特徴
CLDM。グラム陽性菌、嫌気性菌に対して
専門医コメント
グラム陽性菌・嫌気性菌に静菌的に効果を認
用法・用量
本品の適量を1日2回、洗顔後、患部に塗布する。
禁忌
本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
7.1. 本剤を塗布する面積は治療上必要最小限にとどめること。7.2. 本剤の使用にあたっては、4週間で効果が認められない場合には使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しないこと。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、涙嚢炎、麦粒腫、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎、猩紅熱
効果・効能
ざ瘡<化膿性炎症を伴うもの>。
適応菌種
クリンダマイシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに使用を中止し、輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと〔9.1.1参照〕。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚つっぱり感、皮膚パリパリ感、(頻度不明)グラム陰性菌毛嚢炎、脂性肌。
2). 過敏症:(5%以上)そう痒、(0.1〜5%未満)発赤[発赤の誘発又は発赤悪化]、蕁麻疹、刺激感、ヒリヒリ感、(頻度不明)接触皮膚炎。3). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、総ビリルビン上昇、ウロビリノーゲン陽性。
4). その他:(0.1〜5%未満)白血球増加、血小板増加、総コレステロール低下、尿蛋白、尿糖、(頻度不明)消化器障害。
慎重投与
1.抗生物質に関連した下痢又は抗生物質に関連した大腸炎の既往歴のある患者[偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎が現れる恐れがある]。
2.アトピー性体質の患者[重症の即時型アレルギー反応が現れる恐れがある]。
重要な基本的な注意
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。
特定の背景を有する患者に関する注意
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 抗生物質に関連した下痢又は抗生物質に関連した大腸炎の既往歴のある患者:偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある〔11.1.1参照〕。9.1.2. アトピー性体質の患者:重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。
相互作用
10.2. 併用注意:
1). エリスロマイシン[併用しても本剤の効果があらわれないと考えられる(細菌のリボソーム50S Subunitへの親和性が本剤より高い)]。2). 末梢性筋弛緩剤(スキサメトニウム塩化物水和物、ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物等)[筋弛緩作用が増強される(本剤は神経筋遮断作用を有する)]。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないことが望ましい。(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(皮膚外用に用いたときの母乳中への移行は不明である)。
小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
投与経路:皮膚外用剤として用法・用量にしたがって使用し、眼科用として使用しない。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ダラシンTゲル1%
有効成分 1g中
日局 クリンダマイシンリン酸エステル
10mg(力価)
添加剤 アラントイン、カルボキシビニルポリマー、パラオキシ安息香酸メチル、プロピレングリコール、マクロゴール400、pH調節剤
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3.2 製剤の性状
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販売名 ダラシンTゲル1%
性状 本剤は無色澄明で、粘性のある半固形状の製剤である。
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薬効薬理
18.1 作用機序
細菌のリボソーム50S Subunitに作用し、ペプチド転移酵素反応を阻止し、蛋白合成を阻害する。
18.2 抗菌作用
クリンダマイシンリン酸エステルは生体内で加水分解され、クリンダマイシンとして抗菌力を示す。クリンダマイシンはグラム陽性球菌群、嫌気性菌群及びマイコプラズマ群に対して抗菌力を示し、尋常性ざ瘡の病態に関与しているアクネ菌(及び表皮ブドウ球菌)に対して抗菌作用を示す。
薬物動態
16.1 血中濃度
〈ゲル〉
16.1.1 単回投与
健康成人男子(6名)の背部皮膚にクリンダマイシンリン酸エステルゲル1%2gを単回塗布した時の血漿中クリンダマイシン濃度は、多くの被験者のほとんどの測定時点で定量限界値(13.2pg/mL)以下であった。
16.1.2 反復投与
健康成人男子(6名)の背部皮膚にクリンダマイシンリン酸エステルゲル1%2gを12時間毎に9回反復塗布した時の塗布後12時間の血漿中クリンダマイシン濃度は、3回塗布でほぼ一定となり、最終塗布後の最高血漿中濃度は平均163.3pg/mLであった。
16.5 排泄
〈ゲル〉
健康成人男子の背部皮膚にクリンダマイシンリン酸エステルゲル1%2gを単回(6名)又は反復(6名)塗布した時の尿中クリンダマイシン排泄率は単回及び反復塗布のいずれにおいても塗布量の0.01%以下であった。