特徴
第二世代II類抗ヒスタミン薬。眠気の副作
専門医コメント
第二世代II類抗ヒスタミン薬であり、ヒス
用法・用量
通常、成人にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口投与する。通常、7歳以上12歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mgを1日2回、12歳以上の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日2回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
腎機能用量
15≦CCr<60:1日30〜60mgを1日2回
CCr<15・透析:1回30mgを1日2回
適応
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
効果・効能
1). アレルギー性鼻炎。
2). 蕁麻疹。
3). 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、血圧低下、意識消失、血管浮腫、胸痛、潮紅等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、LDH上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.3. 無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(0.2%)、好中球減少(0.1%未満)。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1〜5%未満)頭痛、眠気、疲労、倦怠感、めまい、不眠、神経過敏、(0.1%未満)悪夢、睡眠障害、しびれ感。
2). 消化器:(0.1〜5%未満)嘔気、嘔吐、口渇、腹痛、下痢、消化不良、(0.1%未満)便秘。
3). 過敏症:(0.1〜5%未満)そう痒、(0.1%未満)蕁麻疹、潮紅、発疹、(頻度不明)血管浮腫。
4). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇。5). 腎臓・泌尿器:(0.1%未満)頻尿、(頻度不明)排尿困難。6). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇。
7). その他:(0.1%未満)呼吸困難、味覚異常、浮腫、胸痛、月経異常。発現頻度は使用成績調査を含む。
重要な基本的な注意
8.1. 〈効能共通〉効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
8.2. 〈アレルギー性鼻炎〉季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。(特定の背景を有する患者に関する注意)
相互作用
10.2. 併用注意:
1). エリスロマイシン〔16.7.1、17.3.1参照〕[本剤の血漿中濃度を上昇させるとの報告がある(P糖蛋白の阻害による本剤のクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される)]。
2). 水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤<服用>〔16.7.2参照〕[本剤の作用を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムが本剤を一時的に吸着することにより吸収量が減少することによるものと推定される)]。
3). アパルタミド[本剤の血漿中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある(P糖蛋白の誘導により、本剤の血漿中濃度が低下したとの報告がある)]。
高齢者
異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、血中濃度が上昇する場合がある〔16.6.1参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
臨床検査結果に及ぼす影響
アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3〜5日前から本剤の投与を中止すること。
過剰投与
13.1. 症状
外国での過量投与症例として高用量を服用した2例の報告があり、1800mgを服用した症例では症状はなく、3600mgを服用した症例では、めまい、眠気及び口渇がみられた。
13.2. 処置
過量投与時、本剤は血液透析によって除去できない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「日新」
有効成分 1錠中
日本薬局方フェキソフェナジン塩酸塩60mg
添加剤 結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、カルナウバロウ
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3.2 製剤の性状
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販売名 フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「日新」
性状 うすいだいだい色のフィルムコーティング錠
外形 <<図省略>> <<図省略>> <<図省略>>
大きさ 錠径:7.6mm
錠厚:3.7mm
重量:156mg
識別コード NS 472
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薬効薬理
18.1 作用機序
フェキソフェナジン塩酸塩は抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制すると共に、ヒスタミンのH1作用に拮抗することにより、アレルギー症状を緩和する。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
〈フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「日新」〉
フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「日新」とアレグラ錠60mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(フェキソフェナジン塩酸塩として60mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。
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判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0−24(ng・hr/mL) Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr)
フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「日新」 1754.22±554.80 259.65±106.20 2.1±1.1 4.7±0.5
アレグラ錠60mg 1753.44±475.65 272.14±99.46 1.9±1.0 4.9±0.6
(Mean±S.D.、n=48)
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<<図省略>>
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
65歳以上の健康高齢者20例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル80mg注1)を単回投与したときのフェキソフェナジンのAUC0−∞は2906ng・hr/mL、Cmaxは418ng/mL、t1/2は15.2hrであった。これらの値は健康若年者における値のそれぞれ1.6、1.6、1.1倍であった。なお、忍容性は良好であった(外国人データ)。[9.8参照]
注1)成人における本剤の承認用量は1回60mg、1日2回である。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 エリスロマイシン
健康成人男子18例にフェキソフェナジン塩酸塩円形錠注2)1回120mg1日2回注1)とエリスロマイシン1回300mg1日4回7日間併用して反復経口投与したとき、血漿中フェキソフェナジンのCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約2倍に上昇した。一方、血漿中エリスロマイシン濃度には、併用による影響はなかった。
この血漿中フェキソフェナジン濃度上昇の機序は動物試験から、P糖蛋白の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定された。[10.2、17.3.1参照]
注2)フェキソフェナジン塩酸塩円形錠とフェキソフェナジン塩酸塩錠60mgは生物学的に同等であった。
16.7.2 水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤
健康成人男子22例にフェキソフェナジン塩酸塩カプセル120mg注1)の投与15分前に水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤を単回投与したとき、フェキソフェナジンのAUC0−30及びCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約40%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.8 その他
〈フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg「日新」〉
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg「日新」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、フェキソフェナジン塩酸塩60mg錠を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。