Antaa DI

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ヤクバンテープ20mg

フルルビプロフェン貼付剤(2)

NSAIDs(経皮用剤) >>

特徴

  • NSAIDsの貼付剤。

専門医コメント

貼付剤は貼付による発赤やかゆみ・痛みなど

用法・用量

1日2回、患部に貼付する。

禁忌

2.1. 本剤又は他のフルルビプロフェン製剤に対して過敏症の既往歴のある患者。2.2. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させることがある]〔9.1.1、11.1.2参照〕。

適応

変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛の消炎・鎮痛

効果・効能

次記疾患並びに症状の鎮痛・消炎:変形性関節症、肩関節周囲炎、腱炎・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・外傷後の疼痛。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.2. 喘息発作の誘発(アスピリン喘息)(頻度不明):乾性ラ音、喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は使用を中止すること(なお、本剤による喘息発作の誘発は、貼付後数時間で発現している)〔2.2、9.1.1参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚そう痒、発赤、発疹、(0.1%未満)かぶれ、皮膚ヒリヒリ感。

発現頻度は使用成績調査を含む。

慎重投与

気管支喘息のある患者[気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息の患者も含まれており、それらの患者では喘息発作を誘発することがある]。

重要な基本的な注意

8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

8.2. 慢性疾患(変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には薬物療法以外の療法も考慮すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

9.1.1. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息の患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発させることがある)〔2.2、11.1.2参照〕。

9.1.2. 皮膚感染症のある患者:感染を伴う炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤又は抗真菌剤を併用し、観察を十分に行い、慎重に使用すること(皮膚の感染症を不顕性化するおそれがある)。

高齢者

貼付部の皮膚の状態に注意しながら慎重に使用すること。

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊娠中期以降の妊婦に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。また、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意

14.1. 薬剤投与時の注意

14.1.1. 損傷皮膚及び粘膜に使用しないこと。

14.1.2. 湿疹又は発疹の部位に使用しないこと。

取扱い上の注意

高温・直射日光を避け、内袋開封後は開封口を閉じて保存すること。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

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販売名 ヤクバンテープ20mg

有効成分 日本薬局方

フルルビプロフェン

20mg

添加剤 l‐メントール、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、エステルガム、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエン、その他1成分

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3.2 製剤の性状

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販売名 ヤクバンテープ20mg

性状 ほのかなハッカの芳香を有する淡黄色の膏体を支持体に均一に展延したプラスター剤で、膏体面をライナーで被覆したものである。

大きさ(質量) 7cm×10cm(膏体0.84g/70cm2)

識別コード TAISHO 902(内袋に記載)

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薬効薬理

18.1 作用機序

フルルビプロフェンは、プロスタグランジンの合成を阻害することが報告されている(in vitro)。シクロオキシゲナーゼ活性を阻害することによりプロスタグランジンの生成を抑制し、鎮痛・抗炎症作用を示すと考えられる。

18.2 鎮痛作用

ランダルセリット法(ラット)、尿酸滑膜炎(イヌ)での疼痛反応に対して、基剤より有意に強い抑制作用を示した。

18.3 抗炎症作用

18.3.1 急性炎症に対する作用

カラゲニンによる足浮腫(ラット)、抗ラット家兎血清による背部浮腫(ラット)、紫外線紅斑(モルモット)に対して、基剤より有意に強い抑制作用を示した。

カラゲニンによる背部浮腫(ラット)、抗ラット家兎血清による背部浮腫(ラット)、紫外線紅斑(モルモット)に対しては、インドメタシン1%含有軟膏、副腎エキス含有軟膏及びサリチル酸メチル含有貼付剤と同等かそれ以上の抑制作用を示した。

18.3.2 慢性炎症に対する作用

ホルマリン浸漬濾紙法による肉芽形成(ラット)、アジュバント関節炎(ラット)に対して、基剤より有意に強い抑制作用を示した。

ペーパーディスク法による肉芽形成(モルモット)に対しては、インドメタシン1%含有軟膏、副腎エキス含有軟膏及びサリチル酸メチル含有貼付剤とほぼ同等かそれ以上の抑制作用を示した。

薬物動態

16.1 血中濃度

16.1.1 単回投与

健康成人による単回貼付(14時間、1枚中フルルビプロフェン40mg含有貼付剤)時の最高血中濃度到達時間は13.8±1.3hr、最高血中濃度は38.5±5.9ng/mLであり、半減期は10.4±0.8hrであった。(平均値±S.E.n=10)

16.1.2 反復投与

健康成人による反復貼付(1日2回、29日間、1枚中フルルビプロフェン40mg含有貼付剤)による血中濃度は、4日以降に定常状態となり、剥離48時間後には血中より消失し、蓄積性は認められなかった。

16.3 分布

16.3.1 組織内移行

変形性膝関節症等の患者に1枚中フルルビプロフェン40mg含有貼付剤を適用した場合の薬物の組織移行性を、同量のフルルビプロフェン(40mg)経口投与時と比較した結果、滑膜中濃度はやや低いが、皮下脂肪、筋肉中濃度はほぼ近似した傾向が認められた。

貼付剤、内服剤投与時の組織内濃度(6時間値)

<<図省略>>

16.4 代謝

健康成人による単回貼付(14時間、1枚中フルルビプロフェン40mg含有貼付剤)時の代謝物は経口投与時とほぼ同一であった。

16.5 排泄

健康成人による単回貼付(14時間、1枚中フルルビプロフェン40mg含有貼付剤)時の72時間までの尿中総排泄量は1.94%であった。