特徴
プラスミノゲンのリジン結合部位と結合し、
専門医コメント
フィブリンに拮抗してプラスミノーゲンに結
用法・用量
次記1日量を3〜4回に分割経口投与する。
〜1歳:トラネキサム酸として75〜200mg(本剤として1.5〜4mL)。2〜3歳:トラネキサム酸として150〜350mg(本剤として3〜7mL)。4〜6歳:トラネキサム酸として250〜650mg(本剤として5〜13mL)。7〜14歳:トラネキサム酸として400〜1000mg(本剤として8〜20mL)。15歳〜:トラネキサム酸として750〜2000mg(本剤として15〜40mL)。なお、症状により適宜増減する。
禁忌
トロンビン投与中の患者。
腎機能用量
[内服]
15≦CCr<60:1日250〜500mg
CCr<15・透析:1日250〜500mgを週3回。透析患者は透析後。
[注射]
15≦CCr<60:初回500mg。2回以降250mgを隔日。
CCr<15・透析:初回500mg。2回以降150mgを週3回。透析患者は透析後
内服・注射ともに、高用量使用により痙攣が報告されているため、減量が必要であるが、減量方法について十分検討されていない
適応
白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、術中・術後の異常出血、肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹、扁桃炎、咽喉頭炎、口内炎
効果・効能
1.全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病、再生不良性貧血、紫斑病など、及び手術中・術後の異常出血)。
2.局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)。
3.次記疾患における紅斑・腫脹・そう痒などの症状:湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹。
4.次記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状:扁桃炎、咽喉頭炎。5.口内炎における口内痛及び口内粘膜アフタ。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.重大な副作用(頻度不明)
痙攣:人工透析患者において痙攣が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
2.その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).過敏症:(頻度不明)そう痒感、発疹等。
2).消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ。3).その他:(頻度不明)眠気。
慎重投与
1.血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症が現れる恐れのある患者[血栓を安定化する恐れがある]。
2.消費性凝固障害のある患者(ヘパリン等と併用する)[血栓を安定化する恐れがある]。
3.術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者[静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化する恐れがある(離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている)]。
4.腎不全のある患者[血中濃度が上昇することがある]。5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
相互作用
1.併用禁忌:トロンビン[血栓形成傾向が現れる恐れがある(血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する)]。
2.併用注意:
1).ヘモコアグラーゼ[大量併用により血栓形成傾向が現れる恐れがある(ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させる恐れがあると考えられている)]。2).バトロキソビン[血栓・塞栓症を起こす恐れがある(バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する)]。
3).凝固因子製剤<トロンビンは併用禁忌>(エプタコグアルファ等)[口腔等・線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進する恐れがある(凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現し、一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する)]。
高齢者
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。
適用上の注意
取扱い上の注意
安定性試験結果の概要:長期保存試験(3年)の結果、トラネキサム酸シロップ5%「NIG」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
その他の注意
イヌに長期・大量投与したところ網膜変性が現れたとの報告がある。
保管上の注意
遮光。
組成・性状
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組成 1mL中:トラネキサム酸・・・50mg
〈添加物〉
クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、精製白糖、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、黄色5号、香料
性状 オレンジ様の芳香と甘味を有するだいだい色のシロップ剤
pH 5.7〜6.5
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薬効薬理
トラネキサム酸は、抗線溶薬である。凝固した血液(フィブリン塊)は繊維素溶解(線溶)系により徐々に溶解されるが、フィブリンを分解するのはプラスミンである。トラネキサム酸はプラスミンの前駆物質であるプラスミノーゲンからプラスミンへの変換を阻害すると共に、プラスミンのフィブリンへの結合を阻害してフィブリンの溶解を防ぐ。
薬物動態
生物学的同等性試験
トラネキサム酸シロップ5%「NIG」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として250mg)健康成人男子に単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
<<図省略>>
薬物動態パラメータ
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(平均±標準偏差、n=10)
投与量(mg) AUC0−8(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
トラネキサム酸シロップ5%「NIG」 250 17.9±4.0 4.8±0.9 2.0±0.0 1.26±0.11
標準製剤(シロップ剤、5%) 250 16.4±3.9 4.5±1.0 2.0±0.0 1.23±0.09
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血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。