特徴
抗コリン作用、中枢神経抑制作用が強い第1
専門医コメント
ポララミンは昔からよく使われている代表的
用法・用量
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩として、通常成人1回2mgを1日1〜4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
禁忌
2.1. 本剤の成分又は類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.3. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿困難、尿閉等があらわれ、症状が増悪することがある]。
2.4. 低出生体重児・新生児〔9.7.1参照〕。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
【内服】蕁麻疹、血管運動性浮腫、枯草熱、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹)、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽【注射】蕁麻疹、枯草熱、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹、咬刺症)、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎
効果・効能
1). じん麻疹。
2). 血管運動性浮腫。
3). 枯草熱。
4). 皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹)。5). アレルギー性鼻炎。
6). 血管運動性鼻炎。
7). 感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.2. 痙攣、錯乱(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 再生不良性貧血、無顆粒球症(いずれも頻度不明)〔8.2参照〕。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(5%以上又は頻度不明)発疹、光線過敏症等。2). 精神神経系:(5%以上又は頻度不明)鎮静、神経過敏、頭痛、焦燥感、複視、眠気、不眠、めまい、耳鳴、前庭障害、多幸症、情緒不安、ヒステリー、振戦、神経炎、協調異常、感覚異常、霧視等。
3). 消化器:(5%以上又は頻度不明)口渇、胸やけ、食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、便秘、下痢等。
4). 泌尿器:(5%以上又は頻度不明)頻尿、排尿困難、尿閉等。5). 循環器:(5%以上又は頻度不明)低血圧、心悸亢進、頻脈、期外収縮。6). 呼吸器:(5%以上又は頻度不明)鼻乾燥及び気道乾燥、気管分泌液の粘性化、喘鳴、鼻閉等。
7). 血液:(5%以上又は頻度不明)溶血性貧血、(0.1%未満)血小板減少。8). 肝臓:(5%以上又は頻度不明)肝機能障害(AST上昇・ALT上昇・Al−P上昇等)。
9). その他:(5%以上又は頻度不明)悪寒、発汗異常、疲労感、胸痛、月経異常。
重要な基本的な注意
8.1. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
8.2. 再生不良性貧血、無顆粒球症があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.3参照〕。
特定の背景を有する患者に関する注意
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.2. 眼内圧亢進のある患者:抗コリン作用により眼内圧が上昇し、症状が増悪するおそれがある。
9.1.3. 甲状腺機能亢進症のある患者:抗コリン作用により症状が増悪するおそれがある。
9.1.4. 狭窄性消化性潰瘍、幽門十二指腸通過障害のある患者:抗コリン作用により平滑筋の運動抑制、緊張低下が起こり、症状が増悪するおそれがある。9.1.5. 循環器系疾患のある患者:抗コリン作用による心血管系への作用により、症状が増悪するおそれがある。
9.1.6. 高血圧症のある患者:抗コリン作用により血管拡張が抑制され、血圧が上昇するおそれがある。
相互作用
10.2. 併用注意:
1). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、プリミドン)、アルコール[相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には、減量するなど慎重に投与すること(本剤の中枢抑制作用により、作用が増強される)]。
2). MAO阻害剤[相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には、減量するなど慎重に投与すること(本剤の解毒機構に干渉し、作用を遷延化し増強することがある)]。
3). 抗コリン作用を有する薬剤(チキジウム臭化物、アトロピン硫酸塩水和物、ブチルスコポラミン臭化物)[相互に作用を増強することがあるので、併用する場合には、減量するなど慎重に投与すること]。
4). ドロキシドパ、ノルアドレナリン[併用により血圧の異常上昇を来すおそれがある(本剤はヒスタミンによる毛細血管拡張を抑制する)]。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
9.7.1. 低出生体重児及び新生児:投与しないこと(中枢神経系興奮等の抗コリン作用に対する感受性が高いため、痙攣等の重篤な反応があらわれるおそれがある)〔2.4参照〕。
9.7.2. 乳児、幼児及び小児:乳児、幼児及び小児を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 d−クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2mg「NIG」
有効成分 1錠中:d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩 2mg
添加剤 アルファー化デンプン、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、部分アルファー化デンプン
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3.2 製剤の性状
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販売名 d−クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2mg「NIG」
色・剤形 白色の片面1/2割線入り素錠
外形 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>> 直径:7.0mm
厚さ:2.2mm
質量:110mg
識別コード(PTP) t 068
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薬効薬理
18.1 作用機序
d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩はヒスタミンH1受容体遮断薬である。H1受容体を介するヒスタミンによるアレルギー性反応(毛細血管の拡張と透過性亢進、気管支平滑筋の収縮、知覚神経終末刺激によるそう痒、など)を抑制する。d体である。
18.2 抗ヒスタミン作用
18.2.1 in vitroにおける抗ヒスタミン作用
モルモット摘出回腸のヒスタミン収縮に対するd体及びl体のED50値はそれぞれ0.8μg/L及び190.0μg/Lであり、d体の抗ヒスタミン作用はl体よりも強かった。
18.2.2 in vivoにおける抗ヒスタミン作用
d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩は、モルモットのヒスタミン誘発致死に対して防御作用を示し、そのED50値は0.056mg/kg(経口)であった。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に、d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩4mg注)を経口投与したときの薬物速度論的パラメータは次に示したとおりであった。
薬物速度論的パラメータ
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例数 Cmax(ng/mL) T1/2(hr) AUC(ng・hr/mL)
4 9.0±1.7 7.9±2.5 73.0±15.9
(mean±S.E.)
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注)本剤の承認された1回用量は2mgである。
16.1.2 生物学的同等性試験
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2mg「NIG」とポララミン錠2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(d‐クロルフェニラミンマレイン酸塩として2mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
<<図省略>>
薬物動態パラメータ
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投与量(mg) AUC0−72(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2mg「NIG」 2 56.9±19.1 2.7±0.8 3.4±0.5 20.1±8.1
ポララミン錠2mg 2 54.2±17.1 2.7±0.7 3.5±0.5 18.1±9.2
(平均±標準偏差、n=10)
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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。