特徴
消化管からよく吸収され、ビタミンB1とし
専門医コメント
Wernicke脳症に対して、500mg
用法・用量
チアミン塩化物塩酸塩として、通常成人1日5〜100mgを経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
適応
ビタミンB1欠乏症の予防及び治療、ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給、ウェルニッケ脳症、脚気衝心、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合(神経痛、 筋肉痛、関節痛、 、 末梢神経炎、末梢神経麻痺、 心筋代謝障害、 便秘等の胃腸運動機能障害、 術後腸管麻痺)
効果・効能
1). ビタミンB1欠乏症の予防及び治療:ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)、ウェルニッケ脳症、脚気衝心。
2). 次記疾患のうち、ビタミンB1欠乏又はビタミンB1代謝障害が関与すると推定される場合:神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺、心筋代謝障害、便秘などの胃腸運動機能障害。
なお、前記2.の疾患に対しては、効果が無いのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
消化器:(0.1〜5%未満)軽度の胃不快感、胸やけ、下痢等。
重要な基本的な注意
特定の背景を有する患者に関する注意
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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有効成分 添加剤
1錠中 日局 セトチアミン塩酸塩水和物 35.65mg(チアミン塩化物塩酸塩として25mg) トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、デンプングリコール酸ナトリウム、白糖、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム末、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ
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3.2 製剤の性状
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性状 外形 識別コード
白色の糖衣錠 表面 裏面 側面 TTS‐318
直径 重さ 厚さ
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約6.1mm 約0.12g 約3.7mm
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薬効薬理
18.1 作用機序
セトチアミン塩酸塩はチアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1塩酸塩)に比べ消化管からの吸収が良く、生体内においてビタミンB1に転化し、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害と関係する神経機能障害、心筋障害等を改善する。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男子10名にセトチアミン塩酸塩水和物錠35.65mg(チアミン塩化物塩酸塩として25mg)を経口投与したとき、全血中総ビタミンB1濃度は投与2時間後に最高値30.0μg/dLを示し、8時間後には14.5μg/dLまで低下した(測定法:蛍光法)。
図16‐1 全血中総ビタミンB1濃度
<<図省略>>
16.2 吸収
消化管障害のない成人2名に35S‐標識セトチアミンをチアミン塩化物塩酸塩として25mg投与したとき、吸収率は4日間で約80%と推定された。
16.3 分布
イヌに35S‐標識セトチアミンを1mg投与したとき、5時間後に肝に投与量の6〜7%が分布し、次いで腎に高濃度に分布した。
16.4 代謝
本剤は生体内に広く存在する加水分解酵素によりビタミンB1に転化し、側鎖のカルボエトキシ基はエタノールと炭酸ガスになることが確認されている(in vitro)。
16.5 排泄
消化管障害のない成人2例に35S‐標識セトチアミンをチアミン塩化物塩酸塩として25mg投与したとき、初めの1、2時間内に投与量の18〜21%が尿中に排泄され、24時間で約40%、1週間で51%が排泄された。糞便中へは4日間で20%が排泄された。