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エルカトニン注40単位「武田テバ」

エルカトニン40エルカトニン単位1mL注射液

カルシトニン製剤 >>

特徴

  • 破骨細胞のカルシトニン受容体に結合し、c

専門医コメント

カルシトニンは鎮痛作用を有し,疼痛を改善

用法・用量

1.高カルシウム血症の場合:1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を1日2回朝晩に筋肉内注射又は点滴静注する。点滴静注においては希釈後速やかに使用し、1〜2時間かけて注入する。なお、年齢及び血中カルシウムの変動により適宜増減する。2.骨ページェット病の場合:1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を原則として1日1回筋肉内注射する。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.妊娠末期の患者。

腎機能用量

腎で代謝されるため、腎機能低下により蓄積することが予測されるが、透析患者によく投与される薬物であり、経験上、減量の必要はないものと思われる。

適応

骨粗鬆症における疼痛、 【20単位】骨粗鬆症における疼痛【40単位】高Ca血症、 骨ベーチェット病

効果・効能

1.高カルシウム血症。

2.骨ページェット病。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、気分不良、全身発赤、蕁麻疹、呼吸困難、咽頭浮腫等の症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。2).テタニー:低カルシウム血症性テタニーを誘発することがあるので、症状が現れた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行う。3).喘息発作:喘息発作を誘発することがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

4).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用(頻度不明)

1).過敏症:発疹、蕁麻疹[発現した場合には、投与を中止する]。2).循環器:顔面潮紅、熱感、胸部圧迫感、動悸、血圧上昇、血圧低下。3).消化器:悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、胸やけ、腹痛、口渇、口内炎、腹部膨満感。

4).神経系:眩暈、ふらつき、頭痛、耳鳴、視覚異常(かすみ目等)、しびれ感、口内しびれ感。

5).肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)。6).電解質代謝:低ナトリウム血症、低リン血症。

7).注射部位:疼痛、発赤、腫脹。

8).その他:浮腫、発熱、悪寒、全身倦怠感、そう痒感、脱力感、咽喉部違和感(咽喉部ハッカ様爽快感等)、あくび、頻尿、発汗、赤血球減少、ヘモグロビン減少、BUN上昇、Al−P上昇、乳房肥大、乳房痛、尿白濁。

慎重投与

1.発疹(紅斑、膨疹等)等の過敏症状を起こしやすい体質の患者。2.気管支喘息又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発する恐れがある]。

重要な基本的な注意

1.本剤はポリペプチド製剤であり、ショックを起こすことがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う。

2.長期にわたり漫然と投与しない。

3.本剤の投与後初期において血清カルシウム濃度の改善がみられないあるいは臨床症状の改善がみられない場合には、速やかに他の治療方法に変更する。

相互作用

併用注意:ビスホスホン酸塩系骨吸収抑制剤(パミドロン酸二ナトリウム水和物等)[血清カルシウムが急速に低下する恐れがあるので、高度の低カルシウム血症が現れた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行う(両剤のカルシウム低下作用により、血清カルシウムが急速に低下する恐れがある)]。

高齢者

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意する。

妊婦・授妊婦

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊婦、産婦、授乳婦等への投与に関する安全性は確立していない、また、動物実験(ラット)で、乳汁分泌量が減少し、新生仔体重増加抑制が報告されている]。

2.妊娠末期の婦人には投与しない[動物実験(ラット)で、本剤を妊娠末期の母体に静脈内投与すると、血清カルシウムの急激な低下、テタニー様症状の発現が認められたとの報告がある]。

小児等

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

1.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に配慮する。

1).筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意する。

2).筋肉内注射時、繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行う。

3).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射する。

2.点滴静注時:点滴静注にあたっては、次記の点に配慮する。1).点滴静注時、本剤を希釈する場合は、通常日局生理食塩液を始めとする各種電解質を含む輸液で行う(電解質を含まない輸液を使用した場合、本剤の容器への吸着が認められており含量が低下する)。

2).点滴静注時、含量低下は時間経過と共に大きくなるので、希釈後速やかに使用する。

3.アンプルカット時:アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、ヤスリを用いないで、アンプル頭部のマークの反対方向に折る。

取扱い上の注意

1.開封後は品質保持のため、なるべく光を避けて保管する。2.安定性試験結果の概要:加速試験(40℃、6カ月)の結果、エルカトニン注40単位「武田テバ」は通常の市場流通下において安定であることが推測された。

その他の注意

1.類薬であるカルシトニン(サケ)の経口剤及び点鼻剤を用いた海外臨床試験(投与期間:6カ月〜5年)のメタアナリシスにおいて、がんの発生割合はカルシトニン(サケ)群では4.2%(254/6,105例)、プラセボ群では2.9%(135/4,687例)(リスク差1.0%[95%信頼区間0.3,1.7])であったとの報告がある。

2.ラット(SD系)に1年間大量皮下投与した慢性毒性試験において、下垂体腫瘍の発生頻度の増加がみられたとの報告がある。

3.マウスに92週間大量皮下投与した癌原性試験において、癌原性はみられなかったとの報告がある。

4.原発性副甲状腺機能亢進症の場合は、他の原疾患による高カルシウム血症に比べて効果が劣ることが臨床試験により示されている。

組成・性状

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組成 1管(1mL)中:

エルカトニン・・・40エルカトニン単位

〈添加物〉

クエン酸水和物、等張化剤、pH調節剤

性状 無色澄明の注射液

pH 5.5〜7.0

浸透圧比 0.8〜1.2(日局生理食塩液に対する比)

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薬効薬理

エルカトニンは、カルシウム代謝調整ホルモンであるカルシトニンの安定化を目的として合成された誘導体で、生体内においてカルシトニン同様の血清カルシウム低下作用、骨吸収抑制作用を示す。

1.血清カルシウム低下作用

エルカトニン(0.05エルカトニン単位/body、i.m.)は、正常ラットの血清カルシウム濃度を有意に低下し、その作用は投与後3時間持続した。

2.骨に対する作用

エルカトニン(0.2エルカトニン単位/kg/day、4weeks、i.m.)は、低Ca食プレドニゾロン処置骨粗鬆症ラットの骨重量減少、骨Ca量減少を抑制し、骨吸収抑制作用が認められた。