、また、ESRD患者におけるAUC(0−inf)及びCmaxは、腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3倍及び1.2倍高い。[9.2参照]

16.6.2 肝機能障害患者

肝機能正常者、並びに軽度(Child‐Pugh分類スコアA)、中等度(Child‐Pugh分類スコアB)及び高度肝機能障害(Child‐Pugh分類スコアC)のある患者を対象にボノプラザンとして20mgを投与した時の薬物動態に及ぼす肝機能障害の影響を検討した外国で実施した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0−inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度肝機能障害のある患者では肝機能正常者と比較してそれぞれ1.2〜2.6倍及び1.2〜1.8倍高い。[9.3参照]

16.7 薬物相互作用

16.7.1 ボノプラザン、クラリスロマイシン併用時の薬物動態

外国健康成人男性を対象に1日目及び8日目にボノプラザンとして40mgを朝食30分後に単回投与し、3〜9日目にクラリスロマイシンとして500mg(力価)を1日2回、朝夕食30分前に反復投与した試験の結果、ボノプラザンのAUC(0−inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してクラリスロマイシンとの併用投与時に1.6倍及び1.4倍増加する。[10.2参照]

16.7.2 ボノプラザン、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン併用時の薬物動態

健康成人男性を対象にボノプラザンとして20mg、アモキシシリン水和物として750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして400mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間併用投与した試験の結果、アモキシシリン未変化体の薬物動態に及ぼす影響は見られないものの、3剤併用投与によりボノプラザンのAUC(0−12)及びCmaxはそれぞれ1.8倍及び1.9倍増加し、クラリスロマイシン未変化体のAUC(0−12)及びCmaxはそれぞれ1.5倍及び1.6倍増加する。[10.2参照]

16.7.3 ボノプラザン、低用量アスピリン又はボノプラザン、非ステロイド性抗炎症薬併用時の薬物動態

健康成人男性を対象にボノプラザン40mg、アスピリン100mg又は非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウム60mg、ジクロフェナクナトリウム25mg又はメロキシカム10mg)を併用投与した試験の結果、ボノプラザンの薬物動態に及ぼす低用量アスピリン又は非ステロイド性抗炎症薬の影響、及び低用量アスピリン又は非ステロイド性抗炎症薬の薬物動態に及ぼすボノプラザンの影響について、いずれも明らかな影響は見られなかった。

16.7.4 ボノプラザン、ミダゾラム併用時の薬物動態

外国健康成人を対象に1日目及び9日目にミダゾラム2mgを単回経口投与し、2〜10日目にボノプラザンとして20mgを1日2回反復経口投与した試験の結果、ミダゾラムのAUC(0−inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してボノプラザンとの併用時にいずれも1.9倍増加する。[10.2参照]

16.7.5 生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション(リファンピシン、エファビレンツ)

ボノプラザンとして10、20、40mgを単回投与又は10mgを1日1回、20mgを1日1回若しくは2回、7日間反復経口投与し、リファンピシン600mgを1日1回併用投与したときで、ボノプラザンのAUCtauは78〜81%低下、Cmaxは71%又は72%低下することが推定された。

ボノプラザンとして10、20、40mgを単回投与又は10mgを1日1回、20mgを1日1回若しくは2回、7日間反復経口投与し、エファビレンツ600mgを1日1回併用投与したときで、ボノプラザンのAUCtauは54%低下、Cmaxは44〜46%低下することが推定された。[10.2参照]