特徴
アレルギー性鼻炎に適応がある。
専門医コメント
ガイドラインにおいて、通年性アレルギー性
用法・用量
通常、成人にはラマトロバンとして1回75mgを1日2回、朝食後及び夕食後(又は就寝前)に経口投与する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
用法・用量に関連する注意
高齢者には低用量(100mg/日)から投与を開始するなど注意すること〔9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
腎機能用量
腎機能正常者と同じ
適応
アレルギー性鼻炎
効果・効能
アレルギー性鼻炎。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.2%)、黄疸(頻度不明):肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいAl−P上昇、著しいγ−GTP上昇、著しいLDH上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒。
2). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇。
3). 出血傾向:(0.1〜5%未満)APTT延長、尿潜血、紫斑、プロトロンビン時間延長、(0.1%未満)歯肉出血、鼻出血、皮下出血、月経延長。4). 腎臓:(0.1〜5%未満)BUN上昇、(0.1%未満)クレアチニン上昇。5). 循環器:(0.1〜5%未満)動悸、(0.1%未満)浮腫。6). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、下痢、腹痛、便秘、胃不快感、消化不良、食欲不振、口内炎、(0.1%未満)嘔吐。
7). 血液:(0.1〜5%未満)好酸球増多、白血球減少、(0.1%未満)赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少。
8). 精神神経系:(0.1〜5%未満)眠気、頭痛・頭重、めまい、(0.1%未満)舌しびれ、手足のこわばり。
9). その他:(0.1〜5%未満)倦怠感、味覚異常、(0.1%未満)鼻乾燥、関節痛、ほてり、胸部圧迫感、胸部異常感。
慎重投与
1.出血傾向のある患者[出血を助長する恐れがある]。
2.月経期間中の患者[出血を助長する恐れがある]。
3.肝障害のある患者[本剤は肝機能異常を起こすことがある]。4.高齢者。
重要な基本的な注意
季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
特定の背景を有する患者に関する注意
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 出血傾向のある患者:出血を助長するおそれがある。9.1.2. 月経期間中の患者:出血を助長するおそれがある。(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:肝機能異常を起こすことがある。
相互作用
10.2. 併用注意:
1). 抗血小板剤(チクロピジン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ等)、抗凝血剤(ヘパリン、ワルファリン等)[これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強をきたすおそれがあるので、観察を十分に行い、用量を調節するなど注意すること(本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤と併用することにより作用が増強する可能性がある)]。
2). サリチル酸系製剤(アスピリン等)[ヒト血漿タンパク結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、サリチル酸により本剤の非結合型分率が1.3〜1.9倍上昇することがある(本剤がサリチル酸と血漿タンパク結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる)]。
3). テオフィリン[テオフィリンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇することがある(機序不明)]。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(薬物動態スクリーニングによる検討結果より、高齢者<65歳以上>では本剤の血中濃度が非高齢者に比し高くなることが推定されている。また、国内で実施された臨床試験において、副作用は高齢者では192例中22例(11.5%)に、非高齢者では1048例中64例(6.1%)に認められた)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.6.1参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報
変異原性については、培養細胞を用いた染色体異常試験の非代謝活性化法陽性の結果が得られた。しかし、同試験の代謝活性化法で陰性であり、また別の培養細胞を用いた染色体異常試験及び他の変異原性試験(細菌を用いる復帰突然変異試験、マウスを用いた小核試験、哺乳類の培養細胞を用いた前進突然変異試験、ラット初代培養肝細胞を用いた不定期DNA試験)のいずれにおいても陰性であり、生体内で変異原性が発現する可能性は低い。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 ラマトロバン錠75mg「KO」
有効成分 1錠中 ラマトロバン 75mg
添加剤 乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン
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3.2 製剤の性状
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販売名 ラマトロバン錠75mg「KO」
色調 白色〜微黄白色
剤形 フィルムコーティング錠
外形 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>>
直径(mm) 約8
厚さ(mm) 約3.7
質量(mg) 約183
識別コード KO58
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薬効薬理
18.1 作用機序
ラマトロバンは、鼻粘膜血管や血小板のトロンボキサンA2(TXA2)受容体に結合し、血管透過性亢進作用及び炎症性細胞浸潤に対して抑制作用を示す。また、好酸球などの炎症細胞上のプロスタグランジンD2(PGD2)受容体に結合することにより、炎症細胞の遊走や脱顆粒の抑制作用を示す。ラマトロバンは、これらTXA2及びPGD2の2つの受容体に結合することにより、抗アレルギー性鼻炎作用を示す。
18.2 血管透過性亢進抑制作用
能動感作モルモットの抗原誘発鼻粘膜血管透過性亢進モデルに対して、経口投与により血管透過性の亢進を有意に抑制する。
18.3 鼻腔抵抗上昇抑制作用
能動感作モルモットの抗原誘発鼻腔抵抗上昇モデルに対して、経口投与により鼻腔抵抗の上昇を有意に抑制する。
18.4 鼻症状発現抑制作用
能動感作モルモットの抗原誘発鼻症状(くしゃみ、鼻かき)モデルに対して、経口投与によりくしゃみ、鼻かきの回数が減少する。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にラマトロバン製剤1回75mgを空腹時単回経口投与した際のCmax及びAUCは次のとおりである。
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Cmax(ng/mL) AUC(ng・h/mL)
469.5±285.9 1688.4±881.6
平均値±標準偏差、n=20
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また、健康成人にラマトロバン製剤1回25mg、50mg、100mg注)を空腹時単回経口投与した際の薬物動態パラメータは次表のとおりである。血漿中ラマトロバン濃度は、いずれの投与量においても投与後約2〜3時間でCmaxに達した後、t1/2約2時間で消失した。
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Cmax(ng/mL) Tmax(hr) AUC0−t(ng・h/mL) t1/2(hr)
25mg 103.7(1.64) 2.7(1.85) 440.8(1.79) 2.21(1.19)*
50mg 211.1(1.35) 2.3(1.59) 953.7(1.53) 2.03(1.24)
100mg 237.2(1.83) 2.2(1.67) 1258.3(1.72) 2.33(1.20)
幾何平均値(幾何標準偏差)、n=6、*:n=3
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16.1.2 反復投与
健康成人(非高齢者)に1日2回朝・夕食後ラマトロバン製剤75、100mg注)を9日間反復経口投与した場合、又は高齢者(65〜72歳、平均67.8歳)に1日2回朝・夕食後ラマトロバン製剤50mgを9日間反復経口投与した場合、いずれにおいても反復投与による薬物動態パラメータの変動及び蓄積性は認められていない。
16.1.3 生物学的同等性試験
〈ラマトロバン錠50mg「KO」〉
ラマトロバン錠50mg「KO」とバイナス錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラマトロバンとして50mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
〈絶食投与〉
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
ラマトロバン錠50mg「KO」 1234±408 330±152 2.3±1.0 2.8±1.4
バイナス錠50mg 1259±455 347±169 2.1±0.9 2.3±0.8
(Mean±S.D.、n=16)
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<<図省略>>
〈食後投与〉
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
ラマトロバン錠50mg「KO」 1156±320 428±194 4.1±1.2 1.8±0.3
バイナス錠50mg 1189±352 430±152 3.9±1.1 1.9±0.6
(Mean±S.D.、n=15)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUCt、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈ラマトロバン錠75mg「KO」〉
ラマトロバン錠75mg「KO」とバイナス錠75mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラマトロバンとして75mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
〈絶食投与〉
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
ラマトロバン錠75mg「KO」 1722±887 467±244 2.3±1.0 2.8±1.4
バイナス錠75mg 1579±700 456±193 1.7±0.7 2.4±1.1
(Mean±S.D.、n=16)
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<<図省略>>
〈食後投与〉
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUCt(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) t1/2(hr)
ラマトロバン錠75mg「KO」 1722±477 644±259 3.2±0.9 2.1±0.4
バイナス錠75mg 1705±418 672±184 3.1±1.0 2.6±1.1
(Mean±S.D.、n=15)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUCt、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
健康成人にラマトロバン製剤1回50mg注)を空腹時又は食後に単回投与した場合、食後投与によりAUCが空腹時投与時の88.8%(90%信頼区間:81.4〜96.9%)と低下したが、臨床的には問題とならない程度であると考えられる。
16.3 分布
16.3.1 血漿タンパク結合率
血漿タンパクと高い結合能を示しヒト血漿タンパクでは97〜98%である。主にアルブミンと結合し、その結合は可逆的である。
16.3.2 組織内放射能濃度(ラット)
雄ラットに14C標識ラマトロバン4.2mg/kgを経口投与すると、肝臓及び腎臓に高濃度に移行した。また、妊娠ラットに14C標識ラマトロバン5mg/kgを経口投与すると、胎児組織中に放射能の移行が認められたが、母体血中濃度と同程度かそれ以下であり、投与後24時間には最高値の約1/50に低下した。
16.4 代謝
健康成人に経口投与した場合の主代謝経路はグルクロン酸抱合化であった。血中の主代謝物は未変化体のアシル型グルクロン酸抱合体であり、尿中にはその他にテトラヒドロカルバゾール環の1位又は6位水酸化、及びカルバゾール体が認められた。
16.5 排泄
健康成人に単回経口投与した場合、尿中への未変化体、代謝物の排泄は少なく、あわせて約8%である。したがって主な排泄経路は胆汁を介した糞中排泄と考えられる。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
薬物動態スクリーニングにより検討した結果、高齢者の全身クリアランスは非高齢者の78.9%(95%信頼区間:56.4〜101.4%)と、非高齢者に比し低い傾向がみられた。[7.、9.8参照]
16.7 薬物相互作用
健康成人における検討の結果、ラマトロバンにジゴキシン及びマーロックスを併用投与した場合、相互作用は認められなかった。テオフォリンを併用した場合は、テオフォリンの薬物動態は変動しなかったが、ラマトロバンの血中濃度が上昇した例もあった。また、ラマトロバンの非結合型分率は臨床血中濃度のサリチル酸により1.3〜1.9倍上昇した(in vitro)。
注)本剤の承認用量は、1回75mgを1日2回である。