特徴
成人1回30~60mL、1日1~3回直腸
専門医コメント
小児での容量は1-2mL/kg。小児科で
用法・用量
通常、成人1回30〜60mL、1日1〜3回直腸内に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌
2.1. 腸管内出血、腹腔内炎症のある患者、腸管穿孔またはそのおそれのある患者[腸管外漏出による腹膜炎の誘発、蠕動運動亢進作用による症状の増悪、グリセリンの吸収による溶血、腎不全を起こすおそれがある]〔9.1.1参照〕。2.2. 全身衰弱の強い患者[強制排便により衰弱状態を悪化させ、ショックを起こすおそれがある]。
2.3. 下部消化管術直後の患者[蠕動運動亢進作用により腸管縫合部の離解をまねくおそれがある]。
2.4. 吐気、嘔吐または激しい腹痛等、急性腹症が疑われる患者[症状を悪化させるおそれがある]。
用法・用量に関連する注意
<注入方法>
1.本品をそのまま温湯(約40℃)に入れ、体温近くまで加温する。2.注入管を精製水等で洗浄する。
3.注入管先端のキャップを外し、中の液を少し出して先端部の周囲を潤すか、あるいはオリブ油、ワセリン等を塗布して挿入しやすくする。
4.容器内の空気を追い出した後、注入管を肛門内に徐々に挿入(挿入の目安 成人:6〜10cm、小児:3〜6cm、乳児:3〜4cm)する。5.片手で注入管を固定しながら、容器胴部を圧迫して浣腸液を直腸内にゆっくりと注入する。
6.浣腸液注入後、注入管を静かに抜き取り、肛門部を脱脂綿等で圧迫する。7.約2〜5分経過して、便意が強まってくるのを待って排便する。注入管を無理に挿入すると直腸粘膜を傷つける恐れがあるので注意する。容器内の残液は、必ず廃棄する。
容器を強く圧迫すると爪が容器に当たって破裂さす恐れがあるので、注意する(注入管挿入時、先端に糞便が詰まって薬液を注入することが出来なくなることがある)。
適応
浣腸液の調剤、 溶剤、 軟膏基剤、 湿潤・粘滑剤として調剤に用いる
効果・効能
便秘。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹等。
2). 消化器:(頻度不明)腹痛、腹鳴、腹部膨満感、直腸不快感、肛門部違和感・肛門部熱感、残便感等。
3). 循環器:(頻度不明)血圧変動。
慎重投与
1.局所に炎症・創傷(腸管炎症・腸管創傷、肛門炎症・肛門創傷)のある患者[出血を促しグリセリンが吸収され溶血を、また、腎不全を起こす恐れがある]。2.腸管麻痺のある患者[蠕動運動亢進作用により腹痛等の症状を増悪させる恐れがある]。
3.重症硬結便のある患者[浣腸剤では十分な効果が得られず、腹痛等の症状を増悪させる恐れがある]。
4.重篤な心疾患のある患者[症状を増悪させる恐れがある]。5.乳児[患者側の反応を十分に把握できない場合、過量投与に陥りやすい]。6.高齢者、妊婦。
重要な基本的な注意
連用による耐性増大等のため効果が減弱し薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避けること。
特定の背景を有する患者に関する注意
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 局所に炎症・創傷(腸管炎症・腸管創傷、肛門炎症・肛門創傷)のある患者:出血を促しグリセリンが吸収され溶血を、また、腎不全を起こすおそれがある〔2.1参照〕。
9.1.2. 腸管麻痺のある患者:蠕動運動亢進作用により腹痛等の症状を増悪させるおそれがある。
9.1.3. 重症硬結便のある患者:浣腸剤では十分な効果が得られず、腹痛等の症状を増悪させるおそれがある。
9.1.4. 重篤な心疾患のある患者:症状を増悪させるおそれがある。
高齢者
少量から開始するなど慎重に投与すること(高齢者では過度の瀉下作用により体液量減少等をきたし、脱水等を起こすことがある)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(子宮収縮を誘発して流早産を起こす危険性がある)。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
乳児に投与する場合は慎重に投与すること(患児側の反応を十分に把握できない場合、過量投与に陥りやすい)。
適用上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意
(1). 浣腸用にのみ使用すること。
(2). 注入に際し、直腸粘膜を損傷することがあるので、慎重に挿入する(挿入時、損傷を起こし、出血がみられた場合、グリセリンが血管内に入り、溶血を起こすおそれがある)。
(3). 患者の状態を観察しながら投与し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
14.2. 薬剤投与後の注意
連続の使用を避け、1個を1回で使用し、使用残液は容器ごと廃棄すること。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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有効成分 100g中 日局 グリセリン50g
添加剤 エチルパラベン、ブチルパラベン
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3.2 製剤の性状
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性状 無色澄明の液で、においはない。
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容量 外観・形状 全長 注入管の長さ
120mL <<図省略>> <<図省略>> 265mm 145mm
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薬効薬理
18.1 作用機序
グリセリンは直腸内への注入によって腸管壁の水分を吸収することに伴う刺激作用により腸管の蠕動を亢進させ、また、浸透作用により糞便を軟化、膨潤化させることにより糞便を排泄させると考えられている。
18.2 生物学的同等性試験
グリセリン浣腸「ヤマゼン」と先発品の排便効果について動物実験(ラット)を実施した結果、グリセリン浣腸「ヤマゼン」の生物学的同等性が確認された。