特徴
第二世代II類抗ヒスタミン薬。小児にも処
専門医コメント
第2世代II類の抗ヒスタミン薬であり、ヒ
用法・用量
成人:通常、成人には1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児:通常、7歳以上の小児には1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
腎機能用量
15≦CCr<60:1日2.5〜5mgを分1〜2
CCr<15・透析:1日2.5mgを分1〜2
適応
(成人・小児共通)アレルギー性鼻炎、蕁麻疹(成人のみ)皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑(小児のみ:2〜6歳は顆粒、DS(後発品のみ))皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
効果・効能
1). 成人:アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)。
2). 小児:アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
その他の副作用
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)紅斑等の発疹、(0.1%未満)浮腫(顔面浮腫・四肢浮腫等)、そう痒、呼吸困難。
2). 精神神経系:(5%以上)眠気、(0.1〜5%未満)倦怠感、口渇、頭痛・頭重感、めまい、(0.1%未満)集中力低下、しびれ感、(頻度不明)不随意運動(顔面不随意運動・四肢不随意運動等)。
3). 消化器:(0.1〜5%未満)腹部不快感、腹痛、下痢、嘔気、(0.1%未満)便秘、口内炎・口角炎・舌痛、胸やけ、食欲亢進、(頻度不明)嘔吐。4). 肝臓:(0.1〜5%未満)肝機能異常(ALT上昇、AST上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、総ビリルビン上昇)。
5). 血液:(0.1〜5%未満)白血球増多、好酸球増多、リンパ球減少、(0.1%未満)白血球減少、血小板減少。
6). 腎臓・泌尿器:(0.1〜5%未満)尿潜血、(0.1%未満)BUN上昇、尿蛋白陽性、血中クレアチニン上昇、頻尿、排尿困難。
7). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇。
8). その他:(0.1〜5%未満)血清コレステロール上昇、(0.1%未満)尿糖陽性、胸部不快感、味覚異常、体重増加、ほてり、(頻度不明)月経異常、筋肉痛、関節痛。
発現頻度はアレロック錠における成人の使用成績調査及び特別調査、アレロック錠、OD錠及び顆粒における小児の特定使用成績調査を含む。
重要な基本的な注意
8.1. 〈効能共通〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。8.2. 〈効能共通〉効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
8.3. 〈アレルギー性鼻炎〉季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。(特定の背景を有する患者に関する注意)
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1. 長期ステロイド療法を受けている患者:本剤投与によりステロイド減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
腎機能障害患者
9.2.1. 腎機能低下患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満):高い血中濃度が持続するおそれがある〔16.6.1参照〕。(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:肝機能障害が悪化するおそれがある。
高齢者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい)〔16.6.2、17.1.4参照〕。
妊婦・授妊婦
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行及び出生仔体重増加抑制が報告されている)。
小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の投与は、アレルゲン皮内反応を抑制し、アレルゲンの確認に支障を来すので、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 分割したときは遮光下に保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報
因果関係は明らかではないが、オロパタジン塩酸塩錠投与中に心筋梗塞の発症がみられた症例が報告されている。
保管上の注意
室温保存。
組成・性状
3.1 組成
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販売名 アレロック錠2.5
有効成分 1錠中日局オロパタジン塩酸塩2.5mg
添加剤 エチルセルロース、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ、グリセリン脂肪酸エステル、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、ヒプロメロース(置換度タイプ:2910)、ポリビニルアルコール(部分けん化物)
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3.2 製剤の性状
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販売名 アレロック錠2.5
直径(mm) 6.1
厚さ(mm) 3.0
重量(g) 0.08
表面 <<図省略>>
裏面 <<図省略>>
側面 <<図省略>>
色調 剤皮 淡黄赤色 フィルムコーティング錠
識別コード KH020(錠剤本体、PTPシートに表示)
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薬効薬理
18.1 作用機序
オロパタジン塩酸塩は、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、更に化学伝達物質(ロイコトリエン、トロンボキサン、PAF等)の産生・遊離抑制作用を有し、神経伝達物質タキキニン遊離抑制作用も有する。
18.2 薬理作用
18.2.1 抗ヒスタミン作用
受容体結合実験において、ヒスタミンH1受容体に強い拮抗作用(Ki値:16nmol/L)を有するが、ムスカリンM1受容体にはほとんど親和性を示さず、その作用は選択的であった。また、モルモットにおけるヒスタミン誘発気道収縮反応にも抑制作用を示すことが確認された。
18.2.2 実験的抗アレルギー作用
実験的アレルギー性鼻炎モデル(モルモット、ラット)において、抗原誘発による血管透過性亢進や鼻閉を抑制した。
ラット、モルモットにおける受身皮膚アナフィラキシーやアナフィラキシー性気道収縮を強力に抑制した。
能動感作モルモットにおける遅発型気道収縮と炎症細胞の浸潤を抑制した。
また、モルモットにおいて、血小板活性化因子(PAF)による気道過敏性亢進を抑制した。
18.2.3 化学伝達物質の産生・遊離過程に及ぼす影響
ラット腹腔肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制(IC30値;72μmol/L:卵白アルブミン刺激、110μmol/L:ジニトロフェニル化ウシ血清アルブミン刺激、26μmol/L:A‐23187刺激、270μmol/L:コンパウンド48/80刺激)するとともに、アラキドン酸代謝系に作用して、ヒト好中球からのロイコトリエン(IC30値;1.8μmol/L)、トロンボキサン(IC30値;0.77μmol/L)、PAF(産生:10μmol/Lで52.8%抑制、遊離:10μmol/Lで26.7%抑制)等脂質メディエーターの産生あるいは遊離を抑制することが確認された。
18.2.4 タキキニン遊離抑制作用
知覚神経終末から遊離する神経伝達物質タキキニンは、アレルギー性疾患の発症・増悪に関与することが知られている。
オロパタジン塩酸塩は、モルモットの主気管支筋標本において、フィールド電気刺激時のタキキニン関与の収縮反応を抑制(IC30値;5.0μmol/L)した。その作用はカリウムチャネル(SKCaチャネル:small conductance Ca2+‐activated K+チャネル)の活性化を介したタキキニン遊離抑制作用によると考えられた。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)成人
健康成人男性にオロパタジン塩酸塩錠5mg及び10mgを絶食下単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
健康成人男性に単回経口投与したときの血漿中濃度推移
<<図省略>>
健康成人男性に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
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投与量 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC0−∞(ng・h/mL) t1/2(h)
5mg(n=6) 1.00±0.32 107.66±22.01 326±63a) 8.75±4.63a)
10mg(n=12) 0.92±0.47 191.78±42.99 638±136b) 7.13±2.21b)
mean±S.D.
a)n=4、b)n=10
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(2)小児
小児アレルギー患者(10〜16歳、40〜57kg)にオロパタジン塩酸塩錠5mgを単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
小児アレルギー患者に単回経口投与したときの血漿中濃度推移
<<図省略>>
小児アレルギー患者に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
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投与量 tmax(h) Cmax(ng/mL) AUC0−12(ng・h/mL)
5mg(n=6) 1.33±0.52 81.57±9.91 228±20
mean±S.D.
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16.1.2 反復投与
健康成人男性(8例)にオロパタジン塩酸塩錠1回10mgを1日2回6日間、7日目に1回の計13回反復経口投与したとき、4日目までに血漿中濃度は定常状態に達し、Cmaxは単回経口投与時の1.14倍であった。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
ラットに14C‐オロパタジン塩酸塩1mg/kgを経口投与したとき、大部分の組織で投与後30分に最も高い放射能濃度を示した。消化管のほか、肝臓、腎臓及び膀胱の放射能濃度は、血漿中放射能濃度より高かった。
16.3.2 血液−脳関門通過性
ラットに14C‐オロパタジン塩酸塩1mg/kgを経口投与したとき、脳内放射能濃度は測定した組織中で最も低く、そのCmaxは血漿中放射能濃度のCmaxの約1/25であった。
16.3.3 血液−胎盤関門通過性
妊娠ラットに14C‐オロパタジン塩酸塩1mg/kgを経口投与したとき、胎児血漿中及び組織内の放射能濃度は、母体血漿中放射能濃度の0.07〜0.38倍であった。
16.3.4 母乳中への移行性
授乳期のラットに14C‐オロパタジン塩酸塩1mg/kgを経口投与したとき、乳汁中放射能濃度のAUC0−∞は、血漿中放射能濃度のAUC0−∞の約1.5倍であった。
16.3.5 蛋白結合率
ヒト血清蛋白結合率は次のとおりであった(in vitro)。
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添加濃度(ng/mL) 0.1 10 1000
血清蛋白結合率(%) 54.7±1.7 55.2±0.8 54.7±5.5
mean±S.D.(n=3)
限外ろ過法による
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16.4 代謝
健康成人(6例)にオロパタジン塩酸塩錠80mgを単回経口投与したときの血漿中代謝物は、N‐酸化体約7%、N‐モノ脱メチル体約1%(未変化体とのAUC比)であり、尿中代謝物は、各々約3%、約1%(48時間までの累積尿中排泄率)であった。
16.5 排泄
16.5.1 成人
健康成人にオロパタジン塩酸塩錠5mg(6例)及び10mg(12例)を単回経口投与したときの48時間までの未変化体の尿中排泄率は、投与量の63.0〜71.8%であった。
また、健康成人(8例)にオロパタジン塩酸塩錠1回10mgを1日2回6日間、7日目に1回の計13回反復経口投与したときの尿中排泄率は、単回経口投与後と同程度であった。
16.5.2 小児
小児アレルギー患者(10〜16歳、40〜57kg、6例)にオロパタジン塩酸塩錠5mgを単回投与したときの12時間までの未変化体の尿中排泄率は、投与量の61.8%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下患者(血液透析導入前)
クレアチニンクリアランスが2.3〜34.4mL/minの腎機能低下患者及び健康成人にオロパタジン塩酸塩錠10mgを朝食後単回経口投与したときの血漿中濃度推移は次のとおりであった。健康成人と比較して、腎機能低下患者のCmaxは2.3倍、AUCは約8倍であった。[9.2.1参照]
腎機能低下患者及び健康成人に単回経口投与したときの血漿中濃度推移
<<図省略>>
16.6.2 高齢者
高齢者(70歳以上)及び健康成人にオロパタジン塩酸塩錠10mgを単回経口投与したときの血漿中濃度推移は次のとおりであった。高齢者の血漿中濃度は健康成人に比べ高く推移し、Cmaxは約1.3倍、AUCは約1.8倍であった。t1/2は両者とも10〜11時間と同様であった。[9.8参照]
高齢者及び健康成人に単回経口投与したときの血漿中濃度推移
<<図省略>>