Antaa DI

drug

ビカルタミドOD錠80mg「あすか」

ビカルタミド口腔内崩壊錠

抗アンドロゲン薬 >>

特徴

  • 重篤な肝障害の発現率は同類薬のオダインに

専門医コメント

前立腺癌に対するホルモン療法で最も利用さ

用法・用量

ビカルタミドとして80mgを1日1回、経口投与する。

禁忌

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.小児[本薬の薬理作用に基づき、男子小児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼす恐れがある。また、本薬の毒性試験(ラット)において、雌性ラットで子宮の腫瘍性変化が認められている]。

3.女性[本薬の毒性試験(ラット)において、子宮の腫瘍性変化及び雄仔の雌性化が報告されている]。

用法・用量に関連する注意

<用法及び用量に関連する使用上の注意>

本剤は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水で飲み込む。

腎機能用量

腎機能正常者と同じ

適応

前立腺癌

効果・効能

前立腺癌。

効果・効能に関連する注意

<効能又は効果に関連する使用上の注意>

1.本剤による治療は、根治療法ではないことに留意し、本剤投与12週後を抗腫瘍効果観察のめどとして、本剤投与により期待する効果が得られない場合、あるいは病勢の進行が認められた場合には、手術療法等他の適切な処置を考慮する。2.本剤投与により、安全性の面から容認し難いと考えられる副作用が発現した場合は、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ、休薬又は集学的治療法などの治療法に変更する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、定期的な肝機能検査の実施を考慮するとともに、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。2).白血球減少、血小板減少:白血球減少、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。3).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。

4).心不全、心筋梗塞:心不全、心筋梗塞が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用(頻度不明)

1).内分泌:乳房腫脹、乳房圧痛、ほてり。

2).生殖器:勃起力低下。

3).肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇。

4).泌尿器:腎機能障害(クレアチニン上昇、BUN上昇)、血尿、夜間頻尿。5).皮膚:皮膚そう痒、発疹、発汗、皮膚乾燥、脱毛、多毛、光線過敏症。6).精神神経系:性欲減退、頭痛、眩暈、不眠、抑うつ状態、傾眠。7).循環器:心電図異常。

8).消化器:便秘、食欲不振、下痢、悪心、嘔吐、口渇、消化不良、鼓腸放屁、腹痛。9).筋・骨格系:胸痛、骨盤痛。

10).過敏症:血管浮腫、蕁麻疹。

11).その他:貧血、浮腫、総コレステロール上昇、中性脂肪上昇、倦怠感、無力症、疲労、高血糖、体重増加・体重減少、寒気。

慎重投与

肝障害のある患者[本剤は肝臓でほぼ完全に代謝を受けるため、定常状態時の血中濃度が高くなる可能性がある]。

重要な基本的な注意

1.外国の臨床試験において、ビカルタミド製剤投与例でビカルタミド製剤との関連性が否定できなかった前立腺癌以外の死亡例が報告されており、そのうち心・循環器系疾患による死亡は9%未満であり、その主な死因は心不全、心筋梗塞、脳血管障害等であった(これら外国の臨床試験で報告された心・循環器系疾患による死亡率は、対照の去勢術群(16%未満)より低く、高齢者で一般に予期される死亡率の範囲内であったが、本剤を投与する場合は十分に観察を行い、慎重に投与する)。

2.本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用する。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4を阻害する。

併用注意:

1.クマリン系抗凝血薬(ワルファリン等)[クマリン系抗凝血薬の作用を増強する恐れがあるので、プロトロンビン時間を測定する、又は、トロンボテストを実施するなど、血液凝固能検査等出血管理を十分に行いつつ、凝固能の変動に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与する(in vitro試験で蛋白結合部位においてワルファリンと置換するとの報告がある)]。

2.トルブタミド[トルブタミドの作用を増強する恐れがあるが、但し、相互作用に関する報告症例はない(本剤は、in vitro試験でトルブタミドの代謝を阻害した)]。

3.デキストロメトルファン[デキストロメトルファンの作用を増強する恐れがあるが、但し、相互作用に関する報告症例はない(本剤は、in vitro試験でデキストロメトルファンの代謝を阻害した)]。

4.主にCYP3A4によって代謝される薬物(カルバマゼピン、シクロスポリン、トリアゾラム等)[主にCYP3A4によって代謝される薬物の作用を増強する恐れがあるが、但し、相互作用に関する報告症例はない(本剤は、in vitro試験でCYP3A4によるテストステロン6β−水酸化酵素活性を阻害した)]。

高齢者

高齢者への投与

ビカルタミド製剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において血漿中濃度及び副作用の発現に差はみられていない。しかし、一般に高齢者では、心・循環器系の機能が低下していることが多く、心・循環器系の有害事象の発現頻度が若年層より高いため、高齢者への投与の際には患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

適用上の注意

1.服用時:

1).本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させ舌で軽くつぶすことにより崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。2).本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させない。2.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。(取扱い上の注意)

安定性試験:PTP包装を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、ビカルタミドOD錠80mg「ケミファ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

外国において、呼吸困難が発現したとの報告がある。

組成・性状

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販売名 ビカルタミドOD錠80mg「あすか」

成分・含量 1錠中 ビカルタミド 80mg

添加物 D‐マンニトール、クロスポビドン、ポビドン、ヒプロメロースフタル酸エステル、タウマチン、カルメロース、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、スクラロース、l‐メントール、ステアリン酸マグネシウム

剤形 白色〜微黄白色の素錠(口腔内崩壊錠)

外形 表 <<図省略>>

側面 <<図省略>>

裏 <<図省略>>

― 直径約8.6mm

― 厚さ約3.9mm

― 重量約230mg

識別コード AK386

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薬効薬理

1.抗アンドロゲン作用

in vitro試験において、ジヒドロテストステロン誘発によるアンドロゲン受容体の転写活性を濃度依存的に抑制した。

in vivo試験において、テストステロン誘発による去勢ラットの前立腺重量増加を用量依存的に抑制した。

2.抗腫瘍効果

ヒト前立腺癌細胞(LNCaP)をヌードマウスに移植したin vivo試験において、去勢群と同程度の腫瘍増殖抑制作用を示した。

薬物動態

生物学的同等性試験

(1)ビカルタミド錠80mg「あすか」

ビカルタミド錠80mg「あすか」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ビカルタミド80mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中R−ビカルタミド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

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                 投与量  AUC0−504(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr) t1/2(day)

ビカルタミド錠80mg「あすか」 80mg 320.65±63.43       1.26±0.21   21.7±3.8 6.1±1.5

標準製剤(錠剤、80mg)    80mg 318.37±63.57       1.22±0.21   20.9±4.7 5.8±1.7

(mean±S.D.、n=21)

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(2)ビカルタミドOD錠80mg「あすか」

ビカルタミドOD錠80mg「あすか」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ビカルタミド80mg)健康成人男性に絶食単回経口投与(水なしで服用及び水で服用)して血漿中R−ビカルタミド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

<水なしで服用>

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                   投与量  AUC0−72(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

ビカルタミドOD錠80mg「あすか」 80mg 64.70±17.09       1.11±0.28   36.0±10.7 95.8±49.7

標準製剤(OD錠、80mg)     80mg 65.34±16.79       1.11±0.27   32.3±10.5 104.5±62.4

(mean±S.D.、n=16)

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<水で服用>

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                   投与量  AUC0−72(μg・hr/mL) Cmax(μg/mL) Tmax(hr)  t1/2(hr)

ビカルタミドOD錠80mg「あすか」 80mg 67.26±16.71       1.19±0.31   31.5±8.6  89.3±52.7

標準製剤(OD錠、80mg)     80mg 68.81±16.92       1.22±0.33   30.0±12.4 68.3±32.9

(mean±S.D.、n=16)

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<<図省略>>

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。