特徴
第三世代SU薬。
専門医コメント
用量依存で効果は強くなるが、低血糖予防か
用法・用量
通常、グリメピリドとして1日0.5〜1mgより開始し、1日1〜2回朝または朝夕、食前または食後に経口投与する。
維持量は通常1日1〜4mgで、必要に応じて適宜増減する。なお、1日最高投与量は6mgまでとする。
禁忌
2.1. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、インスリン依存型糖尿病(若年型糖尿病、ブリットル型糖尿病等)の患者[インスリンの適用である]。2.2. 重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある]〔9.2.1、9.3.1、11.1.1参照〕。
2.3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンの適用である]。2.4. 下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある]〔11.1.1参照〕。
2.5. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。2.6. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
腎機能用量
30≦CCr<60:慎重投与
CCr<30:禁忌(SU 剤は腎機能が低下すると一定の臨床効果が得られないうえ、低血糖などの副作用を起こしやすいため、インスリン治療に切り替える)
適応
2型糖尿病(食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合のみ)
効果・効能
2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(4.08%):低血糖(初期症状:脱力感、高度空腹感、発汗等)があらわれることがある(なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること)。
また、本剤の投与により低血糖症状(脱力感、高度空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α−グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。また、低血糖は投与中止後、臨床的にいったん回復したと思われる場合でも数日間は再発することがある〔1.警告、2.2、2.4、8.1、8.3、9.1.1、9.2.1、9.2.2、9.3.1、9.3.2、9.7.1、9.8高齢者の項、13.1参照〕。
11.1.2. 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。11.1.4. 再生不良性貧血(頻度不明)。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 血液:(0.1〜5%未満)白血球減少、貧血。
2). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。
3). 腎臓:(0.1〜5%未満)BUN上昇。
4). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、嘔吐、心窩部痛、下痢、腹部膨満感、(頻度不明)便秘、腹痛。
5). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒感等、(頻度不明)光線過敏症。6). 精神神経系:(0.1〜5%未満)めまい、(頻度不明)頭痛。7). その他:(0.1〜5%未満)血清カリウム上昇・血清ナトリウム低下等の電解質異常、(頻度不明)味覚異常、CK上昇、浮腫、倦怠感、脱毛、一過性視力障害。
警告
重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、用法及び用量、使用上の注意に特に留意すること〔8.1、11.1.1参照〕。
重要な基本的な注意
8.1. 本剤の使用にあたっては、患者及びその家族に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔1.警告の項、9.1.1、11.1.1参照〕。8.2. 投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行うこと。8.3. 重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 低血糖を起こすおそれのある次の患者又は状態。・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取。
・ 高齢者。
〔8.1、11.1.1参照〕。
腎機能障害患者
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(低血糖を起こすおそれがある)〔2.2、11.1.1参照〕。
9.2.2. 腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>のある患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
肝機能障害患者
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(低血糖を起こすおそれがある)〔2.2、11.1.1参照〕。
9.3.2. 肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>のある患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
相互作用
本剤は、主に肝代謝酵素CYP2C9により代謝される。
10.2. 併用注意:
1). 糖尿病用薬(インスリン製剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、DPP−4阻害薬、GLP−1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(血糖降下作用が増強される)]。
2). プロベネシド[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(腎排泄抑制により血糖降下作用が増強される)]。
3). クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(肝代謝抑制により血糖降下作用が増強される)]。4). サリチル酸剤(アスピリン、サザピリン等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(血中蛋白との結合抑制、サリチル酸剤の血糖降下作用により血糖降下作用が増強される)]。
5). プロピオン酸系消炎剤(ナプロキセン、ロキソプロフェンナトリウム水和物等)、アリール酢酸系消炎剤(アンフェナクナトリウム水和物、ナブメトン等)、オキシカム系消炎剤(ロルノキシカム等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(血中蛋白との結合抑制により、これらの消炎剤は蛋白結合率が高いので、血中に本剤の遊離型が増加して血糖降下作用が増強するおそれがある)]。6). β−遮断剤(プロプラノロール、アテノロール、ピンドロール等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(特にβ−遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性β−遮断剤は避けることが望ましい)(糖新生抑制、アドレナリンによる低血糖からの回復抑制、低血糖に対する交感神経症状抑制により血糖降下作用が増強される)]。
7). モノアミン酸化酵素阻害剤[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(インスリン分泌促進、糖新生抑制により血糖降下作用が増強される)]。8). クラリスロマイシン[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(機序不明、併用薬剤が他のスルホニルウレア系薬剤の血中濃度を上昇させたとの報告がある)]。
9). サルファ剤(スルファメトキサゾール等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制により血糖降下作用が増強される)]。
10). クロラムフェニコール[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(肝代謝抑制により血糖降下作用が増強される)]。11). テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン塩酸塩、ミノサイクリン塩酸塩等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(インスリン感受性促進により血糖降下作用が増強される)]。
12). シプロフロキサシン、レボフロキサシン水和物[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(機序不明)]。
13). フィブラート系薬剤(クロフィブラート、ベザフィブラート等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制により血糖降下作用が増強される)]。
14). アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール、フルコナゾール等)[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(肝代謝抑制(CYP2C9阻害)、血中蛋白との結合抑制により血糖降下作用が増強される)]。
15). シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物[低血糖症状が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること(インスリン分泌促進によると考えられる血糖降下作用の増強のおそれがある)]。
16). アドレナリン[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢でのブドウ糖の取り込み抑制、肝臓での糖新生促進により血糖降下作用が減弱される)]。17). 副腎皮質ホルモン(コルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン等)[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(肝臓での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下により血糖降下作用が減弱される)]。
18). 甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺等)[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(腸管でのブドウ糖吸収亢進、グルカゴンの分泌促進、カテコールアミンの作用増強、肝臓での糖新生促進により血糖降下作用が減弱される)]。
19). 卵胞ホルモン(エストラジオール安息香酸エステル、エストリオール等)[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等によると考えられる血糖降下作用の減弱のおそれがある)]。
20). 利尿剤(トリクロルメチアジド、フロセミド等)[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下により血糖降下作用が減弱される)]。
21). ピラジナミド[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、血糖値のコントロールが難しいとの報告がある)]。
22). イソニアジド[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常により血糖降下作用が減弱される)]。23). リファンピシン[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(肝代謝促進(CYP誘導)により血糖降下作用が減弱される)]。24). ニコチン酸[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(肝臓でのブドウ糖の同化抑制により血糖降下作用が減弱される)]。
25). フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン、フルフェナジン等)[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン遊離抑制、副腎からのアドレナリン遊離により血糖降下作用が減弱される)]。
26). フェニトイン[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリンの分泌阻害により血糖降下作用が減弱される)]。
27). ブセレリン酢酸塩[高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、ブセレリン酢酸塩投与により、耐糖能が悪化したという報告がある)]。
高齢者
少量から投与を開始し定期的に検査を行うなど慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、低血糖があらわれやすい)〔11.1.1参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(スルホニルウレア系薬剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、巨大児が認められている(また、本剤の動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性作用が報告されている))〔2.5参照〕。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討し、授乳を継続する場合、児の低血糖の症状について観察を十分に行うこと(本剤のヒト母乳への移行性及び乳汁産生への影響は不明であるが、動物実験(ラット)において、母乳への移行が認められており、また、他のスルホニルウレア系薬剤で母乳へ移行することが報告されている)。
小児等
9.7.1. 小児に投与する際には、低血糖症状及びその対処方法について保護者等にも十分説明すること〔11.1.1、16.1.3、17.2.1参照〕。9.7.2. 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は9歳未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
過剰投与
13.1. 症状
過量投与時、低血糖が起こることがある〔11.1.1参照〕。13.2. 処置
13.2.1. 過量投与時、飲食が可能な場合:ブドウ糖(5〜15g)又は10〜30gの砂糖の入った吸収の良いジュース、キャンディなどを摂取させる。13.2.2. 過量投与時、意識障害がある場合:ブドウ糖液(50%20mL)を静注し、必要に応じて5%ブドウ糖液点滴により血糖値の維持を図る。13.2.3. その他:過量投与時、血糖上昇ホルモンとしてのグルカゴン投与もよい。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. スルホニルウレア系薬剤(トルブタミド1日1.5g)を長期間継続使用した場合、食事療法単独の場合と比較して心臓・血管系障害による死亡率が有意に高かったとの報告がある。
15.1.2. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。15.2. 非臨床試験に基づく情報
イヌを用いた慢性毒性試験において、最高用量の320mg/kg投与群の雌雄各1例に白内障を認めた。ウシの水晶体を用いたin vitro試験とラットを用いた検討結果では、白内障を発症させる作用や発症増強作用の可能性は認められなかった。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 アマリール0.5mg錠
有効成分(1錠中) 日局グリメピリド0.5mg
添加剤 乳糖水和物、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム
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3.2 製剤の性状
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販売名 アマリール0.5mg錠
色・剤形 白色・裸錠
外形 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>>
直径(mm) 4.5
厚さ(mm) 2.0
重量(g) 0.0425
識別コード NM
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薬効薬理
18.1 作用機序
本剤は主に膵β細胞の刺激による内因性インスリン分泌の促進(膵作用)により、血糖降下作用を発現するものと考えられる。また、in vitro試験において糖輸送担体の活性化等の関与が示されている。
18.2 薬理作用
18.2.1 血糖降下作用及びインスリン分泌作用
健康成人男子9例に本剤1mgを朝食直前に単回投与した時、プラセボ投与時と比べ、朝食後の血中グルコース濃度は本剤投与時において有意に低下した。
この時の血清中インスリン濃度のCmaxは、プラセボ投与時と比べ本剤投与時では有意差は認められなかったが、朝食後4時間までのAUCはプラセボ投与時と比べ有意に増加した。
ウサギ、ラット、イヌを用いた経口投与試験において、本剤の血糖降下作用は投与1時間後から認められた。
グリベンクラミドとの比較では同等もしくはそれ以上の血糖降下作用を示した。
ラットβ細胞腫を用いたin vitro試験で、β細胞上のSU剤レセプターに対してグリメピリドはグリベンクラミドに比して1/5の結合親和性を示した。
18.2.2 インスリン作用の増強
人工膵島を用いたイヌ正常血糖インスリンクランプ試験で、本剤の投与により末梢組織での糖取り込み促進と、肝糖処理能の増加を認めた。また、本剤はインスリン抵抗性KK‐Ayマウスへの長期経口投与により、高血糖及び高インスリン血症を改善した。
筋肉・脂肪細胞を用いたin vitro試験において、糖輸送担体の活性化や糖輸送の増加等の機序による膵外作用の関与が報告されている。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子6例に本剤1mgを朝食直前に単回経口投与したときのグリメピリドの血清中濃度推移、及び薬物動態学的パラメータを示す。
<<図省略>>
血清中濃度パラメータ
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Tmax Cmax(平均±SD) 半減期
1.33時間 103.5±29.1ng/mL 1.47時間
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16.1.2 反復投与
インスリン非依存型糖尿病患者9例に本剤0.5mgもしくは1mgを1日1回7日間朝食前に連続投与したとき、初回及び最終回投与時のグリメピリドの薬物動態学的パラメータに差は認められなかった。
16.1.3 2型糖尿病患者(小児及び成人)における薬物動態
国内の小児2型糖尿病患者及び成人2型糖尿病患者[解析対象集団136例(小児31例及び成人105例)、血清中濃度517点]を対象に、0.5〜6mg/日の用量で、一定用量を2週間以上投与した任意の時点で母集団薬物動態解析を行った。
その結果、グリメピリドの消失プロファイルは1‐コンパートメントモデルによくフィットした。共変量の検討を行った結果、最終モデルに反映される影響因子はなかった。最終モデルから得られた母集団のパラメータはCL/Fが1.56L/h、Vss/Fが6.84Lであった。母集団モデルを用いて推定したパラメータを次に示す。小児及び成人患者の推定パラメータは同様の値であった。[9.7.1参照]
母集団モデルを用いて推定した薬物動態パラメータ
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2型糖尿病患者 CL/F(L/h)(平均±SD) Vss/F(L)(平均±SD) t1/2(h)(平均±SD)
小児(9〜16歳) 1.79±0.77 6.84±0.09 3.15±1.38
成人(17歳以上) 1.64±0.59 6.83±0.11 3.30±1.60
CL/F:見かけのクリアランス、Vss/F:見かけの分布容積
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16.2 吸収
外国人12例に本剤1mgをクロスオーバー法にて単回経口投与及び静脈内投与した時、それぞれのAUCの比から得られたバイオアベイラビリティーはほぼ100%であり、消化管からの吸収は良好であると考えられた。
16.4 代謝
16.4.1 代謝酵素
本剤は、主に肝代謝酵素CYP2C9の関与により、シクロヘキシル環メチル基の水酸化を受ける。
(参考)
ラット肝細胞分画を用いて代謝酵素を検討した結果、グリメピリドは主にCYP2Cサブファミリーの関与によりシクロヘキシル環メチル基の水酸化を受け、引き続いてサイトゾールの酵素によってカルボン酸体に変換されることが示唆された。
16.5 排泄
健康成人男子6例に本剤1mgを朝食直前に単回経口投与したとき、血清中にはグリメピリド及び代謝物が、尿中には代謝物のみが検出された。この代謝物は、シクロヘキシル環のメチル基の水酸化体及びカルボン酸体で、投与後24時間までに投与量の44.9%が尿中に排泄された。
外国人3例に14C‐グリメピリドを単回経口投与した時、投与後168時間までに尿及び糞中にそれぞれ投与量の57.5%及び35.0%が排泄された。