特徴
第二世代I類抗ヒスタミン薬。小児にも処方
専門医コメント
第2世代I類の抗ヒスタミン薬であり開発は
用法・用量
通常、成人にはケトチフェンとして1回1mg(1カプセル)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. てんかん又はその既往歴のある患者〔9.1.1参照〕。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症
効果・効能
1). 気管支喘息。
2). アレルギー性鼻炎。
3). 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 痙攣、興奮(頻度不明):乳児、幼児では特に注意すること〔9.7小児等の項参照〕。
11.1.2. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 泌尿器:(頻度不明)頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状。2). 過敏症:(0.1%未満)発疹、蕁麻疹、(頻度不明)浮腫、多形紅斑。3). 精神神経系:(0.1%〜5%未満)眠気、けん怠感、口渇、(0.1%未満)めまい、ふらつき、頭痛、味覚異常、しびれ感、(頻度不明)一過性意識消失、易刺激性、不眠、神経過敏、鎮静。
4). 消化器:(0.1%未満)悪心、腹痛、下痢、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、便秘、口内炎。
5). 肝臓:(0.1%未満)AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、(頻度不明)LDH上昇、γ−GTP上昇。
6). その他:(0.1%未満)体重増加、鼻出血、(頻度不明)ほてり、動悸、月経異常。
慎重投与
てんかんを除く痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある]。
重要な基本的な注意
8.1. 〈効能共通〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。8.2. 〈気管支喘息〉気管支喘息の場合、本剤はすでに起こっている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことを患者に十分説明しておく必要がある。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. てんかんを除く痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある〔2.2参照〕。
9.1.2. 長期ステロイド療法を受けている患者:本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
肝機能障害患者
肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2. 併用注意:
1). 中枢神経抑制剤(鎮静剤、催眠剤等)、抗ヒスタミン剤[眠気、精神運動機能低下等を起こすことがある(いずれも中枢神経抑制作用を有するため)]。2). アルコール[眠気、精神運動機能低下等を起こすことがあるので、アルコール性飲料の摂取を制限すること(いずれも中枢神経抑制作用を有するため)]。
高齢者
減量するなど注意すること(一般的に生理機能が低下している)。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること(痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある)〔11.1参照〕。
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3〜5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。
過剰投与
13.1. 徴候、症状
過量投与時、傾眠、見当識障害、チアノーゼ、呼吸困難、発熱、錯乱、痙攣、頻脈、徐脈、低血圧、眼振、可逆性昏睡等。過量投与時、特に小児では、興奮性亢進、痙攣。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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有効成分[1カプセル中] 日局ケトチフェンフマル酸塩 1.38mg(ケトチフェンとして1mg)
添加剤 カプセル内容物 軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、ステアリン酸Mg、トウモロコシデンプン、乳糖
カプセル本体 酸化チタン、ゼラチン、ラウリル硫酸Na
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3.2 製剤の性状
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外形 <<図省略>>
<<図省略>>
4号
剤形 硬カプセル剤
性状 頭部:白色不透明
胴部:白色不透明
内容物:白色〜淡黄白色の粉末
においはなく、味は苦い
全長(mm) 14.5
重量(mg) 約170
識別コード SW‐141
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薬効薬理
18.1 作用機序
ケトチフェンはケミカルメディエーター遊離抑制に基づく抗アナフィラキシー作用及び抗ヒスタミン作用を有し、かつ、気道及び鼻粘膜等の組織の過敏性を減弱させる。更に、PAF(血小板活性化因子)による気道の反応性亢進を抑制し、好酸球に対する作用を有する。
18.2 抗アナフィラキシー作用
ケトチフェンはPCA(受動的皮膚アナフィラキシー)反応、実験的気管支喘息モデルにおけるアナフィラキシー反応を抑制する(ラット)。
ヒスタミン及びSRS‐A等ケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット腹腔・皮膚肥満細胞、ヒト白血球中好塩基球・好中球、ヒト肺in vitro)。また、抗SRS‐A作用を有する(モルモット気管支筋in vivo、回腸in vitro)。
18.3 抗ヒスタミン作用
ケトチフェンはヒスタミンによる気管支収縮(モルモット)、血管透過性亢進、皮膚反応(ラット)等を抑制する。
18.4 PAF(血小板活性化因子)による気道反応の抑制
ケトチフェンはPAFによる気管支収縮、気道反応性亢進を抑制する(モルモット)。
18.5 好酸球に対する作用
PAFによる好酸球の肺への集積を防止する(モルモット、ヒヒ)。
アレルギー性疾患患者においてケトチフェンは抗原刺激による好酸球の脱顆粒を防止する(in vitro)。
ケトチフェンはアレルギー性疾患患者の末梢血好酸球を減少させる。
また、臨床症状の改善に伴って低比重好酸球比率の減少がみられる。
18.6 誘発試験による過敏反応の抑制
アレルギー性疾患患者において、ケトチフェンは抗原誘発による気道、鼻粘膜、皮膚等の過敏反応を抑制する。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 ケトチフェンカプセル(ケトチフェンとして2mg)を1回経口投与した場合、2.8時間で最高血中濃度に達し、血中消失半減期は6.7時間である。
(本剤の承認された通常成人1回用量は1mgである。)
16.1.2 生物学的同等性試験
ケトチフェンカプセル1mg「サワイ」とザジテンカプセル1mgを健康成人男子にそれぞれ2カプセル(ケトチフェンとして2mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ケトチフェン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
各製剤2カプセル投与時の薬物動態パラメータ
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Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) AUC0−24hr(ng・hr/mL)
ケトチフェンカプセル1mg「サワイ」 0.62±0.15 2.2±0.4 7.2±2.8 4.22±0.67
ザジテンカプセル1mg 0.60±0.14 2.0±0.0 7.1±4.4 4.15±0.93
(Mean±S.D.)
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<<図省略>>
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
ケトチフェンの蛋白結合率は75%以上である。
16.4 代謝
ケトチフェンの血中及び尿中における主代謝産物はグルクロン酸抱合体であり、脱メチル化体及びN‐酸化体がわずかにみられた(外国人のデータ)。
16.5 排泄
単回投与した時、投与120時間後までに尿中に71%及び糞中に26%排泄された。