特徴
制酸作用、緩下作用を有する。
専門医コメント
実臨床で使用されることはほとんどない。
用法・用量
1.胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)における制酸作用と症状の改善:炭酸マグネシウムとして、通常成人1日2gを数回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2.便秘症:炭酸マグネシウムとして、通常成人1日3〜8gを頓用又は数回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
適応
下記疾患における制酸作用と症状の改善:胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
効果・効能
1.次記疾患における制酸作用と症状の改善:胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃炎(急性胃炎・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)。
2.便秘症。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
その他の副作用
1.代謝異常:(頻度不明)高マグネシウム血症[長期・大量投与により発現することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行う]。
2.消化器:(頻度不明)下痢等。
慎重投与
1.腎障害のある患者[血中マグネシウム濃度が上昇する恐れがある]。2.心機能障害、肺機能障害のある患者[心機能障害及び肺機能障害を増悪させる恐れがある]。
3.下痢のある患者[マグネシウムが下痢を促進する恐れがある]。4.高マグネシウム血症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。
相互作用
併用注意:
1.テトラサイクリン系抗生物質<経口>(ミノサイクリン<経口>、ドキシサイクリン<経口>、テトラサイクリン<経口>等)、ニューキノロン系抗菌剤<経口>(ノルフロキサシン<経口>、シプロフロキサシン<経口>、トスフロキサシン<経口>等)、エチドロン酸二ナトリウム<経口>、セフジニル<経口>[これらの薬剤の効果が減弱する恐れがあるので、投与間隔をできるだけあけるなど注意する(マグネシウムがこれらの薬剤と難溶性のキレートを形成し、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる)]。2.他の併用薬剤[併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与する(本剤の吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇による)]。3.大量の牛乳、カルシウム製剤<経口>[milk−alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)が現れる恐れがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止する(腸管からのカルシウム吸収が増大する)]。
高齢者
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
組成・性状
1.組成
本品1g中 日局炭酸マグネシウム1g 含有。
本品は定量するとき、酸化マグネシウム(MgO:40.30)40.0〜44.0%を含む。
2.性状
本品は白色のもろい塊又は粉末で、においはない。
本品は水、エタノール(95)、1‐プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は希塩酸に泡立って溶ける。
本品の飽和水溶液はアルカリ性である。
薬効薬理
本剤は制酸作用を有しているが、その効力は酸化マグネシウムの約1/2である。胃酸を中和して炭酸ガスを発生すると共に塩化物を形成し、これが腸に移行して炭酸水素塩となり、塩類下剤として瀉下作用を呈する。この作用は硫酸マグネシウムより弱く、緩和な便通を望むときの制酸剤に適している。