Antaa DI

drug

フリバスOD錠25mg

ナフトピジル口腔内崩壊錠

α1遮断薬(前立腺肥大治療薬) >>

特徴

  • α1D(16.7)>α1A(5.4)>α

専門医コメント

肝代謝であることから、腎機能障害のある患

用法・用量

通常、成人にはナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて50〜75mgに漸増し、1日1回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は75mgまでとする。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

前立腺肥大症に伴う排尿障害

効果・効能

前立腺肥大症に伴う排尿障害。

効果・効能に関連する注意

本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.1.2. 失神、意識喪失(頻度不明):血圧低下に伴う一過性意識喪失等があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(0.1〜1%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒感、蕁麻疹、(頻度不明)多形紅斑。

2). 精神神経系:(0.1〜1%未満)めまい・ふらつき、頭痛・頭重、(0.1%未満)倦怠感、眠気、耳鳴、しびれ感、振戦、味覚異常、(頻度不明)頭がボーッとする。

3). 循環器:(0.1〜1%未満)立ちくらみ、低血圧、(0.1%未満)動悸、ほてり、不整脈(期外収縮、心房細動等)、(頻度不明)頻脈。4). 消化器:(0.1〜1%未満)胃部不快感、下痢、(0.1%未満)便秘、口渇、嘔気、嘔吐、膨満感、腹痛。

5). 肝臓:(0.1〜1%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)LDH上昇、Al−P上昇。

6). 血液:(頻度不明)血小板数減少。

7). 眼:(0.1%未満)霧視、(頻度不明)術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)、色視症。

8). その他:(0.1%未満)浮腫、尿失禁、悪寒、眼瞼浮腫、肩こり、鼻閉、勃起障害、(頻度不明)女性化乳房、胸痛。

発現頻度は使用成績調査を含む。

重要な基本的な注意

8.1. 起立性低血圧があらわれることがあるので、体位変換による血圧変化に注意すること。

8.2. 本剤の投与初期又は用量の急増時等に、起立性低血圧に基づくめまい、立ちくらみ等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。

8.3. 本剤投与開始時に降圧剤投与の有無について問診を行い、降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し、血圧低下がみられたときには、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと〔10.2参照〕。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 重篤な心疾患のある患者:使用経験がない。9.1.2. 重篤な脳血管障害のある患者:使用経験がない。(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:健常人に比し、最高血漿中濃度が約2倍、血漿中濃度曲線下面積が約4倍に増加したとの報告がある。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 利尿剤、降圧剤〔8.3参照〕[降圧作用が増強するおそれがあるので、減量するなど注意すること(本剤及び併用薬の降圧作用が互いに協力的に作用する)]。2). ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物等)[併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがある(これらは血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。

高齢者

低用量(例えば12.5mg/日等)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は、主として肝臓から排泄されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある)。

適用上の注意

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。

14.1.3. 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。本剤は光により変色することがある(変色したものは使用しない)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 類似化合物(プラゾシン塩酸塩)で腎及びその他の動脈狭窄のある高血圧、脚部及びその他の動脈瘤のある高血圧等の血管障害のある高血圧患者で、急性熱性多発性関節炎がみられたとの報告がある。

15.1.2. α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。15.2. 非臨床試験に基づく情報

動物実験(マウス)において、300mg/kg/日(臨床最大用量の約200倍)を2年間経口投与した場合、雌で乳腺腫瘍の発生頻度が対照群に比し有意に増加したとの報告がある。また、マウスに同用量を77週間経口投与した結果、対照群に比し血清プロラクチンが上昇したとの報告がある。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 フリバスOD錠25mg

有効成分 1錠中

日局 ナフトピジル 25mg

添加剤 エリスリトール、ヒドロキシプロピルセルロース、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、l‐メントール

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3.2 製剤の性状

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販売名 フリバスOD錠25mg

色・剤形 白色・口腔内崩壊錠

外形 表 <<図省略>>

裏 <<図省略>>

側面 <<図省略>>

大きさ 直径7.0mm

厚み2.6mm

重量 100mg

識別コード ◇214

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薬効薬理

18.1 作用機序

α1受容体遮断作用に基づき前立腺部及び尿道に分布する交感神経の緊張を緩和し、尿道内圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。

18.2 ヒトでの作用

18.2.1 交感神経系α受容体に対する親和性

ヒト前立腺膜標本を用いた受容体結合実験で、α1受容体への親和性を示した。

18.2.2 前立腺に対する作用

α1受容体作動薬によるヒト摘出前立腺平滑筋の収縮を抑制した。

18.2.3 排尿障害改善作用

前立腺肥大症に伴う排尿障害患者に対する臨床薬理試験において、最大尿道閉鎖圧及び最小尿道抵抗が有意に低下し、最大尿流率及び平均尿流率が有意に増加した。

18.3 動物での作用

18.3.1 前立腺、尿道及び膀胱三角部に対する作用

α1受容体作動薬によるウサギ摘出前立腺、尿道及び膀胱三角部平滑筋の収縮を抑制した。

18.3.2 尿道内圧に対する作用

無麻酔雄ウサギにおいて、尿道内圧を用量依存的に低下させた。麻酔雄イヌにおいては、下腹神経の電気刺激による尿道内圧の上昇を用量依存的に抑制した。また、α1受容体作動薬による血圧上昇に対する抑制よりも、尿道内圧上昇を選択的に抑制した。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与・反復投与

健康成人にナフトピジル25、50及び100mg注)を空腹時に単回経口投与したとき、次記のデータが得られている。

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            25mg      50mg      100mg注)

Tmax(時間)    0.45±0.21 0.75±0.71 0.65±0.22

Cmax(ng/mL) 39.3±10.3 70.1±32.9 134.8±55.8

半減期(時間)     15.2±4.7  10.3±4.1  20.1±13.7

(n=5、平均±標準偏差)

注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて50〜75mgに漸増し、1日1回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は75mgまでとする。」である。

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また、1回50mgを1日2回食後反復経口投与注)すると、血清中濃度は4回目投与で定常状態に達した。

16.1.2 生物学的同等性試験

健康成人にフリバスOD錠50mg(口腔内崩壊錠:以下OD錠)(水なし又は水で服用)とフリバス錠50mg(普通錠:以下普通錠)(水で服用)を空腹時に単回経口投与した場合、生物学的に同等であることが確認された。

健康成人男子に単回経口投与した際の薬物動態パラメータの比較(1)

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フリバスOD錠50mg(水なしで服用)とフリバス錠50mg(水で服用)

投与量             Tmax(時間) Cmax(ng/mL) 半減期(時間)  AUCt(ng・hr/mL) AUC0〜∞(ng・hr/mL)

OD錠50mg(水なしで服用) 0.8±0.4  100.0±23.5  11.2±6.8 255.2±41.7     289.1±55.8

普通錠50mg(水で服用)   0.7±0.3  105.5±19.1  9.6±7.5  241.7±57.5     273.3±88.1

(n=19、平均±標準偏差)

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健康成人男子に単回経口投与した際の薬物動態パラメータの比較(2)

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フリバスOD錠50mg(水で服用)とフリバス錠50mg(水で服用)

投与量           Tmax(時間) Cmax(ng/mL) 半減期(時間)  AUCt(ng・hr/mL) AUC0〜∞(ng・hr/mL)

OD錠50mg(水で服用) 0.5±0.1  120.5±39.2  10.5±7.0 243.5±67.7     271.7±76.6

普通錠50mg(水で服用) 0.6±0.2  124.3±40.2  10.6±7.2 233.0±56.8     263.4±62.7

(n=19、平均±標準偏差)

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16.2 吸収

16.2.1 食事の影響

健康成人にナフトピジル50mgを空腹時及び食後に単回経口投与すると、最高血清中未変化体濃度到達時間はそれぞれ0.75時間及び2.20時間であり、食後投与で遅延する傾向を示し、血清中濃度−時間曲線下面積はわずかに増大したが、最高血清中濃度及び消失相の半減期に変化がなく、ナフトピジルの吸収に及ぼす食事の影響は少なかった。

16.3 分布

16.3.1 蛋白結合率

健康成人にナフトピジル100mg注)を空腹時単回経口投与したときの血清蛋白結合率は98.5%であった。

16.4 代謝

主要代謝反応は、未変化体のグルクロン酸抱合及びメトキシフェニル基の水酸化であった。

16.5 排泄

健康成人にナフトピジル25、50及び100mg注)を単回経口投与したときの投与後24時間までの尿中未変化体排泄率はいずれも0.01%以下であった。

注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて50〜75mgに漸増し、1日1回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は75mgまでとする。」である。