Antaa DI

drug

ラノコナゾール軟膏1%「イワキ」

ラノコナゾール軟膏

抗真菌薬(外用薬) >>

特徴

  • クリーム剤、液剤(外用液)、軟膏剤があり

専門医コメント

カンジダよりも白癬に有効。

用法・用量

1日1回患部に塗布する。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

適応

白癬(足白癬、体部白癬、股部白癬)、カンジダ症(指間びらん症、間擦疹、爪囲炎)、癜風

効果・効能

次記の皮膚真菌症の治療。

1). 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬。

2). カンジダ症:カンジダ症の間擦疹、カンジダ症の指間びらん症、カンジダ症の爪囲炎。

3). 癜風。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚炎(接触皮膚炎等)、皮膚刺激感、発赤、(0.1%未満)皮膚小水疱、皮膚そう痒感、皮膚亀裂、皮膚乾燥、皮膚腫脹。

重要な基本的な注意

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦・授妊婦

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

適用上の注意

14.1. 薬剤使用時の注意

14.1.1. 著しいびらん面には使用しないこと。

14.1.2. 眼科用として角膜・結膜には使用しないこと。

保管上の注意

室温保存。

組成・性状

3.1 組成

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 ラノコナゾール軟膏1%「イワキ」

有効成分 1g中

日局 ラノコナゾール 10mg(1%)

添加剤 白色ワセリン(抗酸化剤としてジブチルヒドロキシトルエンを含む)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

3.2 製剤の性状

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

販売名 ラノコナゾール軟膏1%「イワキ」

性状 白色〜微黄色の軟膏剤で、わずかに特異なにおいがある

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

薬効薬理

18.1 作用機序

ラノコナゾールは真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示す(in vitro)。

18.2 抗真菌作用

18.2.1 ラノコナゾールは、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、Candida属及びMalassezia属真菌に対して高い抗真菌活性を有する。特に皮膚糸状菌に対するMICはすべて0.04μg/mL以下であり、殺菌活性も低濃度で発現した(in vitro)。

18.2.2 ラノコナゾールは種々の病原性真菌保存株(酵母状真菌、黒色真菌、二形性真菌、Aspergillus属及びPenicillium属)に対し、広い抗真菌スペクトルを示す(in vitro)。

18.2.3 モルモット足白癬モデルに対し、ラノコナゾール1%クリーム、外用液及び軟膏は1日1回、10日間塗布により、完全に菌を陰性化した。また、モルモット体部白癬モデルにおいても1日1回、11〜14日間の塗布で同様の作用を示すとともに感染症状の改善が認められた。

18.2.4 モルモット背部にラノコナゾール1%クリームを0.1g前塗布した後、Trichophyton mentagrophytesを接種した実験では、菌接種1〜4日前の1回塗布でも感染は成立せず、良好な角質内貯留性を有することが示唆された。

薬物動態

16.1 血中濃度

ラノコナゾール1%クリーム5gを健康成人6例の背部に8時間単回塗布し血漿中未変化体濃度を測定した結果、2例で塗布8時間〜12時間後に0.35〜0.44ng/mL検出したが、それ以外は検出限界(0.3ng/mL)以下であった。また、健康成人6例の背部に、ラノコナゾール1%クリーム5gを1日あたり8時間、7日間反復塗布した結果、7日目の塗布後8時間目に0.31〜0.76(平均0.45)ng/mLを検出したが、24時間後には全例検出限界以下となった。

16.2 吸収

健康成人にラノコナゾール1%クリームを単回あるいは7日間反復塗布した結果、塗布部位からの回収率は高く、皮膚からの吸収率は低いと考えられた。

16.4 代謝

ヒト尿中の代謝物から、ジチオラン環の開裂が代謝経路の一つであると考えられた。

16.5 排泄

健康成人によるラノコナゾール1%クリームの単回及び反復塗布試験時の尿からジチオラン環開裂型の代謝物が検出され、未変化体はほとんど検出されなかった。

16.8 その他

16.8.1 生物学的同等性試験

健康成人男子20名にラノコナゾールクリーム1%「イワキ」、ラノコナゾール外用液1%「イワキ」及びラノコナゾール軟膏1%「イワキ」並びにアスタットクリーム1%、アスタット外用液1%及びアスタット軟膏1%を単回経皮投与して角層中未変化体量を測定した。生物学的同等性判定のパラメータである定常状態(外用液、軟膏:投与後4時間、クリーム:投与後6時間)及び投与後24時間における薬物回収量の対数変換値について統計解析した結果、いずれの製剤も生物学的同等性が確認された。

表1.クリーム剤 薬物回収量(ng)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

製剤\投与後時間(hr)       6           24

ラノコナゾールクリーム1%「イワキ」 260.1±137.1 488.5±231.3

アスタットクリーム1%        314.5±173.7 611.6±342.6

(平均±標準偏差、n=20)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

表2.外用液 薬物回収量(ng)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

製剤\投与後時間(hr)      4           24

ラノコナゾール外用液1%「イワキ」 683.0±203.7 1828.8±550.0

アスタット外用液1%        709.3±226.2 1934.4±582.6

(平均±標準偏差、n=20)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

表3.軟膏剤 薬物回収量(ng)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

製剤\投与後時間(hr)     4           24

ラノコナゾール軟膏1%「イワキ」 204.9±58.9  369.9±327.1

アスタット軟膏1%        258.1±111.5 416.4±370.1

(平均±標準偏差、n=20)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

薬物回収量は、被験者の選択、角層の剥離回数・適用時間等の試験条件によって異なる可能性がある。