特徴
アリルアミン系
専門医コメント
白癬に対して非常に高い効果を持つ。
用法・用量
1日1回患部に塗布する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
【内服】(外用剤で治療困難のみ)深在性皮膚真菌症(白癬性肉芽腫、スポロトリコーシス、クロモミコーシス)、表在性皮膚真菌症、白癬(爪白癬、手・足白癬、生毛部白癬、頭部白癬、ケルスス禿瘡、白癬性毛瘡、生毛部急性深在性白癬、硬毛部急性深在性白癬、手・足白癬は角質増殖型の患者及び趾間型で角化・浸軟の強い患者、生毛部白癬は感染の部位及び範囲より外用抗真菌剤を適用できない患者に限る。)、カンジダ症(爪カンジダ症)【外用】白癬(足白癬、体部白癬、股部白癬)、皮膚カンジダ症(指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む))、癜風
効果・効能
次記の皮膚真菌症の治療。
1). 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬。
2). 皮膚カンジダ症:皮膚カンジダ症の指間びらん症、皮膚カンジダ症の間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)。
3). 癜風。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1%〜5%未満)そう痒症、紅斑、(頻度不明)発疹、蕁麻疹、血管浮腫。
2). 適用部位:(0.1%〜5%未満)接触皮膚炎、発赤、刺激感、(0.1%未満)鱗屑、落屑、皮膚亀裂、(頻度不明)湿疹、皮膚乾燥、疼痛、色素沈着、皮膚灼熱感。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
小児等
低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
眼科用として角膜・結膜には使用しないよう指導すること。誤って眼に入った場合は、刺激症状があらわれることがあるので、流水で十分に目をすすぐよう指導すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報
動物実験(モルモット)において、本剤に弱い光毒性が認められている。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 有効成分(1g中) 添加剤
テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「JG」 日局 テルビナフィン塩酸塩 10mg モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリソルベート60、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、セタノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸水和物、pH調節剤
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3.2 製剤の性状
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販売名 性状・剤形
テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「JG」 わずかに特異なにおいがある、白色のクリーム状の軟膏剤
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薬効薬理
18.1 作用機序
テルビナフィン塩酸塩は真菌細胞内のスクアレンエポキシダーゼを選択的に阻害し、スクアレンの蓄積並びにエルゴステロール含量の低下をもたらし抗真菌作用を示す。皮膚糸状菌に対しては低濃度で細胞膜構造を破壊し、殺真菌的に作用する。また、C.albicansに対しては低濃度から部分的発育阻止効果を示し、高濃度では直接的細胞膜障害作用により抗真菌活性をあらわす。
18.2 抗真菌作用
18.2.1 テルビナフィン塩酸塩は広い抗真菌スペクトルをもち、皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して優れた抗真菌活性が認められている(in vitro)。
18.2.2 テルビナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(T.rubrum、T.mentagrophytes)に対して0.001〜0.01μg/mLの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。また、T.mentagrophytes発芽分生子に対し低濃度で明らかな殺真菌作用を示す(in vitro)。
18.2.3 テルビナフィン塩酸塩はC.albicansに対して0.098μg/mL以上の濃度で酵母形から菌糸形への変換を阻止し、1μg/mL以上の濃度では酵母形増殖に対し静真菌作用を示す(in vitro)。
18.3 実験的白癬に対する作用
モルモットのT.mentagrophytes感染に対しテルビナフィン塩酸塩1%外用剤1日1回塗布により、治療開始4日目には明らかな症状の改善がみられ、2週間後には優れた真菌学的治療効果が認められている。また、テルビナフィン塩酸塩1%外用剤をT.mentagrophytes接種1〜3日前に局所に単回塗布した場合、感染後14日間経過する期間を通して発症は全くみられなかったことから、薬効の持続性が示された。これはテルビナフィン塩酸塩の良好な皮膚貯留性に基づくものと考えられる。
18.4 生物学的同等性試験
テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「JG」またはラミシールクリーム1%をそれぞれモルモットのT.mentagrophytes感染に対し、菌接種後5日目より1日1回14日間塗布し、症状の推移を観察した。テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「JG」塗布群は塗布開始4日目以降症状の改善がみられ、無処置群に対して有意な真菌学的治療効果が認められた。観察期間終了時の菌陽性率は6.0%であり、無処置群(菌陽性率83.0%)と比較し有意な菌陰性化が認められた。テルビナフィン塩酸塩クリーム1%「JG」とラミシールクリーム1%では、両剤の間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
<<図省略>>
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薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人背部にテルビナフィン塩酸塩1%クリームを塗布し、24時間にわたって血漿中濃度を測定したところ、いずれの測定時点においても検出限界(1ng/mL)以下であった。
16.2 吸収
健康成人背部にテルビナフィン塩酸塩1%クリームを塗布し、24時間にわたって血漿中濃度を測定した結果、薬剤の回収率から推定される吸収率は約5%であった。
16.8 その他
16.8.1 ケラチンへの吸着性
角質層の主要構成成分であるヒトケラチンへのテルビナフィン塩酸塩の吸着性を検討したところ、73〜98%の吸着率が得られた。一方、一旦ケラチンに吸着されたテルビナフィン塩酸塩は、緩衝液で洗浄することにより遊離され、ほぼ100%の薬剤活性が回収されたことから、ケラチンがテルビナフィン塩酸塩の貯蔵器として活性型薬剤の濃度維持に役立っていると考えられる(in vitro)。