特徴
肝臓で側鎖の25位が水酸化されて活性代謝
専門医コメント
骨折抑制効果はさほど強くないが、服用が簡
用法・用量
本剤は患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する。1.慢性腎不全の場合:1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1.0μgを経口投与する。但し、年齢、症状により適宜増減する。
2.副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合:1日1回アルファカルシドールとして1.0〜4.0μgを経口投与する。但し、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。
3.小児用量:小児には1日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与する。但し、疾患、症状により適宜増減する。
腎機能用量
[慢性腎不全,骨粗鬆症] CCr<60:1日1回0.25~1μg。高カルシウム血症、高カルシウム血症による腎機能悪化に要注意
適応
慢性腎不全、 骨粗鬆症(3ugカプセルを除く)、 副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性くる病·骨軟化症【内用液のみ】 未熟児のビタミンD代謝異常
効果・効能
次記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善:慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・ビタミンD抵抗性骨軟化症。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.重大な副作用(頻度不明)
1).急性腎不全:血清カルシウム上昇を伴った急性腎不全が現れることがあるので、血清カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの適切な処置を行う。
2).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行う。
1).消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心・嘔気、嘔吐、腹部膨満感、下痢、便秘、胃痛、消化不良、口内違和感、胃部不快感、口渇等。
2).精神神経系:(頻度不明)頭痛・頭重、不眠・いらいら感、脱力感・倦怠感、眩暈、耳鳴り、老人性難聴、背部痛、下肢つっぱり感、しびれ感、眠気、記憶力減退・記銘力減退、肩こり、胸痛等。
3).循環器:(頻度不明)軽度の血圧上昇、動悸。
4).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、γ−GTP上昇。
5).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇(腎機能低下)、腎結石。6).皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒感、発疹、皮膚熱感。7).眼:(頻度不明)結膜充血。
8).骨:(頻度不明)関節周囲の石灰化(化骨形成)。
9).その他:(頻度不明)嗄声、浮腫。
重要な基本的な注意
1.過量投与を防ぐため、本剤投与中、血清カルシウム値の定期的測定を行い、血清カルシウム値が正常値を超えないよう投与量を調整する。
2.高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬し、休薬により血清カルシウム値が正常域に達したら、減量して投薬を再開する。
相互作用
併用注意:
1.マグネシウムを含有する製剤(酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等)[高マグネシウム血症が起きたとの報告がある(不明)]。
2.ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[不整脈が現れる恐れがある(本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される)]。3.カルシウム製剤<経口>(乳酸カルシウム水和物<経口>、炭酸カルシウム<経口>等)[高カルシウム血症が現れる恐れがある(本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる)]。
4.ビタミンD及びビタミンD誘導体(カルシトリオール等)[高カルシウム血症が現れる恐れがある(相加作用)]。
5.PTH製剤(テリパラチド)[高カルシウム血症が現れる恐れがある(相加作用)]。
高齢者
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意する。
妊婦・授妊婦
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ヒト妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(動物実験(ラット)で大量投与の場合、胎仔化骨遅延等がみられている)]。2.授乳中は投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせる[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない(動物実験(ラット)で授乳による新生仔への移行率は、母動物投与量の1/20に相当する)]。
小児等
小児等への投与
小児に投与する場合には、血清カルシウム値等の観察を十分に行いながら少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならぬよう慎重に投与する[幼若ラット経口投与における急性毒性は成熟ラットに比べ強く現れている]。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
取扱い上の注意
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
その他の注意
高リン血症のある患者に投与する場合はリン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げる。
保管上の注意
気密容器、遮光。
組成・性状
1.組成
アルファカルシドールカプセル3μg「日医工」は1カプセル中アルファカルシドール3μgを含有する。
添加物としてエタノール、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する。
また、カプセル剤皮にゼラチン、グリセリン、酸化チタンを含有する。
2.製剤の性状
本品は白色〜淡黄白色不透明の球形軟カプセル剤で、内容物は無色〜微黄色の澄明な粘性の液である。
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販売名 外形 包装コード
アルファカルシドールカプセル3μg「日医工」 <<図省略>> ◇ 948
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薬物動態
生物学的同等性試験
アルファカルシドールカプセル3μg「日医工」及び標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(アルファカルシドールとして3μg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中活性代謝物(1α,25(OH)2D)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0→72(pg・hr/mL) Cmax(pg/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
アルファカルシドールカプセル3μg「日医工」 3837.1792±643.8433 76.96±16.65 11.25±4.41 14.2754±7.8139
標準製剤(カプセル剤、3μg) 3481.1833±550.0169 70.05±14.54 11.50±4.17 10.7457±4.9818
(1カプセル投与、Mean±S.D.、n=12)
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<<図省略>>
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。