Antaa DI

drug

トラネキサム酸注射液1000mg「テバ」

トラネキサム酸10%10mL注射液

抗プラスミン薬 >>

特徴

  • プラスミノゲンのリジン結合部位と結合し、

専門医コメント

フィブリンに拮抗してプラスミノーゲンに結

用法・用量

トラネキサム酸として、1日250〜500mgを1〜2回に分けて静脈内又は筋肉内注射する。術中・術後などには必要に応じ1回500〜1000mgを静脈内注射するか又は500〜2500mgを点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

禁忌

1.トロンビン投与中の患者。

2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

腎機能用量

[内服]

15≦CCr<60:1日250〜500mg

CCr<15・透析:1日250〜500mgを週3回。透析患者は透析後。

[注射]

15≦CCr<60:初回500mg。2回以降250mgを隔日。

CCr<15・透析:初回500mg。2回以降150mgを週3回。透析患者は透析後

内服・注射ともに、高用量使用により痙攣が報告されているため、減量が必要であるが、減量方法について十分検討されていない

適応

白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、術中・術後の異常出血、肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹、扁桃炎、咽喉頭炎、口内炎

効果・効能

1.全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向(白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、及び手術中・術後の異常出血)。

2.局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血(肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)。

3.次記疾患における紅斑・腫脹・そう痒などの症状:湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹。

4.次記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状:扁桃炎、咽喉頭炎。5.口内炎における口内痛及び口内粘膜アフタ。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック:ショックを起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

2).痙攣:人工心肺を用いた心臓大血管手術の周術期に本剤を投与した患者において、術後に痙攣が現れることがある。また、人工透析患者において痙攣が現れたとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次記の副作用が現れることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う。

1).過敏症:(頻度不明)そう痒感、発疹等。

2).消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢。3).眼:(頻度不明)一過性色覚異常(静脈内注射時)。4).その他:(頻度不明)眠気、頭痛。

慎重投与

1.血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症が現れる恐れのある患者[血栓を安定化する恐れがある]。

2.消費性凝固障害のある患者(ヘパリン等と併用する)[血栓を安定化する恐れがある]。

3.術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者[静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化する恐れがある(離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている)]。

4.腎不全のある患者[血中濃度が上昇することがある]。

相互作用

1.併用禁忌:トロンビン[血栓形成傾向が現れる恐れがある(血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する)]。

2.併用注意:

1).ヘモコアグラーゼ[大量併用により血栓形成傾向が現れる恐れがある(ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させる恐れがあると考えられている)]。2).バトロキソビン[血栓・塞栓症を起こす恐れがある(バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する)]。

3).凝固因子製剤<トロンビンは併用禁忌>(エプタコグアルファ等)[口腔等・線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進する恐れがある(凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現し、一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する)]。

高齢者

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

適用上の注意

1.静脈内注射時:ゆっくり静脈内に投与する(急速に投与すると、まれに悪心、胸内不快感、心悸亢進、血圧低下等が現れることがある)。

2.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意する。

1).注射部位については、筋肉内注射時神経走行部位を避けて慎重に投与する。2).筋肉内注射時、繰り返し注射する場合には、左右交互に注射するなど、筋肉内注射時同一部位を避ける。なお、低出生体重児・新生児・乳児・幼児・小児には特に注意する。

3).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。

3.アンプルカット時:アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、ヤスリを用いないで、アンプル頭部のマークの反対方向に折る。

取扱い上の注意

安定性試験結果の概要:長期保存試験(3年)の結果、トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

その他の注意

イヌに長期・大量投与したところ網膜変性が現れたとの報告がある。

組成・性状

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

組成 1管(10mL)中:トラネキサム酸・・・1,000mg

〈添加物〉

pH調節剤

性状 無色澄明の注射液

pH 7.0〜8.0

浸透圧比 2.1〜2.5(日局生理食塩液に対する比)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

薬効薬理

トラネキサム酸は、抗線溶薬である。凝固した血液(フィブリン塊)は繊維素溶解(線溶)系により徐々に溶解されるが、フィブリンを分解するのはプラスミンである。本薬はプラスミンの前駆物質であるプラスミノーゲンからプラスミンの変換を阻害すると共に、プラスミンのフィブリンへの結合を阻害してフィブリンの溶解を防ぐ。

薬物動態

1.生物学的同等性試験

○筋肉内投与

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として500mg)健康成人男子に単回筋肉内投与して血清中トラネキサム酸濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。

<<図省略>>

薬物動態パラメータ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(平均±標準偏差、n=10)

                      投与量(mg) AUC0−5(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」 500     96.2±19.3        37.7±6.9    0.5±0.1  1.7±0.8

標準製剤(注射剤、10%10mL)     500     96.0±15.3        37.1±5.8    0.5±0.1  1.6±0.7

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

2.血中濃度

○静脈内投与

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として500mg)健康成人男子に単回静脈内投与して血清中トラネキサム酸濃度を測定した。

<<図省略>>

薬物動態パラメータ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(平均±標準偏差、n=10)

                      投与量(mg) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」 500     82.0±14.0   −        1.2±0.5

標準製剤(注射剤、10%10mL)     500     81.0±12.3   −        0.9±0.3

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

血清中濃度並びにCmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

○点滴静脈内投与

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ25mL(トラネキサム酸として2500mg)健康成人男子に30分間にわたり点滴静脈内投与して血清中トラネキサム酸濃度を測定した。

<<図省略>>

薬物動態パラメータ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(平均±標準偏差、n=6)

                      投与量(mg) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」 2500    78.7±15.4   −        1.2±0.5

標準製剤(注射剤、10%10mL)     2500    73.2±8.6    −        1.0±0.3

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

血清中濃度並びにCmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。